6月も中旬を過ぎると日が長くなり、午後7時過ぎでもまだ外は明るい。気温も高くなり、蒸し暑い毎日が続いている。カビが生えたりして食中毒などが起きている。しかし、蒲原平野ではこの時期こそ植物にとっては成育に最高の季節ではなかろうか。
平野部は今まさに緑の絨毯、空の雲も夏空の景だ。西蒲地区のごみ処理センターである鎧潟クリーンセンター(上)をバックにした越後山脈方面では雪も少なくなり、もうすぐ夏登山を迎える季節となる。弥彦・角田・国上山系(下)の前では緑豊かな水田が広がり、光合成作用により私達蒲原の人達に多くの酸素を供給してくれると同時に精神的な安定を与えてくれる恵みの平野だ。もう1ヶ月も経つ(7月下旬)と稲の花が開き、実を結び、9月には美味しいお米となるのだ。
山に入ってみた。ウリノキ(上:葉がウリに似ている)とマタタビ(下)が白い花を見せてくれる。マタタビは夏には実を結ぶ。この実の中で特に虫に寄生されたもの(木天蓼という)が漢方薬として有名だ。私も毎年この木天蓼のマタタビ酒を作って楽しんでいる。
花といえば、ナツハゼ(上)がこの時期にスズランのような花を咲かせる。夏の葉が赤くなり、秋の紅葉が美しいハゼノキに似ていることからこの名がある。秋に熟す黒い実は食用になる。これはブルーベリーの仲間である。右下はヤマブドウの花だ。実はサンカクヅルやエビヅルと並んで、秋の果実酒としての三大珍味となる。左下は葉がモミジに似ていることからその名があるモミジイチゴの実である。キイチゴ3兄弟(モミジイチゴ・クサイチゴ・ニガイチゴ)の一つで、弥彦・角田・国上山系では沢山見られる。子供の頃から山に分け入って食べた山の恵みの一つである。
我が家のミニバラ(上)をゆりかごにして休んでいたアマガエルがいた。傍に行っても逃げようともせず、安心しきってバラのゆりかごを楽しんでいた。角田山でウバタマムシ(下)を見た。めったに見ることのできない全国的にも絶滅危惧種となっている。タマムシというとヤマトタマムシが有名で、きれいな色に圧倒されるが、この虫は漢字で姥玉虫と書き、その形がお婆さんの目を連想させることからこの名前があるように決して他の玉虫のようにきれいとは言い難い。しかし、貴重な種であることには変わりない。大事にせねば。
我家の庭ではホタルブクロが満開になりつつある。シロバナと紫花の2種類が玄関と庭で競い合っている。ニッコウキスゲが終わると同時に咲き始めた。右下の陶器の魚は、ハゼらしい。家内の妹が作って送ってくれたもので、上のナツハゼから「ハゼ」を思い出して写真にした。真ん中に愛用しているネスプレッソコーヒーカプセルを囲んで、「おいしい!」と叫んでいるところを撮ってみた。