朝間詰めの海は、北西の風が弱く吹いて、凪の海だった。
昼前アタリから、東よりの風がやや強くなる予報。
「今の内に、沖に出てみましょうか」
高妻さんと話して、沖合のポイントに出てみる。
ベイト反応は、良い感じとまでは言えないが、瀬周りに出ている。
「満潮の潮止まりを過ぎたら、変化すると思います」
まずは、竿を出して様子を見てみる。
ゆっくりとした上り潮の、流れになっている。
満潮を過ぎる頃に、魚探に海底から浮き上がった、反応が出るようになった。
「鰺だと良いですね」

高妻さんにアタリが来た。
「小さいですね。餌取りかも知れませんね」
と、ゆっくりと巻き上げていく。
見えてきたのは、鯖だった。

鯖の群が、海底付近にはいる様だ。
仕掛けを落としていくと、鯖がダブルでヒットしてくる。
「鯖が居れば、何かが付いていそうな気がしますけどね」
青物等に期待するが、引ったくるようなアタリは出ない。
海面を見ていると、上り潮なのだが、何となく水色が緑掛かって見える。
水温を測ってみた。
18.5度に下がっていた。
時化前は、20度前後の水温だった。
「1度下がると、随分な違いになりますよね」
チョット困った状況の水温低下だ。
高妻さんに、鯖とは違うアタリが来た。


上がってきたのは、レンコダイ。
「何とか、赤い魚が来ました」と、ホッとする。
しかし、レンコダイの後が続かない。
仕掛けを入れれば、途中で止まって鯖がヒットしてくる。
昼近くになると、風が真東に変わってきた。
ウネリも、段々と高くなってきた。
白波が立ち始めたところで、潟近くに移動する。
風は東から吹いて、ウネリは南東から来る。
潟近くによると、ウネリが北東からに変わってきた。
「これ以上、ウネリが高くなる前に引き上げますか」
風が真東に変わったのを機に、引き上げることにした。