ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

『立原道造全集』(ノート)より

2016-08-25 13:56:58 | Weblog
私は今日よりも明日を生きたいのだ。私は飛ぶように
していたいのだ。私は誰よりも早く。ーー私は今日
よりも明日を生きたいのだ。

今の瞬間でなく、次の瞬間ーー私は、その時に生きている。
私の生命は、私の眼でなく私の視線の落ちている場所にある、
すなわち、時間について。

つまり今生きている場所の色どりや形は、本当は、昨日の
僕の夢ではなかろうか。だから、明日の僕がそこにいる。
僕には今日の姿が、わからないということとは別だ。

光っているのだろうか。
僕の身体は空間にどんな風にしてあるのだろうか。
椅子にもたれている。黒い上衣を着ている。壁を見ている。
『立原道造全集 四巻』(ノート)より
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『王維詩集』より

2016-08-25 12:36:57 | Weblog
山居秋瞑(さんきょしゅうめい)

静かな山の初めて降った雨の後。空の様子は、
暮れ方ともなれば、いよいよ秋らしい。明るい
月が松のあたりを照らす。澄んだ泉が岩の上を
流れる。竹藪がにぎやかなのは、洗濯娘のお帰り。
蓮の動いているのは、漁師の船のお下り。春の
花は好きなように散ってなくなってしまうがいい。
若様はそんな事など構わずに、じっと留まっている。
『王維詩集』岩波文庫
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