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【原子力規制委/不信だらけの強行突破だ】  河北新報 9/13 社説

2012-09-13 18:32:27 | 政治
2012年09月13日(木)

 原子力規制委員会の法の抜け穴を悪用した国会に図らない人事を

昨日の読売新聞・社説は【是】としていたが、今日の河北新報社説は

全く逆の立場で【非】すなわちレッドカードを突き付けている。

 当ブログがどちらの立場に近いかは自明のことである。

 以下、引用して紹介する。

原子力規制委 やむを得ぬ首相の委員長任命
 読売新聞・社説 - 2012年9月12日01時50分


原子力規制委/不信だらけの強行突破だ
 河北新報・社説 - 2012年09月13日(木)


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原子力規制委/不信だらけの強行突破だ
 河北新報・社説 - 2012年09月13日(木)
 

 原子力の新たな安全対策を担う国の「原子力規制委員会」が、法律の抜け穴をすり抜けるようにして発足することになった。こんな姑息(こそく)な手段でスタートさせては、規制委への信頼は到底得られない。

 福島第1原発事故後の原子力行政に本気で取り組むつもりなら、国会の同意を得られるよう規制委員長らの人選を考え直すべきだった。仮にこのまま発足させるにしても、次期国会では速やかに同意を得なければならない。

 規制委は委員長1人と委員4人の計5人で構成される。その下に事務局の「原子力規制庁」を置き、これからの原子力行政を一手に引き受ける。5人の任命には「国会同意」、つまり採決による賛成が必要だと法律(原子力規制委設置法)で規定されている。

 ところが、政府は同意を得ないまま野田佳彦首相の「権限」で任命し、19日に規制委を発足させることを決めた。
 原子力の新たな規制組織は、ことし4月に発足するはずだった。半年近くも延び、もはや待てないということだろうが、民主党政権の人事の稚拙さが遅れをもたらした最大の要因だ。

 特に、トップの人選は理解に苦しむ。

 委員長候補とされる田中俊一氏は前の原子力委員会委員長代理であり、つい3年前まで原子力行政の中心にいた人物だ。
 それ以前は、日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)の研究者だった。

 原子力についての広範な知識を有しているとしても、原子力委員経験者をトップに据えるのは非常識だ。
 規制委に何より求められるのは、原発の安全規制を骨抜きにした「原子力ムラ」からの決別だからだ。

 そのほかの委員も含め、今回の人事案からは「脱原子力ムラ」のメッセージがさっぱり伝わってこない。
 むしろ、「ムラ回帰」と受け止められる中身だ。
 「ベストメンバー」(細野豪志・原発事故担当相)だという政府の説明は全く納得できない。

 案の定、反対する声が民主党内でも強まっていた。人事案は7月末に国会に示され、8月上旬の採決が予定されていたが、多くの造反者が出る可能性があったことから、採決は結局見送られた。

 その揚げ句、首相権限による緊急任命になったのだが、その理屈付けも極めておかしい。

 「閉会または衆院解散で国会の同意を得られない時は、首相が任命できる」との規制委設置法の付則を根拠にしている。なぜ最初から、こんな場当たり的な決め方をしなければならないのか。

 堂々と採決し、同意を得られなかったら選考し直すべきだった。そもそも採決に持ち込めないようなら、引っ込めるのが筋だろう。政府のやり方は全く理解できない。
 常識外れの浅ましい進め方で発足させたのでは、原子力安全規制が台無しになってしまう恐れすらある。

  【河北新報・社説 - 2012年09月13日木曜日】


 ほとんど同感である!

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原子力規制委 やむを得ぬ首相の委員長任命
 読売新聞・社説 - 2012年9月12日01時50分
 

 原子力安全行政を立て直すため、原子力規制委員会を速やかに設置する必要がある。

 政府は、規制委の19日発足を閣議決定した。

 委員長と委員4人の人事案に国会の同意が得られぬまま、規制委設置法に基づき、野田首相が自らの権限で任命することになる。

 国会同意なしの任命は望ましくないが、法律上の設置期限の26日が迫っている。政府が特例措置に踏み切るのはやむを得ない。

 先の通常国会で同意の議決ができなかったのは、民主党内の混乱が原因である。

 鳩山元首相や党代表選に出馬した原口一博元総務相らは、いわゆる「原子力ムラ」に属さない人物への差し替えを求めている。菅前首相も慎重姿勢を示した。政府が提案した人事に与党が同意しないのは異常な事態だ。

 民主党内の反対論が沈静化する可能性は低く、野党にも否決論が根強い。次の臨時国会での同意取り付けも容易ではなさそうだ。

 だが、規制委の任務は、専門的知見に基づき、原子力利用の安全性を確保することにある。原子力政策の決定の場ではないことに、鳩山氏らは留意すべきだ。

 平時は、原子力発電所の再稼働や廃炉の是非を判断し、緊急時には事故対応の司令塔となる。

 規制委は各府省からの独立性が強く、自律的な組織だけに、原子力の実務を知る人材を欠かすことはできない。専門家を排除すればその役割を果たせまい。

 規制委が機能するには、事務局となる原子力規制庁の陣容を固める必要がある。官民から幅広く人材を起用することが不可欠だ。

 政府が「原発ゼロ」を打ち出せば、将来への展望がなくなり、優秀な人材の確保は困難となることにも気を配る必要はないか。

 国会同意人事については、与野党でルールを見直すべきである。特に、事前報道された場合、原則その人事を認めないとしている点が問題だ。野党当時の民主党が主張し、衆参両院議院運営委員長の合意に明記された。

 不当な報道規制である。政府が情報漏えいを口実にして、与野党との人事案の事前調整を忌避することによる弊害も大きい。

 衆院側は合意撤廃を求めたが、参院側は一部修正にとどめるべきだとして折り合えなかった。

 参院自民党には、かつてこの合意を盾に野党民主党に苦しめられたことへの意趣返しという思いもあろう。だが、不合理な規則は早急に廃止するのが筋である。

(2012年9月12日01時50分 読売新聞)



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