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建設中の原発を例外扱いすることで矛盾が一段と鮮明に(河北新報)

2012-09-16 10:47:30 | 政治
2012年9月16日(日)

 又また【河北新報】の記事の引用になるが、原発絡みの二つの記事を御紹介。

 一つは、「設置許可が与えられている原発の新設は認める」と云う

政府の『新エネルギー戦略』に対する経産相の『新しい解釈』(9/15)

 もう一つは、その『新エネルギー戦略』に初めから内在する矛盾点について

の本日(2012年9月16日)付け社説。

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 一つ目の経産相の『新しい解釈』については、『新エネルギー戦略』発表後

間も無かったので、ア然としたところだったので、この記事はまさにタイムリー!

大間原発の建設再開容認 経産相、青森知事に方針
 (河北新報) - 2012年9月16日(日)08:15


 一部を抜き書きすると・・・

【建設中の原発について「既に設置許可が与えられている。取り消しや新たな手続きといった変更は考えてない」と述べ、建設再開を容認する方針を表明した。】

【東日本大震災後、建設中断が続く原発に対し、枝野経産相が建設を認める考えを明らかにしたのは初めて。新戦略は「2030年代の原発ゼロ」を掲げ、原発の新増設を認めないとしており、建設中の原発を例外扱いすることで矛盾が一段と鮮明になった。】

【核燃料サイクル政策については「これまでの青森県との約束が大前提。従来の政策を変更するものではない」と繰り返し、使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)、中間貯蔵施設(むつ市)ともに「完工に向け着実に進める」と明言した。】


 制定した夜(9/14)が明けたら(9/15)、その根本政策を解釈変更するとは・・・

 まさに「朝令暮改」 実際には 『暮令朝改』 である。

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 もう一つは、当ブログにおととい書いた内容と同じ。

「使用済み核燃料」の再処理は認めて、一方で原発は無くすという矛盾

 NHK解説員の解説を引用して

 「原発反対派にも原発推進派にも受け容れられない中途半端なもの」
 
  と書いたが、同様の指摘は西日本新聞にも掲載されていた。

 そして、今日の【河北新報】の社説である。

核燃料再処理/「脱原子力」とは相いれない
 【河北新報】社説 - 2012年09月16日日曜日


 これも一部抜き書きすると・・・

【脱原子力を決めながら再処理を続けることは、全くつじつまが合わない。青森県の実情に十分配慮した上で、再処理も期限を切って撤退を目指すことが不可欠だ。
 再処理は原発で燃やしたウラン燃料からプルトニウムを取り出す技術。そのプルトニウムは、現在の原発(軽水炉)とは仕組みが異なる高速増殖炉の核燃料として利用する。
 これがいわゆる核燃サイクル政策だ。膨大な費用を投じてきたが、実現可能性は限りなくゼロに近い。政府は今回、増殖炉の原型炉「もんじゅ」(福井県)を核廃棄物の研究施設に転用する方針も決めた。事実上、増殖炉開発の断念を意味している。】

【核燃サイクル政策はいわば、原子力ムラが残した巨大な負の遺産だ。この期に及んでもなお継続することは、後に続く世代への背信行為に等しい。】

 

 その通りだと思う!

 東北の地元紙が書いているだけに、重い意味があると思う!

原発ゼロ・再処理、矛盾 青森の首長、懸念と不安
  【河北新報】 - 2012年09月16日日曜日



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大間原発の建設再開容認 経産相、青森知事に方針
 (河北新報) - 2012年9月16日(日)08:15
 

 政府の新エネルギー戦略の決定を受け、枝野幸男経済産業相は15日、原子力施設が集中する青森県の三村申吾知事らと青森市内で会談し、電源開発大間原発(大間町)など建設中の原発について「既に設置許可が与えられている。取り消しや新たな手続きといった変更は考えてない」と述べ、建設再開を容認する方針を表明した。

 東日本大震災後、建設中断が続く原発に対し、枝野経産相が建設を認める考えを明らかにしたのは初めて。新戦略は「2030年代の原発ゼロ」を掲げ、原発の新増設を認めないとしており、建設中の原発を例外扱いすることで矛盾が一段と鮮明になった。
 大間原発の工事進捗(しんちょく)率は約40%。2014年11月の運転開始を目指している。枝野経産相は「運転開始には、独立性を持った原子力規制委員会の許認可が必要」との考えも示した。
 原子炉の設置許可は東京電力東通原発1号機(東通村)にも出ているが、枝野経産相は会談後の取材に対し「東電は、福島の被災者への賠償や企業体質を変えることに全力を挙げることが重要だ」と強調。当面の建設再開を否定した。
 核燃料サイクル政策については「これまでの青森県との約束が大前提。従来の政策を変更するものではない」と繰り返し、使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)、中間貯蔵施設(むつ市)ともに「完工に向け着実に進める」と明言した。
 プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を一般の原子炉で使うプルサーマルに関しても「国が責任を持って進める」とし、青森県を使用済み核燃料の最終処分場にしないこともあらためて表明した。
 三村知事は核燃サイクル政策の継続を評価した上で、サイクルの要となる原発のゼロ目標に「具体的な道筋が不透明だ。明確な方針を示してほしい」と注文。再処理事業の中止を想定し検討していた使用済み核燃料の返還には「さまざまな約束は守られていくと受け止めた」と見送る考えを明らかにした。



