晴れのち平安

源氏物語を中心に平安な日々♪
※文章や写真の無断転載は禁止!

【風俗博物館】2024年5月撮影 実物大展示

2024年08月11日 | 京都・風俗博物館

平安時代好きブロガー なぎ です。

 

京都市下京区にある風俗博物館のこと。

 

2024年5月に
風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。(❝ ❞はレジュメまたはパネルより引用)

 この記事は 展示⑤ の続きです

 

風俗博物館には4分の1サイズの模型のほか、実物大の展示もあります。

 

【女房装束・唐衣裳・・・俗称:十二単】

 

【個人的注目ポイント① 唐衣の裏地がチラリ】

 

【個人的注目ポイント② 袖がくるっとなっているところ】

 

【貴族の勤務服 身分秩序で定められた袍の色】

❝『源氏物語』の頃の袍の色を一位から初位まで一つ一つ反物で御覧いただきます。❞

 

【左から 一位・二位・三位・四位・五位が着る袍の反物】

 

一位深紫(いちい こきむらさき)

二位浅紫(にい あさむらさき)

三位浅紫(さんみ あさむらさき) 

四位深緋(しい こきあけ)

五位浅緋(ごい あさあけ)

 

【左から 六位・七位・八位・初位に着る袍の反物】

 

六位深緑(ろくい こきみどり)

七位浅緑(しちいあさみどり)

八位深縹(はちい こきはなだ)

初位浅縹(そい あさはなだ)

 

一位から五位までの反物には地紋があるのに対して、六位から初位までの反物には地紋がありません。

 

 

【二十枚の重袿の上に裳と唐衣を着けた姿】

 

この姿につきましては、別記事に書きました。

 【風俗博物館】女房装束[二十枚の重袿+表着+裳+唐衣]

 

 

そんなこんなで、今期の風俗博物館の展示を楽しみました。

とっても幸せな時間でした!!

 

 

風俗博物館は、日曜・祝日、お盆期間、年末年始は休館です。

その他にも長い休館期間をはさむことがありますので、お訪ねする際は事前に公式ホームページで開館日をご確認されますようオススメします

 

 


 風俗博物館

  京都市下京区堀川通新花屋町下る(井筒左女牛ビル5階)

  https://www.iz2.or.jp/


 

 

 

 

 

 

 


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【風俗博物館】2024年5月撮影 ⑤産養(『源氏物語』「若菜上」より)

2024年08月06日 | 京都・風俗博物館

平安時代好きブロガー なぎ です。

 

京都市下京区にある風俗博物館のこと。

 

2024年5月に
風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。(❝ ❞はレジュメまたはパネルより引用)

 この記事は 展示④ の続きです

 

 

⑤産養 ~東宮妃・明石の女御の皇子誕生、若宮の披露と源氏一門の栄華~ (『源氏物語』「若菜上より)

 

❝11歳で裳着を迎え、東宮(皇太子)に入内した明石の姫君は、東宮妃として「明石の女御」といわれ、13歳の若さで初めての出産を迎えた。❞

 

【准太上天皇(源氏)・・・明石の女御が産んだ皇子を抱く准太上天皇】

源氏の右奥では、出産を終えて数日経った明石の女御の姿がありました。

 

【手前にいるのが女房たち。奥に見えるのが、明石の女御[左]と紫の上[右」】

産室では、装束も調度品もすべて清浄な白一色です。

 

❝壁代をはじめ、御帳台・屏風・几帳・畳の縁も白に改め、出産に奉仕する女房達も皆 白装束に改める。この白装束と白い調度品は出産してから7日目まで続けられた。❞

 

 

【御帳台で休んでいる明石の女御】

皇子誕生というめでたい場面ではあるものの、明石の女御はまだ13歳という若さでもあり、痛々しさを感じてしまいます。

無事の出産でなによりでした。

 

【紫の上・・・明石の女御の養母】

手前にいる女房たちが十二単姿なのに対して、紫の上は袿姿。

紫の上が主人格の立場であるのがうかがえます。

 

【御剣(みはかし)・犀角(さいかく)・作り物の虎の頭、漢籍が置かれています】

 

「御剣」・「犀角」・作り物の「虎の頭」は「御湯殿(おゆどの)の儀」で使われるもの。

❝虎は百獣の長として邪気祓いに効力があり、犀角は水気除けと毒消し・解熱の効力がある病気払いとして、その霊力が尊ばれた❞

 

漢籍は「読書始(どくしょはじめ)の儀」で使われるもの。

 

 

【写真右側にいる男性が「問口(といくち)」の役】

 

❝悪霊退散の儀式として「問口(といくち)」の役が「こちらに夜泣きする赤子がいらっしゃいますか」という問いに対して、「言口(いいくち)」役の五位の束帯7名が、赤子の夜泣きが止まり、息災に成長し、位人臣を極める赤子の輝かしい未来の言祝ぎの誦詞(ずしことば)を唱えて粥をすすりながら東から西に庭上を廻り歩く(三夜は三廻り・五夜は五廻り・七夜は七廻り)ことで、あらゆる邪気を祓いながら、庭上を廻るということが行われた。❞

 

【「言口(いいくち)」役の五位の束帯姿の男性たち】

 

誦詞(ずしことば)を唱えて粥をすすりながら庭上を廻ります。

手にしている器には粥が入っているもよう。

 

【展示全体の様子】

 

