自然好きなシニアの部屋

近くの野山を歩いて、植物・虫などを観察し、写真に撮っています。

蒲原平野の自然 2021年6月その2

2021-06-18 16:48:27 | 日記

 6月も中旬を過ぎると日が長くなり、午後7時過ぎでもまだ外は明るい。気温も高くなり、蒸し暑い毎日が続いている。カビが生えたりして食中毒などが起きている。しかし、蒲原平野ではこの時期こそ植物にとっては成育に最高の季節ではなかろうか。

 平野部は今まさに緑の絨毯、空の雲も夏空の景だ。西蒲地区のごみ処理センターである鎧潟クリーンセンター(上)をバックにした越後山脈方面では雪も少なくなり、もうすぐ夏登山を迎える季節となる。弥彦・角田・国上山系(下)の前では緑豊かな水田が広がり、光合成作用により私達蒲原の人達に多くの酸素を供給してくれると同時に精神的な安定を与えてくれる恵みの平野だ。もう1ヶ月も経つ(7月下旬)と稲の花が開き、実を結び、9月には美味しいお米となるのだ。

山に入ってみた。ウリノキ(上:葉がウリに似ている)とマタタビ(下)が白い花を見せてくれる。マタタビは夏には実を結ぶ。この実の中で特に虫に寄生されたもの(木天蓼という)が漢方薬として有名だ。私も毎年この木天蓼のマタタビ酒を作って楽しんでいる。

 花といえば、ナツハゼ(上)がこの時期にスズランのような花を咲かせる。夏の葉が赤くなり、秋の紅葉が美しいハゼノキに似ていることからこの名がある。秋に熟す黒い実は食用になる。これはブルーベリーの仲間である。右下はヤマブドウの花だ。実はサンカクヅルやエビヅルと並んで、秋の果実酒としての三大珍味となる。左下は葉がモミジに似ていることからその名があるモミジイチゴの実である。キイチゴ3兄弟(モミジイチゴ・クサイチゴ・ニガイチゴ)の一つで、弥彦・角田・国上山系では沢山見られる。子供の頃から山に分け入って食べた山の恵みの一つである。

我が家のミニバラ(上)をゆりかごにして休んでいたアマガエルがいた。傍に行っても逃げようともせず、安心しきってバラのゆりかごを楽しんでいた。角田山でウバタマムシ(下)を見た。めったに見ることのできない全国的にも絶滅危惧種となっている。タマムシというとヤマトタマムシが有名で、きれいな色に圧倒されるが、この虫は漢字で姥玉虫と書き、その形がお婆さんの目を連想させることからこの名前があるように決して他の玉虫のようにきれいとは言い難い。しかし、貴重な種であることには変わりない。大事にせねば。

 我家の庭ではホタルブクロが満開になりつつある。シロバナと紫花の2種類が玄関と庭で競い合っている。ニッコウキスゲが終わると同時に咲き始めた。右下の陶器の魚は、ハゼらしい。家内の妹が作って送ってくれたもので、上のナツハゼから「ハゼ」を思い出して写真にした。真ん中に愛用しているネスプレッソコーヒーカプセルを囲んで、「おいしい!」と叫んでいるところを撮ってみた。


蒲原平野の自然 2021年6月

2021-06-08 13:54:23 | 日記

 6月に入った。午後6時になってもまだ明るいことから日が長くなってきたことが痛感される。4・5月に30人近くの山を迎えた新潟県のコロナウイルス感染者が、6月に入り、10人を割ることもある程に減少している。このまま続いてくれれば有り難いと祈るばかりだ。ただ我が蒲原平野の自然は、コロナウイルスとは関係ないかのように例年と変わりない姿を見せてくれている。

田植えから一月ほど経った稲苗は、順調に生育し平野部の水田が緑一色に見えるほどだ。6月7日に中学校の同級生N君を訪れた。上の写真は彼の田んぼの状況だが、下の写真と明らかに違うことがお分かりだと思う。実は彼の稲作栽培は有機栽培を主としているのだ。農薬や化学肥料は殆ど使わないようにして、食の安全を目指している。この栽培法では、田植えが1週間から10日ほど遅いのだ。理由は幾つかあるのだが、ここでは詳しく述べないでおこう。

 写真はイチョウウキゴケ(イチョウゴケ)という浮遊・水性植物だ。イチョウの葉の形をしていることからこの名があるが、昔はどこの田んぼでも見ることができたが、除草剤散布などの影響で見ることが少なくなってきている。彼の田んぼでは、切藁とともに水面に沢山見ることができる。無除草剤のおかげだ。

N君の田んぼに近い80アールほどの彼の畑では、ここでも有機栽培を主とした野菜類を作っている。その片隅にユンボで掘った2つの池がある。湧き水が主となっており、周りから農薬などが入り込まないため、オタマジャクシやメダカ、貝類などの昔の田んぼに生育していた水性動物が沢山いた。周りにはマコモ等の水生植物が生い茂り、こじんまりとしているが昔懐かしい風景だ。下の写真では見えにくいが、拡大すると真ん中ほどにメダカが沢山泳いでいるのが見える。

 我家の庭では、最初5月に咲いたニッコウキスゲが、第2回めの花を見せてくれている。今から30年ほど前に、志賀高原の宿で譲ってもらった種を庭に蒔いてから4年目頃から毎年花を見せくれる。

 上の写真は友人の小山さんから送ってもらったもので、5月から6月にかけての国上山や弥彦山で咲いていものである。左はユキグニミツバツツジ(日本海側の多雪地帯に生え、三つ葉のツツジ)、右上はガクウラジロヨウラク(釣鐘型の花の形が仏像が身につけていた瓔珞に似ている)、右下はウゴツクバネウツギ(実が羽子板の突羽根に似ている)でいずれも弥彦・角田山系には沢山見ることができる。

写真はウツギ(由来は幹が空木から)である。5月にタニウツギの中で、田植え時期の花として紹介した。今は5月上旬に田植えが行われるが、昔は苗代で稲苗を育成して、5月から6月頃に田植えが行われていた。この頃に花の盛りを迎えることから田植えの花として有名であった。垣根としても庭木としても人家の周りに植えられているが、弥彦・角田山系でもたくさん見ることができる。