晴れのち平安

源氏物語を中心に平安な日々♪
※文章や写真の無断転載は禁止!

【平安あれこれ】 舞楽「蘭陵王」と『源氏物語』

2013年10月31日 | 平安あれこれ

 私のささやかな日常。

先週のこと。
小倉城庭園で行われた「雅楽の夕べ」にて
舞楽「蘭陵王」を鑑賞した
とTwitterでつぶやいたところ、

 “蘭陵王って源氏か何かに出てくるのですか?”

という、ご質問をいただきました。


『源氏物語』にも舞楽「蘭陵王」は登場します。

以下は、京都旅行記で以前に書いた内容なのですがこちらに転載しますね。

  ***

舞楽『蘭陵王』

舞を『陵王』、曲を『蘭陵王』といい、
『羅陵王(らりょうおう)』、
『没日還午楽(ぼつにちかんごらく)』ともいいます。

6世紀頃、北斉<昔の中国>の蘭陵の王・長恭(ちょうきょう)は、
容姿端麗だったため、味方の兵士が見とれてしまい戦になりませんでした。
そのため、長恭は異形の仮面をつけて味方の士気を上げ戦に勝利したといいます。

その故事にちなんで、頭上に小さな龍の頭が付き、
吊りあごのある金色の面をつけます。


■『源氏物語』第35帖<若菜下>

朱雀院の五十の賀の試楽では、
右大臣である鬚黒(ひげくろ)と玉鬘(たまかずら)との間に生まれた
三郎君が童舞(わらわまい)として「陵王」を舞っています。


■『源氏物語』第40帖<御法(みのり)>

紫の上による法華経千部供養の折、
ほのぼのと夜が明けてゆく朝ぼらけの中で
陵王の舞が催される場面があります。
頃は3月、桜の花の美しい季節です。


  ***


京都市にある風俗博物館の展示のなかでも
「蘭陵王」の装束を身に着けた人形を見ることができます。


2013年9月撮影。



現在の展示期間は、2013年11月30日まで




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【鑑賞】 九州国立博物館 特別展「尾張徳川家の至宝」に行ってきました!(1回目)

2013年10月13日 | 太宰府

 私のささやかな日常。

福岡県太宰府市にある
九州国立博物館で昨日から
以下のタイトルの特別展がスタート!!

 御三家筆頭 尾張徳川家の至宝

 【会期】 平成25年10月12日(土)~12月8日(日)

 【会場】 九州国立博物館 3階特別展示室

 ※九州国立博物館 公式サイト
 ⇒ http://www.kyuhaku.jp/
 ⇒ http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s33.html

 ※特別展『徳川家の至宝』展覧会ホームページ
 ⇒ http://tokugawa-shihou.jp/

 ※詳細: 西日本新聞 2013年10月12日
 「徳川家の至宝」展が開幕 国宝「源氏物語絵巻」など180点 [福岡県]
 ⇒ http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_sougou/article/45927


早速、展示を見てまいりました♪
展覧会の構成は以下のとおりです。

第一章  尚武





第二章  清雅





第三章  教養




特別公開 至宝




※これらの写真は九州国立博物館より提供いただきました。



連休初日であり、特別展の初日でもあった
10月12日(土)は多くの観覧客の方が
いらっしゃっていました。

音声ガイド(500円)をかりてゆったり鑑賞。
至福の時を過ごすことができました。


特筆すべきは、『源氏物語』ファンのひとりとして
国宝「源氏物語絵巻」<横笛>の実物を見ることができて
感無量でした。

“夜、激しく泣き出した子どもをあやす雲井雁(くもいのかり)と、それを見守る夕霧。”

という場面の絵です。
(雲井雁は、雲居雁と表記されることもあります。)


※この画像は九州国立博物館より提供していただきました。


※この画像も九州国立博物館より提供していただきました。
画像をクリックすると大きなサイズでご覧いただけます。



こちらから絵の全体を閲覧できます。⇒ http://www.kyuhaku.jp/exhibition/images/s_33/p10-l.jpg

平安時代の上級貴族の女性として考えると
髪を耳にはさんで、自らの乳を赤児にふくませる雲居雁の姿は
異例なことともいえます。

この国宝「源氏物語絵巻」<横笛>の展示は、10月27日(日)まで


ちなみに、今回の特別展のポスターやチラシに使われている
国宝「源氏物語絵巻」<竹河二>の展示は、11月12日(火)~24日(日)までです。
こちらから絵の全体を閲覧できます。⇒ http://www.kyuhaku.jp/exhibition/images/s_33/p11-l.jpg

