【東北電力東通原発(青森県東通村)敷地内の断層が活断層かどうかを判断する原子力規制委員会の評価会合が20日、東京都内で開かれ、島崎邦彦委員長代理ら現地調査した5人の専門家は、活断層の可能性が高いとの見解で一致した。】(河北新報 12/21) と云う。
現在停止中ではあるが、福島原発で解ったように、停止中でも燃料には
絶えず冷却水を注入し続けなければならないから、システムが全停止している
訳ではない。 逆に言うと、冷却系統は、燃料が冷却されるまでの長期に亘って
ほぼ永久に冷やし続けなければならないので、電源の確保は必須である。
今日来るか明日来るか、来年来るか10年後来るか解らない大地震で断層が
ズレれば、電源を供給する鉄塔が倒れるかも知れない。
福島原発の炉心溶融も、津波より先に、地震の第一撃で電力鉄塔が倒れ、
外部電源が全て失われたことが第一の原因だと云う。
従って、原子炉の真下に断層が無かったら安全だという訳では全く無い。
東通原発はもとより、全ての原発を廃炉にするべきである。
【河北新報】が詳しく報道しているので、以下に引用する。
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【河北新報・社説】東通原発に活断層
/安全性の土台がぐらついた
(河北新報) - 2012年12月21日(金)06:10
東通、活断層で一致 規制委、26日に最終判断
(河北新報) - 2012年12月21日(金)06:10
「典型事例」指摘次々 東通、活断層で専門家全員一致
(河北新報) - 2012年12月21日(金)06:10
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東通原発、活断層と判断
…稼働停止が長期化へ
(読売新聞) - 2012年12月20日(木)21:50
東通原発:活断層と断定
敷地内を縦断…規制委調査団
毎日新聞 2012年12月20日 20時57分
東通原発に活断層 原子力規制委見解
再稼働は当面困難
(朝日新聞) - 2012年12月20日(木)18:25
【河北新報・社説】東通原発に活断層
/安全性の土台がぐらついた
(河北新報) - 2012年12月21日(金)06:10
東北電力東通原発(青森県東通村、110万キロワット)の敷地内を走る2本の断層(F-3、F-9)を調査していた原子力規制委員会が20日、いずれも活断層である可能性が高いとの見解を示した。
活断層の存在が指摘された原発は、日本原子力発電の敦賀(福井県)に続き2例目。原子炉建屋の直下だった敦賀と異なり、東通は離れているが、それでも数百メートルでしかない。
原発の耐震性に影響を与えないかどうかを詳細に調べることはもちろん、敷地内の地質を検証し直すことが不可欠になっている。規制委も関与して徹底した安全性の再確認を進め、運転の是非を最終判断すべきだ。
東通原発が立地する青森県の下北半島には、使用済み核燃料再処理工場などの原子力施設が集中している。その潜在的な危険性を考えれば、原発にとどまらず、広範囲に地質を調べ直すことも迫られている。
東通の敷地内に変形した地層があるのは以前から分かっていたが、東北電は「粘土質の古い地層が乾燥後に水を吸って膨張し、より新しい地層に断層を形成した」と説明し、活断層の存在を否定してきた。
この「膨潤作用説」に対しては、規制委側の専門家から「聞いたことがない」などと疑問の声が上がっていた。規制委は今回、膨潤作用説を一蹴したことになる。
東京電力東通(建設停止中)と電源開発大間(建設中)の2原発も、地層の変形を同じように膨潤作用で説明している。いずれも下北半島にあるが、活断層を否定する理由としては受け入れ難く、再調査が避けられないだろう。
原発に関する国の安全審査指針によると、活断層の真上に原子炉などの重要施設は設置できない。敦賀のように原子炉真下なら廃炉の可能性が浮上することになる。
今回の活断層は真下ではないが、それでも到底安心できない。原子炉建屋の真下にも短い断層(f-2)が存在するからだ。活断層と指摘されたF-3などは原子炉の西側だが、連動の可能性がないかどうかは安全性に決定的な影響を及ぼす。
東北電はf-2を「活動性がない」と見なしているが、活断層が近くにあると指摘された以上、連動についてさらに検証すべきだ。
