このニュースは書道などの展示審査会での受賞者が『幽霊』だったと云う話し。
その展覧会は、「全日展書法会」が主催し文化庁などが後援する書道中心の
公募美術展「全日展」
実際には作品が出品され、それが各都道府県知事から『知事賞』 に選定されているのに
賞状を、受賞者が登録した住所に送付すると「所在不明」で送り返されてくると云う
ミステリーが、起こっていると云う。
朝日新聞調べでは、過去数年来に亘って確認されており、合わせると全都道府県の
半分に当たる23県に及んでいると云う。
Webニュースでは、朝日新聞が最も早かったようであり、独自の取材によるスクープ
だったようにも思える。
知事賞、偽名使い回し 芸術ビジネスに行政の権威利用
(朝日新聞) - 2014年2月15日(土)13:55
【取材班は昨年11月末、東京・上野の都美術館で開催中の第41回全日展で「知事賞受賞者」の多くが架空の人物であるとの情報を入手し、会場に向かった。】
朝日新聞記事より
全日展、架空人物に知事賞 主催者が偽名で書道出展
(朝日新聞) - 2014年2月15日(土)13:52
その朝日新聞記事によると
【架空の人物に知事賞を出していたのは2011年は15県、12年は17県、昨年は16県。
この3年間で1回でも出したのは岩手、宮城、山形、福島、富山、岐阜、三重、滋賀、奈良、鳥取、島根、広島、山口、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、鹿児島、沖縄の23県で、全て書道作品だ。 】
毎日新聞は、今回の展覧会で、少なくとも12県に架空受賞者が居た事を
突き止めたと云う。
こちらも「毎日新聞の調べで分かった。」と、独自取材のように書いている。
全日展:架空人物に知事賞か 少なくとも12県
(毎日新聞) - 2014年2月15日(土)17:42
きのう付けのNHKニュースが要点を纏めているように思う。
実在せぬ疑いの人物に知事賞か
(NHK) - 2014年2月17日(月) 22時54分
最初は、なんでこんな 『ミステリー』 が有り得るのか不思議だったし、
この不祥事の構造も良く解らなかった。
しかし、これらのニュースで解った範囲だけで云うと、この 「全日展」 は、書道家の
あいだでは、それほど価値の高い展覧会とは思われていなくて、数ある団体の展覧会の一つ
に過ぎなかったようで、いわば『知名度を上げる』ために各賞を設け、その一つとして
都道府県知事賞を47本も毎回送っていたのだろう。
【全日展は1973年以降、毎年1回開催し、内閣総理大臣賞や外務大臣賞に加え各都道府県が知事賞を出してきた。昨年は11月26日~12月3日に東京・上野の都美術館で第41回公募展を開催。主催者は2034点の応募があったとしていた。】
(朝日- 2月15日付け)
その上、都道府県知事は見学も視察もなく、ましてや審査に参加することは全くなく
主催者に審査もお任せしていたそうです。
その上、あまりにも出展数が多いので、審査もおざなりで、事実上『無審査』で賞を
贈っていたとのこと。
しかし、都道府県からは出展していないことが解ったと云う訳で、誰がその受賞作を
書いたのか? が、まだ残るミステリーです。
朝日新聞の調べでも、作品は確かにあって、似たような『落款』が別の作者の作品と
される 【書】 に押印してあったとのこと。
佐村河内守(さむら・かわちのかみ:と読んだ人が居る;笑)みたいに、別人が
作品を代作したと云うのともちょっと違う。
と言うのは、河内守(かわちのかみ)に相当する人物が『不在幽霊』なのですから・・・
何のために、賞を上げていたのかが不可思議! やはり売名か?!
