釣船 開進丸(鯛ラバ、ジギング、一つテンヤ)

釣れる日もあれば、釣れない日もある。楽しかったり、悔しかったり「船釣り」の一時を過ごしてみませんか。

3月14日 苦杯を飲まされる

2020年03月15日 | 日記


脇坂さんが、声を発した。

「来た。うわっ、止まらん」

重量感タップリに、海底を這うように獲物が逃げていく。

「ドラッグ調整は、しっかりしてある」

「大丈夫です」

「少し、船で差を詰めようか」

「いや、このままでやってみます。浅場で船で追うと、相手に余計走られそうです」

「了解。頑張って」

指ドラッグも活用しながら、相手の走りを止めにかかるが…

強烈な突っ込みに、50ポンドリーダーが切られた。


最初のアタリが、強烈すぎる。


気を取り直す様に、船を戻してやり直す。

近くにある大敷き網のロープに絡まないように、一定の距離を置いている。


潮は上り潮が、1ノット前後で北東に流れている。




二流し目に入ると、魚探に大きなベイト反応が出始めた。

「大きなベイト反応が出てきたよ」

「何かが触ります。ジグが一瞬持ち上げられます」

ベイトには、何かが付いているようだ。

すると「来ました」と、再び脇坂さんが声を発した。

今度は、リーダーは60ポンドに上げてある。

ドラッグが「ギュギュー」と、鈍く重々しい音を発してラインが出ていく。

「今度は、追いかける?」

「少し、差を詰めましょうか」

船で少しずつ、ラインを回収しながら差を詰めていく。

「20キロ、30キロの根魚なら、多分上がると思うけど…」

「大きな鮫やろうか」

「いやー鮫なら3メートル近いのを上げているやろ」

「正体が見たいな」

底走りする獲物が、浮き上がる気配が感じられない。

「この辺りは、海底に瀬が有るよ」

そう言ったと、同時くらいに獲物の走りが止まった。

「あれ、走らなくなった」

「瀬に入られた」

色々と手を尽くすが、瀬に入ったと思われる獲物は出てくる気配が感じられない。

「出てこんかな」

時々、力を入れて引き出そうとしたが、リーダーが瀬に当たったのか切れてしまった。


朝のこの2度の攻防で、かなりの体力を消耗した。


この後は、昼近くになって、北西の風が強くなって白波が立ち始めた。




思ってもいなかった浅場での、大物とのギリギリのバトル。

2度も苦杯を飲まされるのは「何とかして、やり返したい」と、リベンジの気持ちが燃えてきた。