9月中旬に入ってから急速に秋めいてきており、朝晩は肌寒いほどだ。9月21日秋らしい爽やかな晴天に恵まれたので、久しぶりに弥彦スカイラインを走ってみた。平野部は稲刈りがほとんど終わりに近く、中には早生品種の刈株からの新葉が20〜30センチに伸びている田んぼもある。スカイラインは秋らしい植物が目立ち、山の空気も澄んでいた。頂上の駐車場は連休の中日だったせいか満杯で、降りてゆっくりと山頂の様子を見ることさえできなかった。下に降りて弥彦村でいつもの酒を買いがてら村中を見ると、競輪が開催されていたせい大きな駐車場は満杯、神社の境内にも大勢の人達で賑わいを見せていた。これを見る限りコロナウイルスの影響は感じられなかったが、新潟ではここ数日に2〜3人は感染している状況だ。
稲刈りは終わりに近く、下の写真のように8月下旬に刈ったものには切り株から新葉が30センチほどに伸びているものもあり、田植えから相当の日数が経ったかのような稲株だ。
ヒョウモンが秋の花々から蜜を吸うために盛んに飛び回っていた。ヒョウモンという蝶は、翅の紋が草原動物のヒョウに似ていることからその由来があるらしい。上の花はアザミの仲間のタムラソウで秋の訪れを感じさせる花で、下は1メートルの高さにもなっているシシウドの花である。
頂上付近では赤とんぼが乱舞していた。赤とんぼの仲間にはノシメトンボ、アキアカネ、ナツアカネなどがあるが、稲刈りの終わった平野部で一番早く見られるのがノシメトンボである。しかし、蒲原平野部では次に出てくるアキアカネが一番多く見られる。赤とんぼは、6月頃田んぼで幼虫(ヤゴを呼ばれる)が羽化して成虫となる。成虫は暑い夏を避けて高い山に出かけ、そこで一定期間過ごして涼しくなった秋に平野部に降りてくる。そしてそこで交尾・産卵して卵の状態で越冬するのである。よく夏の高原や高い山などで赤とんぼを見ることが多いのは避暑(?)に来たのである。
山頂の山道を少し歩くと、沢山の秋の植物に出会う。上の写真は野菊の仲間でシラヤマギクに次いで花を見ることができるタマバシロヨメナで、ノコンギクなどよりは著名ではないが、弥彦角田山系には多く生育している。下の写真は、キキョウなどと同じく秋の到来を感じさせる植物の一つであるツリガネニンジンである。花をお寺の鐘楼の釣り鐘にみたて、地下の根を朝鮮人参に似ていることに由来する。
山道の脇にはガマズミ(上)が赤い実をつけて鳥たちに餌を供給していた。また、マツブサの実(下)が見れた。今年は数が少なかったが、10月にはぶどう色に熟して食することができる。ブドウに似ているが、少し違う。山にあるブドウの仲間には、ヤマブドウ・サンカクヅル・エビヅルがあるが、これらの植物と同じく、焼酎漬けにして食するとうまい。私も5年物を飲んでいるが、色がきれいでガラスコップによく映える。植物体から松ヤニの匂いがして、実が房状になることからこの名の由来があるらしい。
山頂から国上方面に下るスカイラインで最も好きな所がこの写真にある道だ。両脇の樹木に包まれたようなトンネル状の道で、春の新緑の頃は最高だ。早春には両脇の樹木下にはカタクリの群生が、また、チゴユリ・イカリソウも見られて目を和ませてくれる。
この道は間瀬方面下る道で上の写真にある気象レーダーを見ることができる。この多宝山の頂上にある気象観測の施設は、スカイラインがまだ開通していなかった頃からあるもので、今は無人だが当時は寝泊まりをして観測していたらしい。子どもたちと一緒に訪問して施設の中を見学させてもらったことがある。熱心に説明してくれた係員を懐かしく思い出す。
山頂付近にはススキの群生がキレイな穂をなびかせていた。頂上からの蒲原平野はいつもの秋の風景を見せてくれる。田んぼはきれいに区画整理されており、そこから生産されるお米は私達の命を支えてくれている。ありがたいことだ。
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