晴れのち平安

源氏物語を中心に平安な日々♪
※写真の無断転載禁止!!

【平安あれこれ】一条院跡 ~一条天皇の里内裏~

2024年06月23日 | 平安あれこれ

平安時代好きブロガー なぎ です。

 

2024年5月のこと。

平安京一条大路跡の説明板を訪ねたあと、一条院跡の説明板がある名和児童公園を訪ねました。

 

【名和児童公園。写真左側に見えるのが「源氏物語ゆかりの地説明板 No,21 一条院跡」】

 

一条院は、平安宮の北東に隣接した邸宅であり、一条大路と平安宮の東側を通る大宮大路に接していました。

この邸宅は一条天皇の里内裏として使用されたことで有名です。

 

【説明板。クリックで拡大します。プラウザの「戻る」でお戻りください。】

 

<一条院[一条第]所有者の流れ>

藤原師輔

  ↓

師輔の子・伊尹へ

  ↓

伊尹の異母弟で婿でもある為光へ

  ↓

為光女へ

  ↓

受領の佐伯公育が買い取る

  ↓

東三条院(円融天皇の女御、藤原詮子)に献上

  ↓

東三条院の子、一条天皇の里内裏に

 

 

一条天皇の中宮であった藤原彰子[道長の長女]や紫式部も一条院で過ごした時期があり、紫式部が『紫式部日記』に書いている内裏[御所]は平安宮内裏ではなくそのほとんどが里内裏としての一条院のこと。

一条天皇時代の文化サロンの舞台となりました。

 

一条院の寝殿の南側には、貴族の邸宅に見られるような池庭はなく、広い庭をもっていたのだそう。

 

【一条院跡。現在の名和児童公園の遊具】

現在はのどかな公園となっているおり、南北朝時代に活躍した名和長利の碑が建っています。

 

 

【参考】

角田文衞 監修/[財]古代学協会・古代学研究所 編『平安時代史事典』本編上巻 角川学芸出版 2012年

(公財)京都市生涯学習振興団 編集・制作/『新版 平安京図会』 山代印刷株式会社 2024年

(公財)京都市生涯学習振興団 『京都市平安京創生館展示図録 平安京百景』 山代印刷株式会社 2021年

 

 

 

 

 


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【平安あれこれ】平安京一条大路跡~かつて賀茂祭の祭列が通った~

2024年06月23日 | 平安あれこれ

平安時代好きブロガー なぎ です。

 

2024年5月のこと。

京都市上京区にある晴明神社をお参りしたあと、一条通を西へ歩きました。

一条通は車一台が通れるほどの道幅で市街地では一方通行の部分が多いそうです。

 

一条通はかつて、平安京の北限を東西に通る「一条大路」でした。

 

一条大路は幅10丈(約30メートル)もある大路であったのだとか。

現在、京都市上京区一条通大宮東入の民家に「源氏物語ゆかりの地説明板 No,20 平安京一条大路跡」が設置されています。

 

【民家に設置されている「源氏物語ゆかりの地説明板 No,20」】

 


説明板より全文

 

 平安京一条大路跡

 

 平安京北端の一条大路は、北極大路の名もあり、道幅は10丈(約30m、12丈説もある)。賀茂祭の祭列は一条大路を通ったので、両側には皇族・貴族の桟敷が設けられ、物見車が立ち、地べたには民衆が坐りこむなど、その喧騒ぶりは『栄華物語』、『枕草子』や『年中行事絵巻』「賀茂祭」に描写されている。「一条大路これ祭場なり」と言われた(『小右記』)ゆえんである。

 『源氏物語』「葵」では、一条大路を通る斎王御禊列に参加する光源氏を一目見ようと、六条御息所と葵上の一行が見物場所をめぐって車争いをする有名なエピソードがある。

 発掘調査で路面や溝跡が検出されている。

 

    平成20年3月 京都市

 

※漢数字は算用数字に書き換えました。

※賀茂祭は現在でいうところの葵祭。


 

平安京内の大路は8丈(道幅約24メートル)、小路は4丈で碁盤の目で区切られていました。

そうした中、一条大路の道幅は10丈または12丈であったというのですからかなりの広さですよね。

 

 

【参考】

(公財)京都市生涯学習振興団 編集・制作/『新版 平安京図会』 山代印刷株式会社 2024年

(公財)京都市生涯学習振興団 『京都市平安京創生館展示図録 平安京百景』 山代印刷株式会社 2021年

 

 

 「源氏物語ゆかりの地説明板」とは?

『紫式部日記』において『源氏物語』が書かれていたことがわかる記述から千年目を迎えた平成20年(2008年)、京都市内の「源氏物語ゆかりの地」に説明板40基が設置。

令和5年(2023年)はさらに7基が新設されました。

「源氏物語ゆかりの地説明板」をめぐるマップについては、京都市公式ホームページ「京都情報館」内にあるほか、京都アスニーで販売中の『平安京図会』にて見ることができます。

 

私は最初に設置された40基を数年かけてまわりました。

令和5年(2023年)、40基のうち3基は内容の充実を図ったとのこと。

新たな7基も含めて全47基をまたゆっくり訪ねたいものです。

マップを見ながら説明板をそれぞれ訪ねるのは楽しいですよ!!

 

京都市公式ホームページ「京都市情報館」

 >~「源氏物語」ゆかりの地を訪ねる~(2023年12月27日)

 >源氏物語ゆかりの地 スタンプラリーと説明板について~埋蔵文化財の発掘成果から~(2023年12月27日)

 

京都アスニー公式ホームページ

 >新版 平安京図会 クリアケース入り

 

 

 

 

 


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