そもそも活断層に対する国の考え方は甘すぎる。原子炉などの真下でなくても、敷地内に活断層があるだけで既に相当危険な状態ではないか。直下型地震の可能性が出てくるからだ。
周辺住民の安全を最優先にするなら、敷地全域を対象に活断層の存在を認めない方がよほど理にかなっている。
二つの原発で立て続けに活断層の存在が指摘されたのは、過去の調査や審査がいかにずさんだったかの証左でもある。活断層の有無について、全国の原発で徹底的に調査すべきだ。そうしない限り、原発の耐震安全性への信頼は取り戻せない。
東通、活断層で一致 規制委、26日に最終判断
(河北新報) - 2012年12月21日(金)06:10
東北電力東通原発(青森県東通村)敷地内の断層が活断層かどうかを判断する原子力規制委員会の評価会合が20日、東京都内で開かれ、島崎邦彦委員長代理ら現地調査した5人の専門家は、活断層の可能性が高いとの見解で一致した。活断層ではないと主張する東北電は、原子炉への影響を考慮してきておらず、再調査や耐震性の見直しは必至。同原発の再稼働は、当面困難となる情勢だ。
5人は13、14両日、現地で、原子炉建屋の近くを南北に走る「F-3」「F-9」などの断層を調査した。
専門家らは会合で、これらの断層について「考慮すべき活断層だ」(粟田泰夫・産業技術総合研究所主任研究員)などと口をそろえ、島崎氏は「活断層ではないという主張は到底受け入れ難い」と結論付けた。
東北電は、粘土層が地下水を吸って膨張する「膨潤」が地層のずれの原因とし、「活断層ではない」と主張している。規制委は26日に同社から意見を聞いて最終判断する。同社は従来の主張を繰り返す方針。
規制委が原発敷地内の活断層の可能性を認定したのは、日本原子力発電敦賀原発(福井県)に次いで2例目。東通の場合、原子炉直下を断層が通る敦賀とは異なり、即時に廃炉を迫られることはないとみられる。
ただ、近傍の複数の活断層が原子炉などに与える影響の評価が求められ、耐震補強などが必要になれば運転停止は長期化しそうだ。規制委は、新たな安全基準ができる来年7月以降に、再稼働の可否を判断する。
20日の会合では、北側の隣接地で着工された東京電力東通原発の敷地まで活断層が延びているとの見解でほぼ一致しており、影響は避けられない見通しだ。
下北半島には、建設中の大間原発(青森県大間町)や使用済み核燃料再処理工場(同六ケ所村)なども集中立地している。規制委の田中俊一委員長は19日の記者会見で、「下北全体の調査はいずれはやらないといけない」と述べた。
半島の東部沖海底には、南北80キロを超える「大陸棚外縁断層」があり、過去の調査では「考慮すべき活断層はない」とされたが、評価が見直される可能性もある。
◎再稼働、早期は困難
【解説】東北電力東通原発(青森県東通村)敷地内の断層が活断層である可能性が一段と高まったことで、運転を停止している1号機の早期の再稼働は困難になったと言える。
原子力規制委員会の現地調査団は20日の評価会合で「敷地内に活断層はない」としてきた東北電の主張をことごとく否定した。次回会合は東北電の「弁明の機会」にとどまる公算が大きく、規制委が再稼働の是非をどう判断するかが今後の焦点となる。
敷地内の断層は原子炉建屋から数百メートル離れている。施設直下を走る日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)とは異なり、「再稼働は可能」と判断される可能性はある。
だが、安全性への疑念がぬぐえない中、どんな対策を施せば危険でないと言えるのか。規制委には説得力のある基準を明示する責任がある。
東北電にとっては経営への影響が必至だ。女川原発(宮城県女川町、石巻市)は東日本大震災の揺れで被害を受け、運転再開の見通しが立たない。東通の停止も長期化すれば、火力発電の燃料費が膨らむ。
同社は経営悪化を理由に、来年度の早い時期に電気料金を引き上げる方向。さらなる燃料費増大は値上げ幅の拡大につながる恐れもある。
東北電はこれまで、断層より上の地層の形状変化について、地層が水で膨張した「膨潤」によると説明してきた。そもそも国に膨潤説が受け入れられ、東通原発の設置が認められたのはなぜか。原点に戻っての検証が必要だろう。
(報道部・小沢邦嘉)
「典型事例」指摘次々 東通、活断層で専門家全員一致
