10月も20日を過ぎると朝晩は非常に寒くなる。いつ初雪があってもおかしくない気温だ。つい先日も一瞬であったが平野部にもアラレが降った。晩秋から初冬へと季節が進みつつあるようだ。しかし、昨日は小春日和の暖かい天気の中、赤とんぼの舞う姿が目についたので少し蒲原平野の様子を紹介したい。
田んぼは稲刈りの終わった切り株から出たイネの青芽に覆われて(上)、多くはないが赤とんぼが乱舞していた。遠く五頭連峰(下)には雲に覆われてもう少しで初冠雪が見られるであろう。
上2枚の画像の赤トンボは、アキアカネだと思う。赤トンボは種類が多く、手にとってよく観察しないと同定は難しい。私が子供ころは、西蒲原平野では秋になると空には赤トンボが乱舞し、田んぼにはイナゴがピョンピョンと跳ね回っていた。農薬散布がまだ少ない頃で昆虫や小動物の宝庫であった。蒲原の平野部に訪れる赤トンボには、ノシメトンボ・ナツアカネ・アキアカネ等があるが、最も多いのがアキアカネだと思われる。いずれも秋、平野部に産卵し、卵の姿で冬越しをして翌年の春に孵化してヤゴとなり、6月ころ羽化して、高い山に移動して夏を過ごす。そして秋に再び平野部に帰ってきて産卵するのである。上の画像の羽の様子を見ると、左右に広げている羽は水平でなく、水泳で飛び込みの姿に似て少し猫背が特徴的だ。
この画像は五泉の沼地で撮ったハッチョウトンボである。西蒲原平野では見たことはなく、東蒲原平野や加茂や五頭連峰山麓の沼地などに6月頃から見られる。体色は赤いが秋の赤トンボとは少し違う。このトンボは写真では大きく見えるが、実は体長1.7~2センチくらいで日本で最も小さなトンボである。アキアカネなどは3.5~4.5センチくらいでハッチョウトンボの2倍はある。
つい先日我家の庭に訪れたシオカラトンボの一種である。子供の頃にはこのトンボが夏から秋にかけて最も多く目につくトンボで、当時はトンボといえばシオカラトンボであった。名前の由来は、体色の姿が塩昆布に似ていることからきていると言われている。白色の部分はワックス質の粉である。
最後に秋の話題でなく、夏の終りに我家の庭で羽化最中アブラゼミの画像を紹介する。朝方の3時ころ、まだ暗い中での羽化(まだ羽は白)であった。昆虫類の羽化は大体が日が昇る前に行われる。害虫であるアメリカシロヒトリも同じで、日が昇って小鳥類が活動する前に羽化を終えて飛び立つことが必要なのである。羽化の時は無防備であり、目につかないことが必要なんですね。