それぞれの展示期間にご注意くださいね。




図録もたっぷり読み応え・見応えあります。
1冊 2,300円也。

九州国立博物館のミュージアムショップ
通販も受け付けているようですよ。




特別展会場の前には物販コーナーがあり
素敵なグッズも多くて誘惑が多かったです。(笑)
昨日買ったグッズにつきましては、明日以降、ご紹介しますね。



 特別講演会「“殿” 文化を語る~国宝『源氏物語絵巻』を伝えた系譜」を聴講しました。

講師は、徳川美術館館長の徳川義崇さん。
ユーモアにあふれてわかりやすい語りがとってもおもしろかったです。

徳川美術館を開設した徳川義親さんに関する
いろいろなエピソードのご紹介があり、
義親さんはとても魅力的な方だったのだろうなと思いました。

田中親美さんによる国宝「源氏物語絵巻」の模写、
川面義雄さんによる木版画での国宝「源氏物語絵巻」の誕生について
詳しく紹介されていて興味津々でした。

貴重なお話を拝聴できてよかったです。

 こちらの新聞記事も合わせてどうぞ。
 ※西日本新聞 2013年11月08日
 文化を尋ね平和を知る 「尾張徳川家の至宝」展 徳川義崇・徳川美術館館長に聞く
 ⇒ http://www.nishinippon.co.jp/feature/kyuhaku/article/51239


こうして、展示と講演会を楽しみ
幸せな気持ちに浸って帰宅したのでありました。
展覧会会期中、また見に行きます♪




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【三重県明和町】 『源氏物語』と伊勢斎宮 | 六条御息所と秋好中宮のモデル徽子女王

2013年10月09日 | 平安あれこれ

平安時代好きブロガー なぎ です。


今回は、
『源氏物語』に登場する伊勢斎王<斎宮>と
そのモデルとなった徽子女王について
簡単にご紹介いたします。


■『源氏物語』に登場する伊勢の斎王

『源氏物語』において光源氏が愛した女性のひとりに
六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)がいます。

六条御息所は亡くなった皇太子<東宮>との間に、
姫宮をひとり産んでいました。
姫宮は朱雀帝即位の際に伊勢神宮に仕える斎王<斎宮>となります。
六条御息所は、斎王となった姫宮とともに斎宮へ赴くのでありました。

斎宮=現在の三重県多気郡明和町にありました。

京に戻った前斎王は母の六条御息所の死後、
光源氏の養女として冷泉帝のキサキとなり
梅壺女御または「斎宮女御」と呼ばれ、のちに中宮となります。
彼女は秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)の名で知られます。





『源氏物語』にみられる六条御息所と斎宮女御<秋好中宮>は、
実在した、徽子女王(よしこじょおう・きしじょおう)がモデルになっているといわれています。




■モデルとなった徽子女王

徽子女王は斎王<斎宮>退下後、村上天皇へ入内し、規子内親王を出産。
内裏の承香殿(しょうきょうでん)を賜ったことから承香殿女御と呼ばれ、
前斎宮であることから「斎宮女御」とも呼ばれています。



やがて成長した娘の規子内親王も伊勢斎王<斎宮>となります。
徽子女王は娘の規子内親王とともに斎宮へ下ったのでした。
(母親が娘の斎王に付き添って下向するのは前例がないことでした。)

このように実在した徽子女王の人生によって、
『源氏物語』の六条御息所と秋好中宮という女性像が創られました。

 ・斎王となった娘について斎宮に赴くところ⇒六条御息所に反映
 ・かつての斎王が入内して「斎宮女御」と呼ばれるところ⇒のちの秋好中宮に反映



 徽子女王について

『斎宮歴史博物館』公式サイト斎王一覧にある
こちらのページに詳しいです。




 伊勢斎王<斎宮>の暮らしを知るには・・・

三重県多気郡明和町にある
斎宮歴史博物館いつきのみや歴史体験館がオススメです。

 



*☆*―――――――――――――――――――――――――――*☆*

 <関連リンク集>
 
 ・三重県明和町役場

 ・斎宮歴史博物館

 ・いつきのみや歴史体験館

*☆*―――――――――――――――――――――――――――*☆*



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする