2014年4月、太宰府でのこと。
九州国立博物館で開催中の特別展
藤原道長「御堂関白記」ユネスコ世界記憶遺産登録記念
『華麗なる宮廷文化 近衛家の国宝 京都・陽明文庫展』の感想レポートです。
※レポートのダイジェスト版はこちらからどうぞ。
※当ブログは、九州国立博物館の第30回「ぶろぐるぽ」にエントリーしています。
展示写真は、九州国立博物館より提供いただきました。
特別展の 第六章 宮廷文化の余香 にて展示されていた
「銀細工雛道具(ぎんざいくひなどうぐ)」がとっても素敵でした。
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ショーケースのまわりをまわって
いろんな角度から拝見。
小さいけれども精巧にできています。
ミニチュア好きな方にはオススメします。
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大きなものでも10センチに満たないのです。
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楽器など。
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茶道具。
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次回観覧する時にもじっくり見たいと思います。
4月19日(土)太宰府でのこと。
4月19日(土)の総括(ダイジェスト版)はこちらからどうぞ。
福岡県太宰府市、九州国立博物館で開催中の
特別展「近衛家の国宝 京都・陽明文庫展」の感想 その2です。
※感想その1はコチラ。
■第四章 書の新風 近衞信尹
近衛家十七代の信尹(のぶただ)は、
安土桃山時代から江戸時代初期にかけての能書家だそうです。
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「和歌六義屏風(わかりくぎびょうぶ)」
大きな文字が迫力あります!!
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「源氏物語和歌色紙貼交屏風(げんじものがたりわかしきしはりまぜびょうぶ)」
近衛信伊 筆
『源氏物語』各帖の和歌を色紙に一首ずつしたため、屏風に押したもの。
屏風絵を描いた筆者は不明で宗達派と目されているのだとか。
菊の花が華やかで素敵です。
色紙に書かれた和歌が読めて、知っている歌だと嬉しくなります。
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写真左側に掲げてあるのが
「渡唐天神(ととうてんじん)像」 近衛信伊画賛
こちらは陽明文庫の所蔵ではなく、東京国立博物館の所蔵品です。
【4月15日~5月4日までの展示】
頭部が「天」という文字、体は「神」という文字を草書体で表しています。
この「渡唐天神像」の絵って、
数年前に九州国立博物館で開催された『国宝 天神さま』展でもお見かけしたような・・・。
(帰宅後、『国宝 天神さま』展の図録を見てみたところ、
近衛信伊によるもので北野天満宮にも所蔵されているようです。)
「束帯天神像」 伝 近衛信伊作
木造で近衛信伊自作の像と伝わっているものだとか。
厳しいお顔をした菅原道真公のお姿です。
■第五章 温故知新 近衞家
近衛家二十一代の家(いえひろ)は、江戸時代の代表的な文化人だそうです。
どうしても書より表具に目がいってしまう私です。
「表具裂(ひょうぐぎれ)」
「官服裂(かんぷくぎれ) 紺地龍八宝鶴鹿模様(こんじりゅうはっぽうつるしかもよう)」
清時代(中国) 16~18世紀のもの。
こちらも表具用の裂として収集されたものなのかも。
■第六章 宮廷文化の余香
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「四季花鳥図屏風」 酒井抱一 筆
今回の特別展のチラシに大きく使用された屏風絵です。
春夏秋冬の花鳥が鮮やかに描かれています。
ずっと見ていたくなるような屏風でした。
御所人形も可愛かったです。
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「銀細工雛道具」
小さいけれども精巧にできている雛道具の数々です。
この雛道具については記事を分けてご紹介します。
以上、九州国立博物館の特別展「近衛家の国宝 京都・陽明文庫展」で
印象に残ったことを書きだしてみました。
この特別展は、6月8日(日)までの開催です。
途中、展示替えがありますのでご注意くださいね。
※九州国立博物館 公式サイト
⇒ http://www.kyuhaku.jp/
⇒ http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s35.html
※特別展公式サイト
⇒ http://konoeke.jp/
※当ブログは、九州国立博物館の第30回「ぶろぐるぽ」にエントリーしています。
展示写真は、九州国立博物館より提供いただきました。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
4月19日(土)太宰府でのこと。
4月19日(土)の総括(ダイジェスト版)はこちらからどうぞ。
