超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

【その1】ゲームの体感系コントローラー競争はきっと盛り上がらない

2009年06月12日 22時21分57秒 | Weblog
 家庭用ゲーム機3社の新しい競争の舞台としてコントローラーに注目が集まっている。米ロサンゼルスで6月2~4日に開催されたゲーム見本市「E3」では各社が体感系のコントロール技術を前面にアピールした。だが、ユーザーはどこまで付いて行くだろうか。(新清士のゲームスクランブル)

 任天堂の「Wii」は加速度センサー付きの体感系コントローラーという斬新な入力インターフェースで大きな成功を収め、さらに「Wii Fit」などのコンセプト提案型商品で体感系を発展させてきた。それから遅れること2年半。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)とマイクロソフトも任天堂の追撃を目標とするデバイスを発表してきた。

 しかし、私にはこの分野がメーンストリームとして「このまま盛り上がり続けるのだろうか」という、ぬぐいきれない疑念がある。それらのデバイスでどんな体験を得られるのかをユーザーが簡単に予測できてしまう「底が見える時期」に、そろそろ入り始めているように感じられるからだ。そのコントローラーのためにみんながお金を払うかという問題である。


■PS3、Xbox360の新技術が抱える課題

 SCEが発表した「プレイステーション3(PS3)」の新型コントローラーは、専用カメラ「PLAYSTATION Eye」と連動して体感的な操作を実現するという。E3の基調講演では、プロトタイプを使った技術デモを披露した。PLAYSTATION Eyeのカメラでコントローラーのライトを認識して位置情報を検出し、バットや弓のように使うという内容だ。

 発売は2010年春の予定だが、最大の課題は価格だろう。PS3にはキーボード、ワイヤレスヘッドセット、マイク機能も持つPLAYSTATION Eyeなどの周辺機器があるが、どれも5000円前後とそれなりに高く、あまり普及していない。新コントローラーも例えばPLAYSTATION Eyeとセットで6000円といった価格になるとすれば、よほど魅力的なソフトウエアでも出ない限り、ユーザーは振り向かないだろう。

 マイクロソフトはどうだろうか。E3で発表した「Project Natal」は、カメラ、空間の奥行きを認識するセンサー、マイクを組み合わせた専用ハードウエアだ。コントローラーなどのデバイスを必要とせず、人間の身体そのものの動きを捕捉して、各種の機能を割り当てられるという。格闘ゲームなども人の身振り手振りで楽しめるというわけだ。

 ただ、マイクロソフトが基調講演で流したイメージムービーは、ちょっとやりすぎという気がする。プレーヤーの身体の動きとテレビ画面の動きに一切ズレがないのだが、どんなに完成度の高いハードウエアでもここまで理想的に動作するとは思えない。

 レースゲームのシーンでは、子供がハンドルを持っているような格好をして腕を動かすだけで、車が遅延なく動いていた。これほどの精度はさすがにあり得ないだろうと思う。

 マイクロソフトはProject Natalの開発キットをゲーム会社向けにリリースすると発表したが、実際のソフトが出てこないと本当に使い物になるのかどうかイメージしにくい。価格帯もどの程度になるかわからないが、ユーザーが買う気になるかどうかはSCEの場合と同様、疑問符がつく。

 PS3とXbox360の新デバイスが実現する機能はまったく違うものだ。そのため、両ハードへのマルチプラットホーム戦略をとるゲーム会社は採用しにくいという別の問題もある。デバイスの特性をフルに引き出そうとすれば、専用タイトルとして開発するしかないが、多くの開発会社は当初は尻込みするだろう。

 どんなに魅力的な技術でも、一定のユーザー数を見込めなければゲーム市場では意味がない。どちらの新デバイスも、現時点では普及の確実性が見えないという点で弱い。


■Wiiコントローラーの手ごたえのなさ

 一方、任天堂はジャイロセンサーを搭載して傾きを検出する「Wiiモーションプラス」をスポーツゲーム「Wii Sports Resort」とともに6月25日に発売する。WiiモーションプラスはWiiコントローラーの機能をさらに拡張する付属デバイスだが、やはり同じ課題を抱えている。

 任天堂ホームページの「社長が訊く『Wiiモーションプラス』篇」の中で、岩田聡社長はWiiコントローラーについて、「ゲームの初心者の方でも楽しめるようにすることは実現できたのですが、ゲームを遊ぶことに、とても熱心な人たちからすると、『確かに間口が広くておもしろいし新鮮だけど、浅いよね』という評価をいただいたのも事実でした」と課題を述べ、Wiiモーションプラスでその奥行きを広げる狙いを語っている。

