寒食
暖かい江南地方(長江下流の南)では、仲春二月に
なると、色とりどりの花が枝に咲きこぼれる。
異郷の地で迎えた寒食節は、さらに悲しい。
明朝、煮炊きの火をあげないのは、別にあの非業の
死をとげた介子推の御霊を弔うためばかりではない。
ひどい貧乏暮らしで、ともすれば、炊(かし)ぐ米が
ないからなのだ。(孟雲卿)
『唐詩歳時記』より植木久行著
暖かい江南地方(長江下流の南)では、仲春二月に
なると、色とりどりの花が枝に咲きこぼれる。
異郷の地で迎えた寒食節は、さらに悲しい。
明朝、煮炊きの火をあげないのは、別にあの非業の
死をとげた介子推の御霊を弔うためばかりではない。
ひどい貧乏暮らしで、ともすれば、炊(かし)ぐ米が
ないからなのだ。(孟雲卿)
『唐詩歳時記』より植木久行著