晴れのち平安

源氏物語を中心に平安な日々♪
※文章や写真の無断転載は禁止!

【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 女房のお勤め 御格子参る

2015年07月31日 | 京都・風俗博物館
 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

四季のかさねの色目に見る平安の美意識 に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

寝殿 西廂では
『枕草子』『紫式部日記』『源氏物語』<末摘花>より
「女房のお勤め 御格子参る(みこうしまいる)」
展示されていました。




<博物館レジュメより>
格子は表裏ともに黒漆塗りで、その間に胡粉(ごふん)塗りの薄い板が挟んであるのが正式で、格子の種類には一枚格子と二枚格子があり、一枚格子は寝殿や対の屋の南に面した、儀式や行事の多い場所使われた。
これは一間角の大きな一枚格子の方が、開閉が一回で済む利便性を考えてのことであるかと考えられる。
これらの格子を朝夕上げたり下げたりすることを「御格子参る(みこうしまいる)」と言い、女房達の大切な仕事の一つであった。



 一枚格子の場合


碁盤を踏み台として、一枚格子を上げる女房。

格子は一枚格子の場合、建物の内側に押し上げ、吊り上げるので、御簾も格子の外に懸けられる。




 二枚格子の場合






二枚格子の上の格子を吊り上げる女房たち。

二枚格子は上の格子を外側に吊り上げ、下の格子は用途によって取り外し、御簾は内側に懸けられた。



二枚格子の下の格子を運ぶ女房たち。





ウインドウでの唐車の展示へ続きます。







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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 四季のかさねの色目

2015年07月30日 | 京都・風俗博物館
 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

女房の局~伏籠と重陽の節句~ に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

寝殿 北廂では
「四季のかさねの色目に見る平安の美意識」
が展示されていました。


≪かさね色目・春夏秋冬≫

 四季:松かさね


松は常盤木(ときわぎ)でめでたさに通じるので、四季通用・祝いに着る色として使われた。
五葉松(ごようまつ)は正月の子(ね)の日の小松引きなどに使われ、多くの古典に登場する。
千歳(ちとせ)に変わらぬ常緑葉の萌黄色の美しさと、雌花の蘇芳(すおう)色に子孫繁栄を表したかさね色目である。




 冬:雪ノ下かさね


降り積もった雪の下にも、春待つ紅梅と新芽を思わせる、生命力溢れるかさね色目



 春:梅かさね


早春に咲き競う紅梅の様々を表したかさね色目。
着用時期旧暦11月~2月。





 春 「布」のかさね:桜かさね




「衣」のかさねにはみられず、「布」のかさねで極めて多く用いられ、好まれたかさね色目である。
表地の白色に裏地の紅がほのかにすけた様が桜を象徴的に表している。
着用時期旧暦正月~3月。





 夏:花橘かさね


常緑である橘の木が、春を迎えて色濃く葉が色付き、初夏には白い花が咲き、やがて朽葉(くちば)色をの実を実らすという、橘の木を一年を通して表したかさね色目。
着用時期旧暦4月~5月





 秋:捩り紅葉(もじりもみじ)


紅葉する木々の色を、表裏違う色を組み合わせて表したかさね色目




 秋:黄菊(きぎく)かさね


菊は元来、万病を避け、不老長寿を保つ薬草として日本に渡来した花で、重陽(ちょうよう)の節句には、黄菊に真綿(まわた)被せ、一晩おいて菊の露を含ませ、その綿で身を拭い、菊花の霊力を授かるということが行われていた。
菊は花盛りに厄除けの花として愛でられた後、「移ろひ盛り」といって、盛りが過ぎて色が赤紫に変色した折と、二度愛でられ、その黄菊の移ろう様子を表し、四季の花の霊験を願ったかさね色目である。






展示全体の様子




 女房のお勤め 御格子参る へ続きます。




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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 女房の局~伏籠と重陽の節句~

2015年07月29日 | 京都・風俗博物館
 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

御冊子つくり その2 に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

女房の局(つぼね)では
「~伏籠(ふせご)と重陽(ちょうよう)の節句~」
展示されていました。


 女房の日常 伏籠



<博物館レジュメより>
自分の好みに調合した練香を、火取香炉(ひとりこうろ)で燻らし、その上に伏籠(ふせご)という竹の籠を置き、その上に装束をかけて香を移すのである。
火取(ひとり)とは、二階棚(にかいだな)に置かれているもので、火取母(ひとりも)・火取籠(ひとりかご/匙・箸付き)・薫炉(くんろ)からなり、銀製の薫炉に香を入れて焚き、火取籠をかぶせて使用するものである。



