4月、春です。15日現在、新潟市周辺の桜は見頃を迎えている。蒲原平野は田打ち(水田の耕耘)が始まっているが、遠く越後山脈方面ではまだ真っ白な山姿である。12月から交通止めとなっており、4月1日に開通した弥彦スカイラインを10日に走ってみた。頂上付近はまだまだ幹と枝だけの様相で眼下の蒲原平野も茶褐色状態だ。日本海側ではまだ寒そうな海の姿が目に入る。しかし、車を降りて周辺を見ると、山の頂上付近としては例年より早い春の植物を見ることができる。イチリンソウとニリンソウが同時に咲き(普通イチリンソウの開花が早い)、カタクリも満開だ(山頂では例年よりも1週間早いようだ)。アオキは真っ赤な実を着け、ウバユリ葉みずみずしい葉を見せてくれる。樹木ではキブシの花が盛りで、コブシとタムシバが開花している。もうすぐ新緑の山になるが、自然は裏切ることのなく彼らの計画通りに季節を変化させる。高速道路の法面を見ると、ユキヤナギとレンギョウが真っ盛りだ。ユキヤナギとレンギョウが終わるとそこにタニウツギの並木が花盛りとなる。ヤシャブシの花も今が盛りだ(雄花が目立つ)。平野部も山も高速道路の法面もそれぞれ4月はやはり植物の世界だ。
遠くに見える越後山脈の守門岳はまだまだ真っ白であるが、蒲原平野部は田打ちが始まっている。
眼下の蒲原平野は山の樹木と同じく褐色状態で、日本海側の海も春の海とは言いがたい。
ニリンソウ(上)は例年、キクザキイチリンソウ(下)の後に開花するが、今年は同時開花だ。
カタクリは山頂付近では例年中下旬に盛りを迎えるが、今年は上旬に盛りを迎えている。
アオキ(新潟ではヒメアオキで植物体がアオキより小さいのでこの名前がある)の赤い実、ウバユリの新葉がみずみずしい。
コブシ(上:新潟ではキタコブシ)、タムシバ(下)が開花している。タムシバの開花が早く、キタコブシは始まったばかりである。コブシの名前は実が手の拳ににていることから、タムシバの名前は葉を噛むと甘い味がすることからきていると言う説がある。お互いに花は似るが、コブシは花の下に一枚の小さな葉が着いており、タムシバにはない。背丈はキタコブシが比較的大きな木となり、タムシバは雑木程度の大きさだ。
キブシ(新潟ではケキブシ)は花盛りで、道路沿いに鈴なりだ。
高速道路法面ではユキヤナギが正に枝に雪が降ったように真っ白な状態だ。
レンギョウの黄色な花が黄金の法面にしている。
法面補強植物として植えられているヤシャブシは、冬を越したマツカサ状の実と春開花した花が同居している(房状の花は雄花である)。