【関連記事リンク】
「全日展」架空人物に知事賞か=主催団体、自治体に賞状返上
(時事通信)- 2014年2月15日(土)21:42
17県の知事賞受賞者が「幽霊出品者」…全日展
(読売新聞) - 2014年2月17日(月)22:07
全日展会長が引責辞任 架空人物の知事賞受賞巡り
(朝日新聞) - 2014年2月17日(月)23:13
全日展問題、下村文科相「後援取り消しも検討すべきだ」
(産経新聞)- 2014年2月18日(火)12:05
全日展:下村文科相「後援取り消しも」
(毎日新聞) - 2014年2月18日(火)10:52
文科相「全日展、後援取り消しも」 架空人物受賞問題
(朝日新聞) - 2014年2月18日(火)11:03
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全日展:架空人物に知事賞か 少なくとも12県
(毎日新聞) - 2014年2月15日(土)17:42
東京都豊島区の任意団体「全日展書法会」が主催し文化庁などが後援する書道中心の公募美術展「全日展」で、岐阜、福島、山形など少なくとも12県の知事賞受賞者が架空の人物だった疑いがあることが毎日新聞の調べで分かった。
高知や長崎などでは、全日展側から「受賞者とされる人の住所に送っても返送されるので、賞状を県に返還する」との連絡があったという。これらの県では事実関係の確認を進めているといい、「架空の人物の受賞となれば取り消しも考えられる」(鳥取県)としている。
岐阜県によると、「受賞者が架空の人物ではないか」との指摘を受けて事実関係を確認したところ、全日展側が受賞者が実在しないことを認め、「故意ではなく事故だった。本人の確認ができず迷惑している」と説明したという。説明が不自然なことから同県は「運営・審査が適切でない」と判断。今後の後援や賞の交付は見合わせるという。
福島県には今月11日、全日展側から「偽名で出品した人がいた。賞は返上する」などと説明する文書とともに昨年の知事賞の賞状が返送されてきた。
全日展書法会の龍源齋大峰(りゅうげんさい・たいほう)会長は毎日新聞の取材に対し、「現在調査している」と話している。
◇大半が「無審査」
架空の人物が知事賞を受賞していた疑惑の発覚に各県の担当者は驚きを隠さないが、毎日新聞の取材によれば、審査をすることなく知事賞を出すケースが大半だったとみられ、ずさんな実態が浮かんだ。
「無審査」の理由について宮城県は「同種の事業が多く、調査が難しい」と回答。富山県は「絵画でも音楽でも、どの分野でも確認はしない」と答えた。
愛媛県は「架空申請は前提としていない。盲点を突かれた思いだ」と話した。
全日展問題、下村文科相「後援取り消しも検討すべきだ」
(産経新聞)- 2014年2月18日(火)12:05
書道中心の公募展「全日展」が「受賞者が架空の人物だった」などとして複数の県に知事賞を返還した問題について、下村博文文部科学相は18日の閣議後会見で、「誠に遺憾なこと。早急に事実確認を進め、事実がその通りなら(文化庁の)後援の取り消しも含め検討すべきだ」と述べた。
下村文科相は文化庁を通じて主催団体「全日展書法会」(東京)に問題の経過報告をするよう求めており、「報告が不十分なら、第三者委員会の設置も考えるべきだ」と指摘した。
実在せぬ疑いの人物に知事賞か
(NHK) - 2014年2月17日(月) 22時54分
40年以上の歴史を持つ書道の公募展「全日展」で、優れた作品に与えられる「知事賞」が、実在しない疑いがある人物に与えられていたとして、少なくとも12の県に知事賞が返されていたことが分かりました。
作品の受け付けや審査はすべて主催者側で行っていて、県からは架空の人物に賞を贈っていた疑いもあるとして、抗議の声が上がっています。
「全日展」は東京・豊島区の任意団体「全日展書法会」が主催する書道の公募展で、文化庁や各都道府県が後援しています。
このうち、都道府県の名を冠した「知事賞」が、その都道府県から応募された優れた作品に与えられてきました。
しかし、去年11月に開かれた「全日展」の知事賞受賞作は、鳥取県や香川県、三重県など、少なくとも12の県の知事賞について、受賞者が賞の贈呈式に現れず、賞状を郵送しても宛先不明で届かなかったということです。
このため、主催者は、実在しない疑いがある人物に賞を出していたとして、該当する県に賞状を送り返しました。
作品の受け付けや審査はすべて主催者側で行っていて、県からは、主催者側が架空の人物に賞を与えていた疑いもあるとして、抗議の声が上がっています。
このうち、鳥取県は17日、全日展を主催する団体に対して、説明や謝罪を求める抗議の文書を送りました。
また、三重県は、事実関係を調べたうえで悪質性が認められれば過去の分も含めて賞を取り消すとしています。
「全日展書法会」の会長を務めていた書家の龍源齋大峰さんはNHKの取材に対し、「なぜ、名前や住所がはっきりしない応募があったのか分からない」としたうえで、責任を取って会長を辞任したことを明らかにし、「都道府県の皆さまにおわび申し上げたい」と話しています。
文化庁も後援取り消しを検討
「全日展」を後援し、「文部科学大臣賞」を出していた文化庁は、この問題を受けて、主催する団体の関係者から聞き取りを始め、応募の経緯や運営の実態について調査したうえで、今後、後援を取り消すことも検討しています。
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