二階棚


冊子を見ている女房。





 平安朝の年中行事 重陽の節句





旧暦九月九日は中国において陽(よう)の数字である九が重なっている、ということで重陽(ちょうよう)と呼ばれる。
この重陽の頃は菊の花が盛りで、唐土(もろこし)より伝わった菊の花は万病を避け、不老長寿を保つ薬草として重用されていたので、その菊花の霊力を戴き、邪気を払い長寿を祈って菊酒を飲み、菊の着せ綿(わた)という風習を行うことがされた。
菊の着せ綿は重陽の日の前日に菊花に真綿(まわた)をかけておき、一晩おいて菊花の朝露を移した綿で体を拭うと老いが避けるという風習である。




菊の花を飾る女房。



菊の着せ綿を運ぶ女房。



菊酒。




 四季のかさねの色目に見る平安の美意識 へ続きます。




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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 源氏物語千年紀 御冊子つくり 2

2015年07月28日 | 京都・風俗博物館
 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

御冊子つくり その1 に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

東の対 北廂では
源氏物語千年紀『紫式部日記』より
「御冊子(みそうし)つくり」の場面が
展示されていました。

≪平安時代の御冊子つくり≫

 1、継紙に使う料紙を切る女房








 2、継紙の紙を継ぐ女房




冊子の料紙になる継紙(つぎがみ)を作ります。



 3、出来上がった継紙に冊子を書き写す女房




物語を書き写します。



 4、粘葉装(でっちょうそう)の糊付けをしていく女房




糊で綴じていきます。

粘葉装(でっちょうそう)とは書写された紙を1枚づつ
二つ折りにし、折り目の方を糊付けして貼り合わし、
綴じていく方法。






展示全体の様子。




 女房の局~伏籠と重陽の節句~ へ続きます。




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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 源氏物語千年紀 御冊子つくり 1

2015年07月28日 | 京都・風俗博物館
 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

平安朝の年中行事 ~師走 仏名会~ に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

東の対では
源氏物語千年紀『紫式部日記』より
「御冊子(みそうし)つくり」の場面が
展示されていました。

<博物館レジュメより>

寛弘5年(1008年)9月10日、藤原道長の娘である中宮彰子が土御門邸に宿下がりし、御子(後の後一条帝)を出産した。
若宮誕生以来、御産養、一条帝の土御門第行幸、御五十日の御祝いとめでたさにつつまれた慌ただしい諸行事を終え、11月17日には一条帝の待つ内裏に還御することが近づいている彰子は、紫式部に御冊子(みそうし)つくりを命じた。
この冊子つくりは、中宮彰子が選んだ、内裏に持参するお土産品の一つであり、まとめ役に選ばれた紫式部はすぐさま彰子の御前に伺候し、様々な色とりどりの優れた紙を選び調え、物語の原本に、選んだ紙を添えてあちらこちらの方々に書写を依頼した。
それを知った道長は、彰子のために上等の薄様の紙や筆、墨に加え、立派な硯まで持参されたが、中宮彰子は紫式部にその硯をそのままお与えになった。
その様子を見た道長は冗談を含めて惜しがったが、この後も紫式部の冊子つくりの為に様々に心を尽くした。
道長の後押しを手にして、選び抜かれた料紙で豪華に仕立てられた御冊子は、他ならぬ『源氏物語』であった。




中宮彰子と藤原道長、紫式部。





中宮彰子
小袿姿・・・高貴な女君の装束で略礼装にあたる。



藤原道長と紫式部。

藤原道長は直衣姿。
紫式部は唐衣・裳姿。



紫式部の後ろ姿。




紫式部に与えられた
上等の薄様の紙と
筆や墨、硯が入った硯箱。





展示全体の様子。





東の対 北廂では、女房たちによる
平安時代の御冊子(みそうし)つくりの場面が
展示されていました。

次回ご紹介します。



 御冊子つくり その2 へ続きます。






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