(河北新報) - 2012年12月21日(金)06:10
「典型的な活断層だ」。20日に原子力規制委員会が東京都内で開いた東北電力東通原発(青森県東通村)の敷地内断層に関する評価会合では、出席した専門家全員がそろって「敷地内に活断層がある」との見方を示した。規制委の島崎邦彦委員長代理は「『活断層ではない』という主張はとうてい受け入れがたい」と断定し、東北電のこれまでの主張を一蹴した。
会合には13、14日に現地を調査した島崎委員長代理ら専門家5人が出席。会場中央のスクリーンには約2時間、各専門家が用意した「活断層」との根拠を示す調査資料が次々と映し出された。
熊木洋太専修大教授は「過去の地震の起きた断層と非常によく似ている」と指摘。地層のずれについて「粘土層が水を吸って膨張する『膨潤作用』が原因」とする東北電の説明を「そうした痕跡はなく、非常に疑問」と否定した。
千葉大大学院の金田平太郎准教授は「(断層の)変状に膨張がかかわっている可能性はある」としながら「全ての変状を膨潤で説明するのは難しく、一部は活断層と考えられる」と強調した。
産業技術総合研究所の粟田泰夫主任研究員は「敷地内に広い範囲で断層による変異がある。活断層の可能性を否定するのは、ほとんど不可能」と言い切り、独自に作った活断層分布図を示した。
東大地震研究所の佐藤比呂志教授も活断層と判断。さらに「下北半島には複数の原子力施設があり、沖合から陸上まで地下構造を調査すべきだ」と指摘した。
島崎委員長代理は終了後、報道陣の取材に「活断層の揺れの規模などを推定するのは、事業者の役割。その調査結果が適正か判断する」として、東北電が再稼働を目指す場合は、あらためて耐震性の評価が必要になるとの見解を示した。
東北電は事前に会合での発言機会を求めたものの認められず、幹部や担当者が一般傍聴席で専門家の主張を聞くだけとなった。
終了後、報道陣の取材に応じた千釜章土木建築部長は「詳細な調査を行って評価しており、断層に活動性はないと考えている」と強調。意見を述べる26日の会合に触れ「会社の考えをきちんと説明したい」と、ややこわばった表情で話した。
一方、東通村の越善靖夫村長は村役場で記者会見し、「活断層ではないと思っている。東北電が26日に調査団に説明することになっており、現段階で軽々しくは言えない」と述べた。
◎安全性の再評価重要 さらに詳細な調査を 東北・専門家の見方
東北電力東通原発の敷地内の断層が活断層の可能性が高まったことを受け、東北の研究者は、施設全体の安全性を高める対策や、下北半島全体のより詳細な断層調査の必要性を指摘している。
東北電力と、隣接地に原発建設を予定する東京電力は耐震性の再評価を迫られるのは必至だ。
原発の耐震設計などに詳しい東北大災害科学国際研究所の源栄正人教授(地震工学)は「活断層と判断されたなら安全性を再確認するのは当然だ」と強調。「活断層で想定される揺れに対して施設の耐震性の余裕がどれほどあるかがポイント。配管や付帯設備も含めプラント全体で安全性を再評価することが重要だ」と訴える。
同研究所の遠田晋次教授(地震地質学)は、旧原子力安全・保安院の専門家会合で東北電の「膨潤」説に疑問を提示し、より詳しい調査の必要性を指摘していた。
遠田教授は「敷地内の地層は東西から圧縮されるように変形していた。粘土層の膨張で圧縮力が生じるとは考えにくい」と当時を振り返る。
ただ、活断層説には慎重な見方を示し、有識者会合が13、14の両日調べた4本の断層について「ずれの量は大きくなく、地震を起こす断層とは感じられなかった。別の断層が動いた影響で一緒にずれた可能性がある」と分析する。
東通原発がある下北半島には使用済み核燃料再処理施設(六ケ所村)や建設中の大間原発(大間町)など原子力施設が集中する一方、周辺には複数の活断層がある。
「断層の活動性の評価は難しい」と話すのは、弘前大地震火山観測所の小菅正裕准教授(地震学)。直下型地震は数千年から数万年の間隔で起きるとされ、データが不足しているためだ。「下北半島付近の地震活動は今は活発ではないが、将来は分からない」として、継続した調査の必要性を説く。
規制委判断、尊重を
=東通原発の「活断層」で―枝野経産相
(時事通信) - 2012年12月21日(金)11:41
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