参議院選挙に向けて政治動向は賑やかだが、国民は白けきっているようだ
『鳴り物入り?』で結党された「たちあがれ日本」に「期待しない」が73%
との調査結果が「新報道2001」で発表された。
「たちあがれ日本」に「期待しない」73%
2010年4月11日に放送された報道番組「新報道2001」(フジテレビ系)の世論調査結果よると、10日に発足した「たちあがれ日本」について、「期待しない」と回答した人が73.6%に上った。同党は、平沼赳夫・元経済産業相と与謝野馨・元財務相らが結成した。「期待する」は20.0%だった。
調査は4月8日、首都圏の成人男女500人を対象に電話で実施した。鳩山内閣を「支持する」という回答は前週から1ポイント下落して30.4%だった。夏の参院選での投票先に関しては、最多の民主党(16.6%)に、自民党(13.4%)、みんなの党(5.6%)が続いた。
一方で自民党への支持率は相変わらず回復せず、民主党の支持率は3割を切り、不支持率は6割に迫ったようである。
普天間基地をはじめ、あれこれと隘路に陥りどうにもならない状態に『総スカン』を食った形である。
前から何度も書いているが、細川政権よりも短命に終わるのではないか?
日本テレビ 世論調査
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たちあがれ日本
/政党としての旗が見えない
河北新報 【社説】 2010年04月11日日曜日
民主党への批判と、自民党への不満の受け皿たらんという意気込みは買う。でも、政党の屋台骨である政策がはっきりしない。めでたさも中くらいの船出と言っていいだろう。
新党「たちあがれ日本」がきのう旗揚げした。メンバーは平沼赳夫元経済産業相、与謝野馨元財務相ら5人。平均年齢69.6歳のオールドパワーが結集した。
新党の性格について、幾つか吟味しておきたいことがある。
その第一は立ち位置、中でも自民党との距離にある。2005年の郵政選挙で自民党を離党した平沼氏を含め、最近まで閣僚や党幹部として活躍してきた人が多い。「ザ・自民党」と言ってもいい顔触れだ。
昨年の衆院選で野に下った自民党だが、党改革は遅々として進まない。政治とカネの問題や米軍普天間飛行場の移設問題などで民主党政権が迷走しているのに、反転攻勢の足掛かりをつかめずにいる。
与謝野氏らは谷垣禎一総裁の弱腰な党運営を度々批判し、「自民党に明日はない」と言い切って離党した。新党が「民主党政権打倒」の立場を取るのは当然としても、「非自民」が何を意味するのかはっきりしない。
目前に迫った参院選は政権選択選挙ではない。衆院で絶対安定多数を握る民主党はよほどの事情がない限り、3年後の任期満了まで解散・総選挙に打って出ることはないだろう。
衆院選で惨敗したとはいえ、自民党が現時点で政権交代可能な野党の最右翼にある事実に変わりはない。この時点で党を割ることは、政治力学的には利敵行為に等しい。
民主党の分裂を誘う秘策があっての決起なら意味はあろうが、そうでもない。他方で自民党の補完勢力と見られれば、新党の存在価値が薄まるジレンマを抱え込んでいる。
主要政策をめぐる考え方で与謝野、平沼両氏に隔たりがあることも新党の性格をあいまいにしている。
与謝野氏は消費税率の引き上げを持論とする財政規律派だが、平沼氏は景気対策を重視する立場から財政出動を優先する。郵政民営化に対するスタンスも正反対だ。
とりわけ平沼氏は自主憲法制定を強調してきた筋金入りのタカ派で、石原慎太郎東京都知事が「応援団」として名を連ねたことからも明らかなように保守色が極めて強い。
「野合」と切って捨てるには厳しすぎようが、「木に竹を接ぐ」感は否めない。二人の共通点として「麻布高校(東京)の同級生」(平沼氏)を挙げざるを得ないところに苦しさが表れている。
政党が政治の世界で正統と見なされるのは、意見の交換を通じて公益を練り上げ、国民に訴えかける場合のみだ。それなしの離合集散は派閥にすぎない。
新党は政党要件を満たす5人のメンバー集めで苦労したように、多難な船出となった。永田町で存在感を発揮するには政策を錬磨し、清新なイメージを打ち出していくしかない。
河北新報 2010年04月11日日曜日