行きつけのランチハウスで「週間モーニング」第23号(2010年)のコミック【社長 島耕作】を読んでいたら、「ボリビア」という国名と「ウユニ塩湖」という世界一のリチウム資源埋蔵の湖、「モラレス大統領」という名前を実名で引用してボリビアで有望とされる「リチウム利権」に関する中国マフィアも含む中国・台湾・韓国・日本の権益争いについて描かれていた。
ウユニ塩湖 (旅音さんの風景より引用)
NHKバラエティ【Wonder X Wonder】2009/6/13 でも紹介された
特にその53ページから56ページに至る部分では、ボリビア・マフィアと政府関係者の繋がりを書き、これが中国と結んで権益を取ろうと画策しているという表現や、政府とマフィアの繋がりを野党関係者に流せば政情が流動的になり日本企業(TECOT:社長が島耕作)にとって有利に動くのではないかとの観測を描いている。
殆ど内政干渉のような内容に驚いた。
普通こういうデリケートな政治的内容を扱う場合には「ゴルゴ13」のように“推測できる架空の”国名や大統領名を使うところが、丸々実名なのだから・・・
こういう内容をコミックで書くのは言論の自由とはいえ、実在の国や大統領に何らかの影響力が働くかも知れないし、当該の企業(パナソニック・三洋)にとっても迷惑な話であるだろうに・・・
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極めて時機に合ったそしてデリケートなテーマをこのコミックは扱っている訳である。
五菱商事や五井物産など安易に推測できる企業名や、各国のマフィアの暗躍に触れるなど、相当際どい表現が見られるのだが、大丈夫なのであろうか?
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リチウムイオン電池で1兆円以上目指す パナソニックが成長戦略
MSN産経ニュース 2010年1月8日
(これは、そのままコミック【島耕作】に展開されている内容です。)
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在ボリビア日本国大使館公式サイトより
【ウユニ塩湖ってどんなところ?】
【リチウムって何だろう?】
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ウユニ塩湖 (あやのフォトギャラリーより引用)
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「ボリビア リチウム 国営化」で検索すると幾つかHITしたが、そのTOPは2010年5月2日の「NHKニュース」(下記)だった。
ボリビア 電力会社を国有化
NHK 2010年05月02日 — 5月2日 13時14分
ボリビアの反米左派政権は、1日のメーデーに合わせて、国内で操業している外資系を含む電力会社3社を国有化すると宣言し、ボリビアへの今後の投資に懸念が強まりそうです。
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ボリビアのモラーレス大統領は、1日、国内で操業する電力会社3社を国有化する大統領令を発し、警察や軍によって3社の事務所を占拠しました。
モラーレス大統領は、「公共サービスは民間に任せず国が責任を持つべきだ」としたうえで、今回の措置について「経営権を譲り受けるために50%以上の株式をボリビア政府に売却するよう交渉したが、まとまらなかった」と説明しています。
電力会社3社のうち2社は、イギリスとフランスの電力会社の子会社で、このうちイギリスの「ルーレレック」はNHKの取材に対し、株式売却の交渉はなかったと否定したうえで、「これまで100億円以上を投資して貢献してきたのに残念だ。ボリビア政府と話し合いたい」と話しています。
反米左派として知られるモラーレス大統領は、就任以来、先住民など貧困層が外国資本に搾取されてきたなどとして、石油や公共サービスに関連した民間企業の国有化を進めています。
ボリビアでは、世界最大のリチウム資源の権益獲得 を目指して、日本を含む各国が働きかけを強めていますが、今回の国有化を受けて、ボリビアへの投資に懸念が強まりそうです。
韓国鉱物資源公社、ボリビアでリチウム鉱開発へ
化学業界の話題 2009年5月5日
平成21年9月 在ボリビア日本国大使館・経済班
ウユニ塩湖の リチウム開発
(1)仏のボリョレー社は、ウユニ塩湖のリチウム回収及び産業化に係る提案書をボリビア政府に提出した。
右提案書では、同社はリチウムの回収のための
第1フェーズに5百万ドルの投資を、
第2フェーズとしてリチウム回収工場の建設のために1千万ドルの投資を行う旨、
また第3フェーズとして炭酸リチウムの生産、
第4フェーズとして他の派生物質の創出を行っていく旨明記されている。
エチャス鉱業冶金大臣は(2009年)4月21日、9月にサルコジ仏大統領のボリビア訪問が予定されており、それ迄に仏企業とリチウム開発に係る合意に達する可能性がある旨の発言を行っていたところ、22日、同大臣は右発言を訂正し、リチウム開発に関してボリョレ社からの提案があったことは事実であるが、右提案について現在検討中であり、同社との合意に至るには未だ距離がある(aun esta distante un acuerdo con Bollore)旨述べた。(4月23日)
(2)ボリビア政府は、ウユニ塩湖での炭酸リチウム生産を如何なる企業とも提携することなく行いたい旨発表した。
2月、モラレス大統領は仏と露で、リチウム開発の投資及び援助を要請した。
これまでに、日本の住友商事、三菱商事、仏のボリョレー社、韓のLG社がリチウム開発に関心を表明したが、これらは原料としての生産である。
一方ボリビア政府側は、産業化に向けた提案にのみ関心を示しており、例えば自動車用のバッテリーを生産するなど、産業化による付加価値を享受するため、原料のみの生産はしないと述べている。
9日、日経新聞はボリビア政府がリチウム生産に係る日本との契約を締結したと報道したが、エチャス鉱業冶金大臣はこれを否定し、日本からの提案内容が弱いことから合意に至っていないと説明した。
具体的なパートナーが決定していない状況で、ボリビア政府は単独でリチウム開発に着手することを決定した。しかし、ボリビア政府は産業化のためには援助が必要であることも理解している。
政府は炭酸リチウム生産用のパイロットプラントを建設中で、
2010年に完成予定である。右プラントでボリビアと日本は様々な炭酸リチウム生産方法を実験中である。その後商業プラントを建設し、
2014年には炭酸リチウム生産に向けた準備が完了し、産業化に向けた提携を模索する。
プラントでは、塩水から塩化カリウム、硫酸カリウム、ホウ酸も生産する。この計画は、ポトシ県南西部やウユニ塩湖での副原料生産をも推進するものである。
ボリビアが、日本企業が研究している炭酸リチウム抽出方法を採用した場合、日本企業はボリビアでのリチウム開発の優先的顧客となる。
日本はこの実験に関し、ボリビアに対して無償で援助している。
ベルトラン鉱業冶金局長は、いずれにしろ、国内での産業化やリチウム電池生産の過程において会社を設立する際、三菱商事と住友商事に優先権を与える訳ではない、と述べている。
4日、ボリビア政府は日本側のミッション(三菱商事、住友商事、JOGMEC、田中駐ボリビア大使)と会合を行った。
2月には三菱商事が、チリやアルゼンチンには既に開発された塩湖があり、チベットも有望であるが、ボリビアの埋蔵量が世界一である、と述べている。(6月14日)
次世代電気自動車のアキレス腱「リチウム」
日経ビジネスオンライン 2008年4月15日
南米ボリビア、アルゼンチンで火花を散らす日本商社 リチウム争奪競争
2009年6月24日
ボリビア、リチウム開発に新組織 一貫生産へ
日経エコロミー 2010年3月16日
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