 ただ、Wiiの発売から2年半、私が実際に遊んで感じるようになったのは、この先どんな体感系の新デバイスが登場しても、それが広げようとする「体験」の内容と幅はある程度想像が付くだろうという思いだ。もちろん、最終的な製品としてのWii Sports Resortをきちんとプレーしたわけではないので断定はできないが、どんな経験ができるのかは何となく予測がつく。

 任天堂もE3で、Wiiモーションプラスの面白さをイメージムービーでアピールしていたが、当然ながらスポーツでもレースでも、実際にやるのとテレビ画面相手に疑似体験するのとでは大きな差がある。ゲームは映像と音響、コントローラーの振動を駆使してユーザーにフィードバックしようとするが、何か空を切っているような手ごたえのなさが常について回る。そのことに多くのユーザーが気が付き始めていると思う。

では、本質な問題はどこにあるのか…(その2へ)

【その2】ゲームの体感系コントローラー競争はきっと盛り上がらない【つづき】

2009年06月12日 22時21分12秒 | Weblog
■逆方向に進化するゲームのコントローラー

 その根底には、ゲーム機のコントローラーが一般的なテクノロジーとは逆方向への進化をたどっているという特異性質がある。

 インターフェース論で有名なドナルド・A・ノーマン氏は著書「未来のモノのデザイン」(新曜社)で、「機械+人間」の共生的な関係とテクノロジーの進化について分析している。

 乗り物の例でいうと、まず車以前の「馬+騎手」では、お互いがコミュニケーションを取って、人間は馬が生物として発する様々な微細な情報を解釈しながら馬に命令する。この的確な共生関係により「危険を避けながらどこかに向かう」というパフォーマンスを出していた。

 その関係は「車+ドライバー」になっても変わらない。ドライバーは車から伝わる微細な振動やエンジン音などの様々な情報を解釈して、人間が機械に合わせるように運転してパフォーマンスをあげる。

 ところが、技術が進むにつれて、車が人間に伝える情報は次々に隠蔽されるようになり、機械側が自動的に判断する範囲が増える。例えば、電気自動車ではエンジン音や振動がないので加速の感覚をつかみにくい。人間が手足を動かして操作しなければならない部分はどんどん減っていく。

 ゲーム機の場合はこの進化の方向が反対だ。技術が発達するにつれて、ユーザーから機械に伝える情報を逆に増やしているのである。体感系コントローラーはまさに、ユーザーが手足を動かしてハードに入力する情報を増やす目的で登場している。

 しかし、出力側のテレビには大きな変化が起きているわけではない。機械が人に伝える情報はそれほど増えていないので、現実世界を真似れば真似るほど、フィードバックされる情報の物足りなさが浮かび上がる宿命にある。

 「マリオカートWii」を「Wiiハンドル」を使ってプレイするとき、ハンドルには実際の自動車のような負荷はかからない。可能であれば、エンジンの振動も路面のでこぼこも伝えたいというのが任天堂の開発者の思いだろうが、それでは業務用ゲーム機である。

 この問題にはPS3、Xbox360の新しいデバイスも同じく直面するだろう。Project Natalの何もない空中に手を伸ばしてバーチャルなハンドルを回すという体験が楽しいとは思えない。


■デバイスで勝負する時期はそろそろ終わり

 任天堂の体感系コントローラーがこれまで成功してきたのは、誰もが体験を想像できる「共通性」の高い分野を攻めたというアプローチの巧みさが大きい。例えば、「Wii Sports」シリーズには、誰もがよく知っている競技しか選択されていない。

 こうした分野では、ゲーム画面やコントローラーが提供する経験に限界があっても、ユーザー側の想像力で不足する刺激が補完されるという効果がある。ただ、ユーザーは早晩その事実を学習し、最初の驚きは急速に「飽き」に変わっていく。

 もちろん、誰もが想像力で補完できるような共通性を持つ新しいゲームを次々に開発していけば、新鮮さを保てるだろうが、そうした共通性はすでにかなり「消費」されている。後発デバイスになればなるほど、ユーザーに新しい驚きを提供するのは難しくなる。