【白一色の調度品】

命懸けの出産の場であること、皇子誕生と健やかな成長を祝うのにふさわしい空間だと感じました。

 

 

 

 実物大の展示 へ続きます

 

 


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【風俗博物館】2024年5月撮影 ④四季のかさね色目に見る平安王朝の美意識

2024年08月02日 | 京都・風俗博物館

平安時代好きブロガー なぎ です。

 

京都市下京区にある風俗博物館のこと。

 

2024年5月に
風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。(❝ ❞はレジュメまたはパネルより引用)

 この記事は 展示③ の続きです

 

④四季のかさねの色目に見る平安王朝の美意識

~自然の霊験をいただいた四季のかさね色目~

 

【梅かさね 着用時期:旧暦11月~2月の春の料】

 

【桜かさね 着用時期:旧暦11月~2月の春の料】

 

【若菖蒲(しょうぶ)かさね 着用時期:旧暦4月~5月の夏の料】

 

【白撫子かさね 着用時期:旧暦4月~6月の夏の料】

 

【女郎花かさね 着用時期:旧暦7月~8月の秋の料】

 

【黄菊かさね 着用時期:旧暦10月~11月の冬の料】

 

【紅紅葉(くれない もみじ)かさね 着用時期:旧暦10月~11月の冬の料】

 

【雪の下かさね 着用時期:旧暦11月中旬~春頃までの冬の料】

 

【松かさね 着用時期:四季通用の料】

 

【四季のかさね色目の展示、全体の様子】

 

 ⑤産養(『源氏物語』「若菜上」より)へ続く

 

 

 


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【風俗博物館】2024年5月撮影 ③平安の遊び~偏つぎ~

2024年08月02日 | 京都・風俗博物館

平安時代好きブロガー なぎ です。

 

京都市下京区にある風俗博物館のこと。

 

2024年5月に
風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。(❝ ❞はレジュメまたはパネルより引用)

 この記事は 展示② の続きです

 

③平安の遊び ~偏つぎ~

【偏つぎをする成人女性と少女・・・畳には偏つぎの札が置かれています。】

 

【畳の上に置かれた偏つぎの札】

❝偏つぎとは、主として女性や幼い子が漢字の知識を競い合った遊びで、偏と旁(つくり)に分かれた札を使った様々な遊び方がある。❞

 

【偏つぎの札を手にした少女】

右手に持っている偏と左手に持っている旁を並べると「呼」になりますね!

成人女性の前には偏と旁を並べた「和」や「清」といった漢字ができています。

 

 

ちなみに、左側の女性は、単の上に袿を重ねて着た袿姿。

鬢削ぎ(びんそぎ=髪を一部短く切ること)があり、紅袴を身に着けていることから既婚の成人女性であることがうかがえます。

 

右側の少女は単の上に衵(あこめ)を重ねた衵姿。

鬢削ぎはまだ無く、小袖や袴は濃色(こきいろ)です。

 

風俗博物館の展示ではこうした違いも楽しむことができておもしろいです。

 

【索餅(さくべい)・削り氷(けずりひ)、椿餅、梨や柑(こうじ)】

よく見ると、襖障子の奥にちらっと見えました。Σ(゚Д゚)

偏つぎの合間にそれぞれ甘いものをつまむのでしょうか。

 

【外から見た様子…格子と巻き上げられた御簾が見えます】

 

こういう構図を見られるのも風俗博物館ならでは

 

 

 ④四季のかさね色目に見る平安王朝の美意識 へ続きます。

 

 

 


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【風俗博物館】2024年5月撮影 ②女房の日常・局~王朝女性の身嗜み・黒髪~

2024年08月01日 | 京都・風俗博物館

平安時代好きブロガー なぎ です。

 

京都市下京区にある風俗博物館のこと。

 

2024年5月に
風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。(❝ ❞はレジュメまたはパネルより引用)

 この記事は 展示① その1展示① その2 の続きです

 

②女房の日常・局 ~王朝女性の身嗜み・黒髪~

 

【女房の局(つぼね)】

❝局とは、渡殿(わたどの)にある、上臈の女房に与えられた部屋❞

 

【髢(かもじ)をつける女房】

 

【女房のそばには「高坏灯台」がありました】

「高杯(たかつき)」をひっくり返して、台の底に灯明皿を置いているものを「高坏灯台」といいます。

こうすることで手もとが明るくなります。

 

【縮れ毛の女房】

当時はストレートの髪が愛されました。

 

【鏡をかけた鏡台】

 

 

【伏籠(ふせご)に装束をかけて香りを焚き染める女房】

 

【伏籠(ふせご)】

❝伏籠

装束に自分の好みに調合した香りを焚き染める時に使うのが伏籠です。火取香炉(ひとりこうろ)で薫物(たきもの)を燻らせた上に大きな竹製の籠を伏せて、その上に衣服をかけて、香りを焚き染めました。

香を焚き染める工夫は平安時代の人々にとって日常的な習慣で、自らの所作の後にどのような香りを残すか、それぞれが心配りしていました。 ❞

 

伏籠といえば『源氏物語』若紫巻において、伏籠の中に雀を入れて鳥かご代わりに使っていたのが思い出されます。

 

 

【吊衣桁(つりいこう)と吊香炉(つりこうろ)】

 

【立衣桁(たていこう)

 

【井桁】

 

【女房の局】

 

 ③平安の遊び ~偏つぎ~ へ続きます。

 

 


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