福岡県太宰府市、九州国立博物館で開催中の
特別展「近衛家の国宝 京都・陽明文庫展」の感想 その1です。
※当ブログは、九州国立博物館の第30回「ぶろぐるぽ」にエントリーしています。
展示写真は、九州国立博物館より提供いただきました。
会場に入ってすぐには、藤原道長の和歌
「この世をば・・・」が大きく掲示されているのでした。
近衛家は藤原道長の子孫にあたります。
第一章は、近衛家の先祖と子孫が紹介されている印象を受けました。
■第一章 近衛家の曙光
まずは第一章を鑑賞。
藤原氏の始祖、「藤原鎌足像」。
上に同じく「藤原鎌足像」。全体の様子です。
鎌足の前に描かれているのは
長男の定恵(じょうえ)と次男の不比等(ふひと)。
この3人は神として敬われ、
近衛家の歴代によって大切にされたのだといいます。
日本古代史好きな私としては、この像にお目にかかれて嬉しかったです。
こちらは、陽明文庫ではなく
奈良国立博物館が所蔵する「春日鹿曼荼羅」。
【4月15日~5月4日までの展示です】
鹿のお顔が何とも愛嬌があって親しみを覚えます。
背中には春日五社の本地仏(ほんじぶつ)が描かれています。
陽明文庫が所蔵する
重要文化財「春日鹿曼荼羅」の公開は
【5月27日~6月8日まで】。
それぞれ見比べてみるのも素敵だと思います。
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「春日権現霊験記絵巻」
詞書:近衛家 筆
絵 :渡辺始興 筆
原本は鎌倉時代のものですが、
こちらは江戸時代に模写されたものです。
色彩豊かでうっとり。
この画像の場面では、藤原忠実(ただざね)が描かれています。
平安末期ファン必見ですね。
「年中行事絵巻」2巻が展示されています。
平安末期に後白河法皇によって制作された「年中行事絵巻」の摸本です。
江戸時代に制作されました。
大極殿を舞台とした「御斎会(ごさいえ)」と
内裏の仁寿殿と綾綺殿の間で行われた「内宴(ないえん)」が
それぞれ描かれています。
「年中行事絵巻」は宮廷の主要な年中行事を
絵画化したものなのでとっても興味があります。
見ることができて嬉しかったです。
※第二章 千年の記憶の国宝「御堂関白記」などについては、こちらの記事で書いています。
どうぞご覧くださいませ。
■第三章 書の至宝
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「天子御影(てんしみえい)」。
安土桃山時代の作です。
鳥羽院から陽光院まで、24人の天皇・院の肖像画を収めた絵巻。
展示部分は、平安末期ファン必見です。
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左から、
詠草「泊瀬山」 藤原定家 筆
和歌懐紙「六月和歌」 後鳥羽上皇宸筆
熊野懐紙「深山紅葉・海辺冬月」 後鳥羽上皇宸筆 【4月15日~5月11日までの展示】
後鳥羽天皇宸翰消息
書のことは恥ずかしながらよくわからないのですが
それぞれ表具が凝っていておもしろく思いました。
第3章では、体験コーナー「かな文字を書いてみよう」もありました。
指で文字を書いてみることができます。
タッチ画面では、なめらかに文字が書けておもしろかったです。
展示品がずっと並ぶ中、
こういう体験コーナーがあるとほっとしますね。 感想レポートはその2へ続きます。
2014年4月、太宰府でのこと。
九州国立博物館で開催中の特別展
藤原道長「御堂関白記」ユネスコ世界記憶遺産登録記念
『華麗なる宮廷文化 近衛家の国宝 京都・陽明文庫展』の感想レポートです。
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展示写真は、九州国立博物館より提供いただきました。
近衛家は、
「この世をば我が世とぞ思ふ望月の 欠けたることもなしと思へば」と詠った
藤原道長で知られる藤原氏の嫡流です。
今回の特別展のメインは何といっても
藤原道長による直筆日記「御堂関白記」でしょう
第二章 千年の記憶 のコーナーにたっぷりとしたスペースをとって展示されています。
まずは第二章の入口で
「御堂関白記」に関する予習ができます。
会場はゆったり広いです。
私が訪ねた4月19日(土)の午前中は
比較的、観覧の方が多くなかったためじっくりゆっくり鑑賞できました。
藤原道長が向き合って触れた紙や文字と
1000年以上の時を経て対峙できるのは
なんとも不思議な気がします。
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国宝「御堂関白記」<長保二年上巻> 平安時代 長保2年(1000年)
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同じく国宝「御堂関白記」<長保二年上巻> 平安時代 長保2年(1000年)
長保2年2月25日、
道長の長女・彰子が一条天皇の中宮になった(=立后)記述があります。
同じく会場で展示されていた
国宝「御堂関白記」<寛弘六年下巻> 平安時代 寛弘6年(1009年)には
彰子が一条天皇の皇子・敦良親王(あつながしんのう=のちの後朱雀天皇)を出産した記述もありました。
大きく“男皇子降誕”と書かれていて、道長の喜びが伝わってくるようでした。
