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虹の数学 その2

2022-06-25 13:50:35 | 地球と物理

前に虹は可視光領域の各周波数の電磁波に分けられたものが現れてるって話をしました。

雨が上がって美しい虹を見て率直にきれいだなぁと思うにとどめたほうが健全な生き方とは思うんですが、ここで虹が現れるってことを数学的に考えてみようってわけです。

波の一番きれいな形は正弦波あるいはサインウェーブと呼ばれる形で、三角関数の波形になるわけです。

それ以外のきちゃない波形の波というのはいろいろな周期・位相をもったサインウェーブの集合体と考えられるわけです。

このきちゃない波形を正弦波の集合体の形にしたらどの正弦波がどんだけ含まれてるよ?ってことを調べるのをフーリエ変換あるいはフーリエ解析ってわけです。

ある周期の正弦波は基準点があるならAsin(ωt+θ)って表せます。Aが振幅、ωが角周波数、θが位相です。

こうした波形は直行する2つの波形A1sin ωtとA2cos ωtを足し合わせたものに分解できます。

で、きちゃない波形が時間的にf(t)って表せるなら、各成分は例えばA1を調べたいならf(t)にsinωtを掛け合わせてほんのちょぼっとの時間dtの間にどれだけの量になるかを周期に渡って足し合わせて周期で割るという作業をすれば出てくるわけです。数式で書くと1/2T∫f(t)sinωtdtを周期Tにわたり計算するという作業になってきます。これを周期の整数で割ったものに相当する周波数でsin cosそれぞれ計算すればきちゃない波形がきれいな波形を足し合わせた形であらわせるわけです。

なお、この手法はきちゃない波形から別のきちゃない波形がどんだけ含まれているかを調べるときにも使うことが出来ます。

 

一方できちゃない波形が周期性を持ってなかったらってことを考えると無限遠の周期に渡ってすべての周波数と位相を表す関数をかけて積分すれば時間の波形が周波数のスペクトルの強さに変換できるわけです。すべての周波数と位相を表す関数といえばオイラーの数式e^(iπ)+1=0から出てくるe^iωtをf(t)に掛け合わせて無限遠で積分すればスペクトルが出てくるわけです。これをフーリエ変換といいます。ちなみにiは単位虚数でイマジナリーからきていますが、電気系出身の私はε^jωtって書くことが多いです。

 

なんだかきれいな虹からズイブン無粋な話になってきましたが、さらにここから余計な話をすると、物理的な状態は定常的には振動を続けていますが、過渡的にその状態に行き着くまでに指数関数的に減衰しますし、システムなどが暴走するときは指数関数的に増大します。同時に振動を繰り返す場合も多く、振動と指数的な増減の掛け合わせになるわけです。すると、指数的な増減の度合いをσとすると、ε^(σ+jω)で減衰振動などを表せるわけです。

いっぽうですべての関数は別の関数と掛け合わせて積分することでその関数の成分を取り出せるわけですからε^(σ+jω)の成分だって取り出せるわけです。

ここでさらに無粋なことを考えるおっさんが現れるわけですが、彼の名はラプラスって言います。まぁ、制御理論というくっそおもろない理論を学び始めるときに真っ先にコノヤローって思う人物ですね。で、学びを進めるとボード、ラウス、フルビッツ、ナイキストなど肖像画をダーツの的にしてやりたくなる人物が増殖していくわけです。

このラプラスっておっさん、何をしたかといえば過渡現象を含むσ+jω=sとおいてすべての関数を過渡項を含モードと呼ばれる成分に分解できる。つまり∫f(t)ε^(-st)dtという変換を考え出したわけです。これが制御理論でぜーったい避けられないラプラス変換って奴です。

これに懲りず、さらに次はラプラス変換で微分方程式が何で解けるねんという無粋な話を考えてみましょう。

 


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