核燃料再処理/「脱原子力」とは相いれない
 【河北新報】社説 - 2012年09月16日日曜日
 

 戦後60年近く、官民こぞって推進してきた原子力発電が、歴史的な転換点を迎えようとしている。
 政府は14日、2030年代に「原発ゼロ」の社会の実現を目指すことを決めた。容易ではないが、福島第1原発事故を経験した今、かつてないほど多くの国民が脱原子力を求めている。
 その声に押された政策の転換であり、将来のあるべき姿を見据え、着実に対策を実行していかなければならない。
 その一方で使用済み核燃料の再処理は当面、継続されることになった。再処理工場を中心とする核燃料サイクル施設が青森県六ケ所村に集中立地しており、地元に配慮した形だ。
 だが、脱原子力を決めながら再処理を続けることは、全くつじつまが合わない。青森県の実情に十分配慮した上で、再処理も期限を切って撤退を目指すことが不可欠だ。
 再処理は原発で燃やしたウラン燃料からプルトニウムを取り出す技術。そのプルトニウムは、現在の原発(軽水炉)とは仕組みが異なる高速増殖炉の核燃料として利用する。
 これがいわゆる核燃サイクル政策だ。膨大な費用を投じてきたが、実現可能性は限りなくゼロに近い。政府は今回、増殖炉の原型炉「もんじゅ」(福井県)を核廃棄物の研究施設に転用する方針も決めた。事実上、増殖炉開発の断念を意味している。
 プルトニウム利用には、ウランと混ぜて原発の核燃料として使う方法(プルサーマル)もあり、事故を起こした福島第1原発などで実施された。だが、原発の再稼働が認められるかどうか分からない状態では、プルサーマルの推進も無理だろう。
 プルトニウムは核爆弾の材料となる物質のために、国際社会から厳しい監視を受ける。使い道もないのに生産だけ続けることは、理解を得られない。
 さらに、再処理後に残る高レベル放射性廃棄物の最終的な行き先も、全く見通しが立っていない。客観的に見て、核燃サイクル政策は明らかに行き詰まっている。
 ただ、青森県は一貫して推進を求めてきた。「国策への協力」という理由で30年近くも核燃サイクル政策を受け入れてきた経緯があるし、地域経済への影響も心配している。
 六ケ所村には全国の原発の使用済み燃料が貯蔵中だが、再処理廃止となれば、県外搬出を要求する可能性がある。青森にとっては「再処理のための貯蔵」であり、最終処分を断固拒否している。
 この状況を打開するには例えば、使用済み燃料をそのまま全国各地で長期保管することを決め、いずれ地層処分を検討していくといった方法しかないだろう。その道筋を示し、青森県の理解を得て再処理を見直すべきだ。
 核燃サイクル政策はいわば、原子力ムラが残した巨大な負の遺産だ。この期に及んでもなお継続することは、後に続く世代への背信行為に等しい。

  【河北新報】社説 - 2012年09月16日日曜日



原発ゼロ・再処理、矛盾 青森の首長、懸念と不安
  【河北新報】 - 2012年09月16日日曜日
 

 政府の新エネルギー戦略は矛盾しているのではないか-。原子力関連施設が立地する青森県内の市町村長らからは新戦略への懸念や不安が相次いだが、枝野幸男経産相の口から歯切れの良い答えは出なかった。使用済み核燃料の再処理事業の継続方針を歓迎する声もあったが、疑問点は解決されないままだった。

 「何年までにどんなプロセスで原発をゼロにするのかあいまい。原発ゼロと再処理継続は矛盾だ」。15日、青森市で行われた枝野経産相との会談で、越善靖夫東通村長が痛烈に批判した。
 村には建設休止中の東京電力東通1号機、計画段階の同2号機、東北電力2号機の計3機の原発計画がある。少なくとも設置許可を得た1号機は建設可能のはずだ。しかし、枝野経産相は「東電が原発について論議できる段階にない」と述べるにとどまった。
 越善村長は、原発ゼロ方針決定に「すでに原子力雇用の減少など、地域経済は大打撃を受けている。立地地域の思いが無視され、はなはだ遺憾だ」と不快感を示した。
 大間原発の建設再開の言質を取った金沢満春大間町長は「国が設置許可の変更をしないという点は評価できる」と少しほっとした様子。
 使用済み核燃料中間貯蔵施設の建設が進むむつ市の宮下順一郎市長は「貯蔵する燃料は再処理するまでの一時的なものである、と明言してくれたことは評価する」と述べた。
 ただ、原発ゼロになった場合の再処理のあり方を懸念し、「整合性についてはまだ納得できない」と話した。
 古川健治六ケ所村長は、村に施設がある再処理事業が従来通りの継続となった点を強調。「村の事情を理解していただいた。原発30年代ゼロとサイクル継続の整合性に若干疑問はあるが、国や立地自治体と連携して対応したい」と前向きに受け止めた。 



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