自然好きなシニアの部屋

近くの野山を歩いて、植物・虫などを観察し、写真に撮っています。

蒲原平野と自然 2021年10月その2

2021-10-23 18:13:42 | 日記

 10月も20日を過ぎると朝晩は非常に寒くなる。いつ初雪があってもおかしくない気温だ。つい先日も一瞬であったが平野部にもアラレが降った。晩秋から初冬へと季節が進みつつあるようだ。しかし、昨日は小春日和の暖かい天気の中、赤とんぼの舞う姿が目についたので少し蒲原平野の様子を紹介したい。

 田んぼは稲刈りの終わった切り株から出たイネの青芽に覆われて(上)、多くはないが赤とんぼが乱舞していた。遠く五頭連峰(下)には雲に覆われてもう少しで初冠雪が見られるであろう。

上2枚の画像の赤トンボは、アキアカネだと思う。赤トンボは種類が多く、手にとってよく観察しないと同定は難しい。私が子供ころは、西蒲原平野では秋になると空には赤トンボが乱舞し、田んぼにはイナゴがピョンピョンと跳ね回っていた。農薬散布がまだ少ない頃で昆虫や小動物の宝庫であった。蒲原の平野部に訪れる赤トンボには、ノシメトンボ・ナツアカネ・アキアカネ等があるが、最も多いのがアキアカネだと思われる。いずれも秋、平野部に産卵し、卵の姿で冬越しをして翌年の春に孵化してヤゴとなり、6月ころ羽化して、高い山に移動して夏を過ごす。そして秋に再び平野部に帰ってきて産卵するのである。上の画像の羽の様子を見ると、左右に広げている羽は水平でなく、水泳で飛び込みの姿に似て少し猫背が特徴的だ。

この画像は五泉の沼地で撮ったハッチョウトンボである。西蒲原平野では見たことはなく、東蒲原平野や加茂や五頭連峰山麓の沼地などに6月頃から見られる。体色は赤いが秋の赤トンボとは少し違う。このトンボは写真では大きく見えるが、実は体長1.7~2センチくらいで日本で最も小さなトンボである。アキアカネなどは3.5~4.5センチくらいでハッチョウトンボの2倍はある。

つい先日我家の庭に訪れたシオカラトンボの一種である。子供の頃にはこのトンボが夏から秋にかけて最も多く目につくトンボで、当時はトンボといえばシオカラトンボであった。名前の由来は、体色の姿が塩昆布に似ていることからきていると言われている。白色の部分はワックス質の粉である。

 最後に秋の話題でなく、夏の終りに我家の庭で羽化最中アブラゼミの画像を紹介する。朝方の3時ころ、まだ暗い中での羽化(まだ羽は白)であった。昆虫類の羽化は大体が日が昇る前に行われる。害虫であるアメリカシロヒトリも同じで、日が昇って小鳥類が活動する前に羽化を終えて飛び立つことが必要なのである。羽化の時は無防備であり、目につかないことが必要なんですね。


蒲原平野の自然 2021年10月

2021-10-12 15:51:41 | 日記

 蒲原平野も10月に入った。田んぼでは、稲刈りの終わった後のイネの切り株とそこから出ている青い芽を残すだけとなっている。平野部のイネ、砂丘地の野菜類、角田山の山麓部の柿など、秋の味覚が我々のお腹を満たしてくれる。

 蒲原平野も10日で30℃を越す真夏日となり、熱中症を患う人も出たくらいであったが、今日12日は一転して20℃前後とかなり肌寒い。秋の平野部の夕方5時半過ぎにはいつもの夕焼けがきれいで、三ヶ月と宵の明星(金星)と弥彦・角田・国上山系がくっきりと見えた。

 11日に新潟まで海岸線を走った。曇り空であったが、佐渡がよく見えて海も穏やかであった。後方の砂丘地では大根や長芋の収穫が始まっていた。

 さて、6~7月頃にヤマブドウの話しをしたが、弥彦・角田山系には10月がそのヤマブドウの実がたくさん見られる季節だ。ヤマブドウ三兄弟と言われる仲間たちを紹介する。上から順に、サンカクヅル、エビヅル、ヤマブドウの花と実である。三兄弟は花や実も似ているが、葉の形や実の大きさなどに違いがある。いずれも生食や果実酒にして楽しむことができる秋の味覚だ。

ヤマブドウ三兄弟に似ているが、食さないものもある。ただし一番上のマツブサはヤマブドウなどと同じく食したり果実酒にすることができるが、別名ウシブドウとも呼ばれマツブサ科に属し、彼らの仲間ではない。以前にその花を紹介したが、その実は三兄弟よりも大きく美味しい?気がする。真ん中はノブドウ、一番下はアオツヅラフジである。この2つは食することはない。毒ではないらしいが、全く美味しくない。ノブドウ(野に生育するブドウからの意)はブドウの仲間ではあるが、実は白っぽいか黄緑色が普通である。しかし、この実に虫が寄生するとその虫こぶが青やムラサキ色を呈する。下のアオツヅラフジも食べられない。フジのようにツル性で実が青色になることからこの名がある。いずも弥彦角田山系にはたくさん見ることができる。ただ、マツブサは弥彦山とタ宝山の2ヶ所しか見ていないので、そんなに多くはないかな?

 最後にマルバシャリンバイを紹介する。間瀬などの海岸や砂地に生育するが、家の周りに植えている人もある。葉がまるく、枝に葉が車輪のように付き、梅のような花が咲くことからこの名がある。実は紫色で美味しそうだったが、食べることはないらしい。実は今が盛りであった。