佐賀大がダイヤモンドで半導体スイッチを作ったみたいですね。
最初のトランジスタはゲルマニウム。希少価値が高いのでどうしてもトランジスタ自体が高価だったわけです。やがて砂粒からざっくざっく採れるシリコンが半導体の主流になってくる。
半導体素子のベースはシリコンやゲルマニウムのように最外殻電子が4つのものかガリウムひ素、窒化ガリウムみたいに3と5の混成結晶ってことは炭素は?って疑問は当然湧いてくる。が、格子欠陥の少ないダイヤモンドにキャリアを注入するってなどなど考えると実現できたってのがすごい。おそるべしS A G A 佐賀w
熱や高電圧に強いってのはニュースで分かったんですけど、スイッチングロスはどうなんでしょう?
半導体のスイッチってのはOFFの時に電圧はフルにかかっているけど電流はほぼ流れてないから電圧と電流を掛け合わせた電力ってのは少ないですね。一方でONの時は電流はおもくそ流れるけど電圧はほとんどかかってないので電力はやはりほとんど消費していない。ところがONとOFFの間で切り替わるときに電圧と電流がすぐに0近くになるわけじゃないので、電圧と電流を掛け合わせた電力は途中で大きくなる。これがスイッチングロスと呼ばれるもので、例えばパソコンですとクロックパルスの周波数が上がれば時間当たりのON・OFFの回数が増えるから時間当たりの消費電力も大きくなり、パソコンは熱くなる。インバーターではほぼパルス幅変調ことPWMを採用しているので搬送波周波数を上げることで電流は正弦波に近くなる。けどやはりON・OFFの回数が増えるってことはロスが大きくなる。
特に続流といって電流を続けて流そうって働きが強いときは1回のスイッチングロスが大きくなる。続流が多くなるのはコイルや配線などのインダクタンスが原因です。半導体がなくってリアルに引き離すスイッチに電力設備にはディスコンこと断路器があるんですが、その下流にトランスなどがあって続流を流そうとする。ですから遮断器などで強制的に消弧してからじゃないといきなりディスコンを落とすとアークが降ってきてシャレにならないことになってしまいます。続流を打ち消すのにインダクタンスが原因ならコンデンサで補償すればいいって考え方もあるわけで、半導体スイッチではスナバ回路という続流を減らしてスイッチングロスを減らすものがパワーモジュールのウェハーに一体でくっついているわけです。ただし純粋にコンデンサにするとインダクタンスと共振を起こしてしまいますので抵抗やダイオードを組み入れて振動を減衰させているわけです。抵抗があるってことはそこからロスが生じるのでは?と思うことでしょうけど、スナバ回路の抵抗ロスよりもスナバ回路抜きのスイッチングロスの方が大きくなります。
コンデンサは導体や半導体で絶縁物を挟めばいいわけで、シリコンですと酸素をドープするとガラスや水晶の材料となる石英が出来る。ですがダイヤモンドは炭素、酸素をドープすればCO2すなわちビールの泡になっちゃいますけどどうなんでしょ?
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