 ただ、コントローラーの限界がユーザーに認知されることで、逆にゲーム開発者の本来のクリエイティビティーを活かすチャンスが生まれることもある。例えば誰もがもう終わりと思っていた「ゲームボーイ」の最後期に、通信ケーブルを利用して大成功を収めた「ポケモン」が登場したように、ハードの限界が見えることで逆に大ヒットタイトルが生まれることはよくある。

 今回のE3では、どのハードからもそういう可能性はまだ見えてこなかった。デバイスの目新しさで勝負する時期はそろそろ終わり、それを活かしたソフトで勝負する時期に移りつつあるように見える。

改正著作権法が成立、裁定緩和や検索サイトのキャッシュ生成など実現

2009年06月12日 22時08分19秒 | Weblog
 通常国会で審議されていた著作権法の改正案が2009年6月12日、参議院本会議で可決・成立した。2010年1月1日に施行される。

 今回の改正著作権法では、裁定申請中の著作物の利用に関する規定を新設(第六十七条の二)。権利者の所在が不明の著作物を二次利用する場合、文化庁に担保金を供託することにより、裁定を受ける前でも二次利用を可能にする。従来の裁定制度では、申請前に「相当な努力」を払って権利者を探すことが求められており、二次利用にかかる手間が過大であるとされていた。著作物の二次利用をめぐっては、テレビ局が過去に制作・放送した番組をインターネットなどで配信する取り組みが進められており、こうした動きを後押しするものとなっている。

 検索サイト関連では、キャッシュ生成に伴う複製に関する規定が設けられた(第四十七条の六)。検索サイトを業として行う者は、検索や検索結果の提供に必要な範囲内で、インターネット上のコンテンツを自社サーバーに複製し、データベースとして保管することができる。従来は検索サイトの構築・運用に伴うキャッシュの扱いが著作権法上明文化されておらず、検索サイトを運営する事業者などから懸念の声が出ていた。

 違法コンテンツ対策では、いわゆるダウンロード違法化規定を追加(第三十条第一項)。著作権を侵害しているインターネット上の録音/録画コンテンツを、侵害の事実を知りながらダウンロードし、ユーザーのパソコン内のHDDなどに複製する行為を違法とした。従来は、違法コンテンツであっても私的利用の範囲内であれば合法的にダウンロード、複製できる規定となっていた。

 この規定をめぐっては、ネットユーザーを中心に反対意見があった。これを受け、「違法配信と知らずに録音又は録画した著作物の利用者に不利益が生じないよう留意するとともに、本改正によるインターネット利用への影響について、状況把握に努めること」「本改正に便乗した不正な料金請求等による被害を防止するため、改正内容の趣旨の周知徹底に努めるとともに、レコード会社等との契約により配信される場合に表示される識別マークの普及を促進すること」という付帯決議が議決されている。また、同規定に違反した場合の罰則規定は設けず、ネットユーザーに一定の配慮をしている。

 このほか新設/改訂された主な内容は次の通り。

・国立国会図書館において、古い資料の劣化を防ぐ目的で複製/データベース化し、アーカイブを構築する(第三十一条第二項)。
・視覚障害者が著作物を認識できるよう、文字を音声に変換して複製したり、それをネット上にアップロードしたりできるようにする(第三十七条第三項)。
・聴覚障害者が著作物を認識できるよう、音声を文字に変換して複製したり、ネット上にアップロードしたり、貸し出し用として複製したりできるようにする(第三十七条の二)。
・インターネット上のサーバーで故障や混雑が起こるのを予防したり、故障したサーバーを復旧したりするために、サーバー上のデータを複製できるようにする(第四十七条の五第一項)。
・インターネット上のプロキシーサーバーにおいて、送信を効率的に行うために必要な範囲内でコンテンツの複製を認める(第四十七条の五第二項)。
・調査・研究などのために、インターネット上などの大量の著作物をコンピューターで解析する場合、必要と認められる限度内で複製を認める(第四十七条の七)。
・著作物の複製物をパソコンなどで合法的に利用する場合に、情報処理を円滑に効率的に行うために必要な範囲内で、パソコン内にキャッシュを生成することを認める(第四十七条の八)。
・美術/写真の著作物を譲渡/貸与しようとする場合に、作品の所有者やその委託を受けた者がDRMを施した上でネットオークションの画面などに画像を掲載することを認める(第四十七条の二)。


 このほか付帯決議において、「インターネット配信等による音楽・映像については、文化の発展に資するよう、今後見込まれる違法配信からの私的録音録画の減少の状況を勘案しつつ、適正な価格形成が促進されるよう努めること」という項目が盛り込まれている。

