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『改正』臓器移植法で移植医療の“促進”の問題点

2010-07-17 15:44:31 | 医療・福祉
2010年7月17日(土)


『改正』臓器移植法が本日施行されたという。

 ニュースや解説を聞いていると、移植医療の促進の方に目が向いているようであり、臓器提供者の意志を軽んじているような感じがする。

 特に、子どもも含め、本人の脳死後の臓器提供の意志が無くても家族の同意があれば、まだ心臓が動いていて体も温かい脳死患者から臓器の摘出を行えるようにしたことは、今後様々な波紋を広げると思われる。

 これらのニュースの中では、親の意志による子どもの臓器摘出が持つ潜在的問題と、これに密接に拘りあう「幼児虐待死」の問題が捉えられていた。

 幼児も含む子どもを殺す親が続発している状況では、子どもを虐待死させて、その臓器を提供するという親も出かねないし、裏社会による臓器取引で子どもの臓器を売り渡す親も出てくる可能性も少なくない。 尤も、そのような親は極々一部の親ではあるが・・・

 東南アジアでは、子どもを誘拐して臓器を売買するというビジネスが裏社会で行われているという。 日本の裏社会がこれにかみ合ってくることも有り得ない話ではない。
 (既に組み込まれているかも?)

 とにかく、様々な悪い問題を広げる『改正』臓器移植法の施行である。

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 昨日のNHKニュースの中では、本人の臓器提供意志を示すドナーカードを所持している娘の臓器を7人の患者に提供した父親の思いと、ドナーカードは持っていなかった娘の腎臓を心臓死後に提供した父親の思いを紹介していた。

 ドナーカードを所持していた娘の父親は、娘の身体を切り裂く臓器提供に抵抗はあったが、娘の意志を活かす事で他の患者の役に立ったことで気持ちの整理は一応付いているようだった。
 一方で、臓器提供の意志が示されていない娘の父親の場合は、たとえ心臓死ではあっても、娘に「すまない」という思いを今も引きずっていた。
これが、意志表示が無い家族の脳死での臓器提供ともなれば、一層心の整理がつかないものと思う。 一生引きずるかもしれない。

 このニュースでは、人数も少なく、充分な対応ができかねている「移植コーディネーター」の改正臓器移植法に対する研修やロールプレイによる家族へのメンタルも含めた対応を勉強している様子も描いていた。
 特にドナーカードを書いていない場合に、その人の生存中の言動などに遡って聞き出すなど、困難な取り組み状況も紹介していた。

 ニュース番組内での特集と言う制約のある中で、この特集は法律や理念にこだわらず、現場サイドの視点で、できるだけ多面的にこの問題を捉えようとしていた点で、高く評価できると思う。




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