今年も11月に入り残すところあと40日前後となった。私も傘寿となり身体の衰えも増してきたが、未だにコロナにも負けずに頑張っている。最近周りの知人が少なからず天に召されているが、弥彦角田の山々と西蒲原平野はあい変わることなく、どっしりと大地を形成している。11月の蒲原平野の自然を今回は赤い実を中心に紹介したい。
11月上旬、稲の切り株から出ていた緑の新芽も少し黄緑を呈してきている(上)。切り株からは穂も見えるが、穂の中はシイナ状態だ(下)。弥彦・角田山系の空にはロシア上空経由の欧州行きだろうか、飛行機雲がくっきりと見えた(中)。
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山麓の林道では、ナツツバキ(シャラノキ)が紅葉の季節に入っていた。この樹木は幹に特徴があり、成長すると古い皮が剥げ落ち、灰白色と赤褐色のまだらな模様となります(下)。我が家でも庭木として一本植えている。赤と黄色が混じった紅葉はきれいだ。
11月に入ると弥彦・角田・国上の山々には赤い実が目立ちます。マユミ(上)とコマユミ(下)はニシキギ科の樹木で、マユミは枝が丈夫でよくしなうので、昔この木で弓を作ったことからその名がある。コマユミは庭木として植えられてるニシキギに似ているが、枝にコルク質の翼がないことから区別できる。ニシキギは我が家の庭に一株あるが、紅葉が非常にきれいだ。
シロダモ(上:国上)、クコ(中上:間瀬)、アキグミ(中下:角田浜)、ヤブコウジ(下:角田)の赤い実は、それぞれ鳥たちの貴重な食用となっている。シロダモは葉の裏が白いことに特徴があり、11月に花と実が同時に見ることができる樹木だ。クコ、海岸や砂地に見られ、薬用やクコ酒として活用される。アキグミも食用な果実酒として利用され、海岸に多いが高速道路などの法面にも見られる。ヤブコウジは、名の通り薮の中、特に海岸の松林のヤブになっているところによく見られる。
サルトリイバラ(上)、ツルウメモドキ(中)、ノイバラ(下)は、枝が固く棘があったりして触ると痛い。サルトリイバラは、生花の材料として利用されたりする。サルがひっかかりそうなトゲがあるためこの名があるらしい。ツルウメモドキは、弥彦・角田山系ではイヌツルウメモドキがほとんどで、ツル性で実がきれいなため生花や飾りによく利用される。トゲはなく、黄色い果皮が破れて赤い実がでてくるが、これがきれいだ。ノイバラは、野に生えるイバラの意味で、そのトゲの痛さは半端ではない。実は甘くて香りが良いのでハーブティーとし利用されたりすることもある。
最後に紅葉を紹介する。タカノツメ(上左:国上)、ハウチワカエデ(上右:国上)、エゾイタヤ(下左:角田)、ヤマモミジ(下右:弥彦)。タカノツメとエゾイタヤは黃葉となり、ヤマモミジとハウチワカエデは、黄・橙・赤などが混じった紅葉となる。この他ヤマウルシやナナカマド等紅葉のきれいな樹木は、我が山系の山々にはたくさんある。11月は弥彦・角田・国上の山々をゆっくりと散策することをお勧めする。