約14年ぶりとなる土星の環の消失現象

2009年06月12日 22時03分50秒 | Weblog
国立天文台では、土星の環の消失現象の起こるしくみを紹介するウェブページを開設した。今年は9月4日に約14年ぶりとなる環の消失現象が起こる。残念ながらその頃の土星は、見かけの位置が太陽に近く観察は困難となるが、6月中は環の細い土星を条件よく観察することができる。

土星は、小望遠鏡でも見ることができる美しい「環(わ)」を持つ惑星として知られています。環は、その大きさ(幅)にくらべると厚みがとても薄いため、真横から見た場合には望遠鏡を使っても見ることができず、まるで消えてしまったかのようになります。このような現象を「環の消失」と呼びます。

今年の9月4日、約14年ぶりとなる環の消失現象が起こります。残念ながらその頃の土星は、見かけの位置が太陽に近いため観察するのは困難ですが、珍しいこの現象に注目してみましょう。

土星の環は、数多くの氷粒が集まったものだと考えられています。望遠鏡ではっきり見える環の部分の幅は、およそ数万kmにも及びます。これに対して厚みは、せいぜい1kmで、数十m以下とも報告されています。このように環は大変薄いため、地球から見て環を真横から見ることになる前後の数日間は、見ることができなくなります。環が実際になくなるわけではなく、見えない位置関係になるのです。

土星は、自転軸の傾きを同じ方向に向けたまま、太陽のまわりを約30年かけて一周(公転)しています。そのため、地球から見たときの環の傾きは、約15年周期で大きくなったり小さくなったりする変化を繰り返していて、環の消失現象もその周期で起こります。前回環が消失したのは、1995年から1996年にかけてのことです。

国立天文台では、この環の消失現象が起こるしくみを広く理解していただこうと、環の消失現象の解説ページを公開するとともに、動きによってわかりやすく現象を解説するムービーを作成しました。解説ムービーは、解説ページ(ウェブ)からご覧になれますので、ぜひご参照ください。

現在土星は、夕方に南西ないし西の空に見られます。7月になると、西空低くなってしまいだんだんと観察しづらくなります。このため、条件よく観察できる6月のうちに、傾きが小さいために環が細く見える土星の姿を望遠鏡で観察してみてはいかがでしょうか。

月へ帰ったかぐや姫、取り残された子衛星

2009年06月12日 07時13分21秒 | Weblog
NASAのアポロ計画以降、最大の月探査計画であったかぐやによる月面調査は無事任務終了しました。

かぐやは2007年10月4日月の軌道に乗り、ハイビジョンカメラによる撮影や、地形の凹凸の観測、月表面の元素/鉱物組成、地形、表面付近の地下構造などを貴重なデータを本日まで収集し続けました。みなさんもかぐやが撮影したハイビジョン動画はご覧になったと思います。

かぐやは1.6トンの質量をもち、ハイビジョンカメラをはじめとする、月の測定に不可欠な装置をたくさん搭載していました。なかでもNHKが開発した宇宙探査機用ハイビジョンカメラは理論衝撃耐久能力は120G、実行衝撃耐久能力は15G/hを誇るもの。あの神秘的な動画は高感度CCDカメラだけでなく、かぐやの持つ堅牢な構造によって撮影が可能になったものだったんですね。

でも、今回の月面探査を大成功へと導いたのはかぐやだけでなく、おうなとおきなという子衛星の活躍も重要でした。

かぐやが月を周って撮影したハイビジョン動画などのデータは電波によって送信されますが、たとえば月の裏側だったりすると直接地球へ送ることができません。そこで、子衛星のおきなが月の裏側にいるかぐやの電波を中継し、地上へ送信していたのです。

かぐやの送る電波をおきなが中継して地球へと送る。しかしこれも非常に難しいことだったそうです。なんでも宇宙からハイビジョンの動画の送受信をして、圧縮されたデータの展開をするには実時間の約20倍かかってしまうので、その間、ずーっと、電波を途切れずに正常な通信を行う必要があり、絶え間なく動き続けるかぐやとおきなには常に電波の不安定が問題になっていたのです。

そこでもう一つの子衛星、おうなが重要な役割を持っていました。
動き続ける衛星の電波を保つためには、精密な衛星の位置情報が必要とされます。子衛星、おうなはかぐやとおきなの位置を正確に測定して、正常に電波を送り届ける手助けを行っていたのです。