御朱雀天皇といえば・・・
今回の特別展では、第三章 書の至宝 にて
重要文化財「後朱雀天皇宸翰消息」も展示されているので
併せて鑑賞できます。
また、国宝「御堂関白記」<寛弘四年下巻> 平安時代 寛弘4年(1007年)には
道長が金峯山(きんぷせん)を参詣し、経筒(きょうづつ)を埋納したことが記されています。
今回の特別展では、その経筒の模造品が展示されています。
(原品は最も古い経筒として国宝に指定されています。)
↓クリックで拡大します。
金銅藤原道長経筒(模造)
よく見ると道長の名前も刻まれているので、こちらも必見。
経筒を埋めた記述が残っていることと実際の経筒が発見されていることは貴重です。 藤原道長とその娘たちの略系図を作成してみました。
今年の夏、九博にやってきます
大阪 和泉市久保惣記念美術館が所蔵されている
重要文化財「駒競行幸絵巻(こまくらべぎょうこうえまき)」(部分) 鎌倉時代 13~14世紀 が
九州国立博物館で期間限定で展示されるそうです。
【展示期間:7月15日(火)~7月27日(日)】
「駒競行幸絵巻」の舞台は、藤原道長の嫡男・頼通の邸宅である高陽院(かやのいん)。
彰子、後一条天皇、東宮である敦良親王(あつながしんのう=のちの後朱雀天皇)による
行幸啓(ぎょうこうけい)が華やかに描かれている絵巻だとか。
こちらの展示も楽しみです。
私のささやかな日常。
4月19日(土)、
福岡県太宰府市にある九州国立博物館へ行ってきました。
目当ては、現在開催中の特別展
「華麗なる宮廷文化 近衞家の国宝 京都・陽明文庫展」
※九州国立博物館 公式サイト
⇒ http://www.kyuhaku.jp/
※特別展 公式サイト
⇒ http://konoeke.jp/
ダイジェスト版で展示の様子をご紹介します。
※当ブログは、九州国立博物館の第30回「ぶろぐるぽ」にエントリーしています。
お楽しみいただけましたら幸いです。
まずは、会場に入る前に
音声ガイド(500円)をおかりしました。
音声ガイドがあったほうが、
展示品のうち特に素晴らしいものの解説を聞くことができて
より展示が楽しめるような気がします。
展覧会の構成は以下のようになっていました。
※展示写真は九州国立博物館から提供いただきました。
■第1章 近衞家の曙光
・藤原鎌足像
・春日権現霊験記絵巻
・年中行事絵巻
・賀茂祭絵巻 など
■第2章 千年の記憶
藤原道長による「御堂関白記」<国宝>が
広い空間でゆったりと展示されています。
※「御堂関白記」などの詳細なレポはこちらをどうぞ。
■第3章 書の至宝
・御朱雀天皇宸翰消息
・熊野懐紙 「深山紅葉・海辺冬月」後鳥羽上皇宸筆
・倭漢抄下巻 など
■第4章 書の新風 近衞信尹
・源氏物語和歌色紙貼交屏風
・和歌懐紙 「侍 行幸聚楽第」 など
■第5章 温故知新 近衞家
・近衞家像
・大手鑑
・近衞家遺愛茶の湯道具
・官服裂 など
■第6章 宮廷文化の余香
・太刀 銘 秀近 附 梨地菊桐紋蒔絵 糸巻太刀拵
・四季花鳥図屏風 など 各章の印象に残った展示品についてはこちらをどうぞ。
・感想レポート その1
・感想レポート その2
今回、1時間30分ほどかけて展示を鑑賞しました。
特別展が始まって初めての土曜日の午前中だったためか、
比較的、観覧の方は多くなくゆったり見ることができてよかったです。 展示会場で気になったこと。
第1章のスペースで仕切りの布(?)がありました。
何かをモチーフにされているのだろうけれども、
最初は何が何だかわからなくて・・・
この写真では中央より左に見える布のようなもの。
この写真では右側に見える布のようなものです。
展示会場の後半を見て、
掛け軸の表具に使われた裂(きれ)がモチーフになっているのかしらと思ったり。
実際はどうなのでしょう??
そして、第3章のスペースで
空中に文字が浮いている演出がありました。
展示されているどなたかの書がモチーフになっているのでしょうか。
こちらもインパクトがあるものの、よくわからなかったのでした。
次回、再度観覧する際にチェックしてみようと思います。 今回購入したもの。
展覧会図録 税込み 2,000円。
写真も大きく掲載されており、解説も丁寧です。
このボリュームだとお得感があります。
「年中行事絵巻」のクリアファイル(裏面は「賀茂祭絵巻」です)400円。
「年中行事絵巻」の内教坊の女官たちによる舞楽の様子です。
この場面に憧れを抱いていたのでグッズ化されていて嬉しかったのでした。
販売スペースでは、京都物産展も行われていて気になる商品ばかりでした。 午後から講演会拝聴。
プレ講演会「近衛家 陽明文庫の名品」(事前申込制)を聴講しました。
講師は、陽明文庫 文庫長の名和修氏です。
陽明文庫や近衛家のこと、展示品ひとつずつの解説を
拝聴できてよかったです。
会場だったミュージアムホールは満席だったもよう。
講演会終了後、
名和さんとご一緒に特別展の観覧もできたようなのですが
時間の都合で参加できず残念でした。 ひとやすみ。
博物館1階エントランスにあるオープンカフェにて
水まんじゅう・わらび餅とコーヒーのセットをいただきました。
ほどよい甘さにほっこり。
・・・というわけで楽しい一日を九博で過ごしてきました。
「近衛家の国宝 京都・陽明文庫展」は、6月8日(日)まで開催されます。
途中、展示替えもありますのでご注意くださいね。