【訂正】
私は、鳩山政権の8ヶ月は、細川政権より少し長いと思っていましたが、実際には鳩山政権の方が数日短いことが判りました。
実際には、新内閣が天皇に認証されるまで事務を継続するだろうから、殆ど同じになるようです。260日位のようです。
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さて、
鳩山退陣表明でも小沢幹事長が実質的な支配者であることが明瞭になった。
「恐縮ですがお退きください」
鳩山首相(民主党代表)が本当の民主党の指導者なら、
幹事長を辞めさせるのは「辞めろ!」のひと言で済む話である。
昨日の「両院議員総会」での退陣声明を聴いていると、全体を通して
鳩山代表が民主党を統括できていなかったことが良く解るし、中でも
やはり小沢一郎には頭が上がらなかったことが名実ともに明らかになった。
国民の意向よりも小沢の意向、小沢の意向よりもアメリカの意向を優先してきた結果が今回の行き詰まりである。
高速道路の制度変更(毎日・普通車2000円。ETC不要)案でも、国土交通相が発表した案を小沢の一声で棚上げにしてしまったし・・・
話変わって・・・
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昨夜放送された池上彰の「緊急生放送」では、生放送ならではの緊迫感と間違いが見つかる面白い進行だった。
間違い<その1> パネルの見出し【両院議院総会】 ⇒ 【両院議員総会】
池上彰氏が目敏く見つけて指摘!
間違い<その2> パネルの見出し【私も引くから幹事長も引いてください】
これも池上彰氏が目敏く見つけて指摘!
【引く】ではなくて【退く】
しかし、今朝の別チャンネルのニュースショーでは【引く】と書いていた。
その間違い捜しだけではなく、ここに至る背景の説明や、1年ごとに総理が変わることについての説明(池上氏の推論とことわった上で)もなかなか興味深かった。
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話戻して・・・
まあ、その最高権力者小沢氏に鳩山代表が引導を渡したことだけは、“評価”できるかもしれない。
大時代的に言えば、鳩山の闇討ちを画策していた小沢一味の動きを掴んだ鳩山に、小沢は返り打ちにあい、鳩山も罪を悔やんで切腹した ・・・ というところだろう。
渡辺大老は、小沢辞任について記者に感想を聞かれ、満面の笑みで「良かった!」と言っていた。
しかし、新代表選挙でも数を圧力にして小沢院政が可能な候補を立てようと画策しているらしい。
昨日早々と立候補を表明した管直人と予定していた会談を、小沢が『断った』と言うのも如何にもの感がある。
小沢院政が続くようなら民主党に再生の芽は無い!
これについて、外国紙 【Financial Times】 が書いているのを「goo News」が翻訳して Web に掲載している。
ちょっと長くなるが、その【フィナンシャル・タイムズ】の記事(翻訳・加藤祐子)を引用しよう。
英文の原文はこちら
小沢氏の大きな影、日本政治に
2010年6月3日(木)11:00 ミュア・ディッキー Mure Dickie
(フィナンシャル・タイムズ 2010年6月2日初出 翻訳gooニュース)
日本の政治を変えると公約して政権を奪取した政党にしては、2日に就任9カ月未満で辞意表明した鳩山由紀夫首相の辞任の顛末は、がっかりするほど見慣れたものだった。
「回転ドア」が回るように総理大臣が交代する日本政治では、またしてもドアが一回転した。この恥ずべき事態はしかし、与党としてまだ経験の浅い民主党にとってチャンスでもある。昨年の歴史的な選挙勝利を経て民主党は、東アジアで最も影響力の強い民主国家を様変わりさせる動きに着手した。今回の首相辞任を機に、それを再開できるかもしれないのだ。
ほとんどの専門家は、民主党の連立政権に対する国民の支持が驚くほど急落したのは主に、鳩山氏自身の欠点が原因だったという見方で一致している。特に首相が、米海兵隊基地の移設問題再考で失態を演じたこと、そして分裂を公然と繰り返す内閣に政策の方向性を示せなかったことが、政権の支持率急落に大きく寄与した。
数週間前からは首相の与党仲間の多くが、このまま続投させれば来月の重要な参院選で、与党は大敗してしまうと確信するようになった。
テンプル大学のジェフ・キングストン教授(アジア専門)は「鳩山はまったくの期待はずれだった。どの重要課題についても、力不足だった。間違いなくお荷物だったのだから、党としては切り捨てるしかなかった」と話す。
指導陣の交代によって、定数242議席の半数が改選となる来月の参院選で、民主党は失う議席数を最小限に食い止められるかもしれない。そうすれば参院でもほかの党や無所属議員と組んで、多数勢力を維持しやすくなる。
とは言うものの、民主党がオバマ的な「変化」を約束して有権者の圧倒的な支持を獲得した昨年8月のあの勢いはすでに失われており、それを回復するのは容易ではない。
民主党の幹事長であり、舞台裏で政治を動かす実力者、党の「影の将軍」と見なされてきた小沢一郎氏が、どういう役割を演じるのか。参院選での民主党は、この小沢氏に大きく影響されるだろう。
昨年の勝利の筋書きを書いた「選挙の神様」と呼ばれる小沢氏は、同時に、政権獲得後の民主党が衰退した原因とも非難されている。
政策に舞台裏から影響を与えているのは小沢氏だと見られ、かつ本人の政策発言が時に物議を醸したため、鳩山氏の総理大臣としての権威は疑問視され、内閣主導の国政を行うという主張も信頼を失ってしまった。
クリーンな政治を約束した民主党は、鳩山氏が巨額の未公表献金を母親から受け取っていたと明らかになり、ただでさえ揺らいでいた。そこへ来て、小沢氏の政治資金団体による土地取引にまつわる疑惑で、さらに足元をすくわれたのだ。
検察当局は小沢氏本人を政治資金規正法違反で起訴することはなかった。しかし民間人11人で構成される検察審査会は、側近らが作成した政治資金報告書の内容を小沢氏自身が知らなかったという弁論は「きわめて不合理で不自然で信用できない」と痛烈に批判している。
思いのこもった辞意表明演説で鳩山氏は、「クリーン」な政党としての民主党の評価を回復するには、小沢氏の幹事長辞任が不可欠だと述べた。
政治アナリストの歳川隆雄氏は、小沢氏に対する鳩山氏の「逆クーデター」によって、後任の新代表は公明党や「みんなの党」との連携がしやすくなり、よって参院での法案成立もしやすくなるだろうと話す。
しかし小沢氏は自らの影響力維持のために戦うだろうし、民主党から離脱するのではないかと懸念する党関係者もいる。小沢氏はこれまでの長い政治家生活の中で、何度もそうしてきたからだ。
「小沢氏がこのままずっと舞台の袖で大人しくしているなど、彼を知る人は誰もそんなことは思わない。小沢問題は、本当の意味では解決していない」。日本政治を長年見てきたジェリー・カーティス氏は言う。
国立政策研究大学院大学の本田雅俊准教授は、新代表選出で民主党人気が回復しても、糸を引くのは相変わらず小沢氏だと国民に思われたら、人気はまた下がるだろうと指摘する。
小沢氏の影が残れば、支持も回復しない。本田氏はそう言う。