こうしてかぐや、おきな、おうなの3機1体の活動によっての大規模な月面探査が行われ、たくさんの成果をのこしました。月南極のクレーターには露出した氷がほとんど存在しなかったことや、従来より精度の高い月の地形図の作成。月の裏側の重力異常の観測にも成功し、多大なる成果を宇宙研究の分野に残したのです。


しかし始まりのあるものには終りがあるもので、運用開始から約2年後の2009年2月12日、まずおきなが月の裏側にあるミヌールDクレーター付近に落下。運用を終了。そして、あとを追うように6月11日、かぐやもGILLクレータ付近へ落下し、運用を終了しました。

残されたおうなはどうなるかっていうと、JAXAによるとあと数年間は月を周回するようです。

かぐや、おきな、おうな3機1体となって行われた今回の月面探査。おきな、かぐやを失ったおうなは今頃何を思っているのでしょうか。


知らなかった。3機が補完しあってあの映像やデータが初めて出来たのか。

結婚特化の新サービス「match.com marriage」

2009年06月12日 07時09分23秒 | Weblog
交際相手をマッチングする「match.com」を運営するマッチ・ドットコムジャパンは6月11日、結婚相手探しに特化した新サービス「match.com marriage」(マッチ・ドットコム マリッジ)を始めた。恋愛に関するベストセラーで知られる米国の人類学者、ヘレン・フィッシャー博士による性格診断テストなどに基づき、最適な相手を紹介できるという。

 「match.com」は交際相手を探すサイトとして2002年11月に日本語サービスをスタート。ポータルサイト経由なでサービスを展開することで会員数を伸ばし、今年2月には国内100万人を突破した。

 match.com marriageは交際相手のマッチングサービスから踏み込み、真剣に結婚を考えている独身者向けの相手紹介型サービス。相性のいい相手の紹介から、その後のコミュニケーションのプロセスまでをサポートする「新しい婚活ツール」だという。

 本人が登録した条件に加え、性格診断テストで相性がいいと判断された相手を紹介する「恋愛科学」をマッチングに導入したのが売りだ。テスト作成にはmatch.comのチーフサイエンスアドバイザーを務めるフィッシャー博士が協力。フィッシャー博士は、人類学や動物行動学などの知見から「愛は4年で終わるのが自然だ」などと説いた著書「愛はなぜ終わるのか」が日本でもベストセラーになったことで知られる。

 テストは56問からなり、結果によって人の性格を「冒険型」「建設型」「指導型」「交渉型」の4タイプに分類。冒険型は「新しいもの好き/リスクをいとわない」、指導型は「分析能力に優れ論理的、意志が強い」などとされ、各タイプごとの相性のよしあしを判断する。冒険型と建設型は男女とも同タイプを好むが、指導型の人は交渉型の異性を、交渉型の人は指導型の異性を好む──といったデータに照らし合わせ、相手紹介に活用する。

 サイトが紹介した相手に対し互いに関心があれば、質問などをメールでやりとりし、「初顔合わせ」(初デート)に至る──という流れ。登録プロフィールは紹介されたユーザー同士のみ閲覧できるなど、プライバシー保護も堅めになっている。

 オープン当初の料金は、90日間コースが2万円(通常料金は3万円)、180日間コースが3万円(同5万円)、365日間コースが5万円(同8万円)。

 フィッシャー博士は「相手を選ぶ要素にはルックスやライフスタイル、経験などに加え、生物学的な相性もある」と診断テストの有効性を説く。

 さらに「不安な時代には人間は基本、つまり『愛』に戻ろうとする。DNAを残すために、生物学的にも、結婚したい人が増える時期だ」として、「『コンカツ』はいい言葉。昔から女性が自然にやってきたことを、言葉ができることで堂々と現代でもできるようになる」と、女性からの婚姻アプローチは珍しいことではないと解説する。「match.com marriageが21世紀の『ナコウド』になると信じている」

ここまでお金をかけるのか?とも思うけれど…
ぼったくりサイトとかよりはましかな。
結婚したいと思ってる人ばかり(?)の集まりだからね。
わざわざ冷やかしに入会する人なんていないだろうし。

言葉は悪いかも知れないが、効率の良い出会いを得られるのかも。

※当初掲載した写真が間違ってましたので、再upしました。(H21.6.12 PM22:25)

終末期治療の選択にビデオが有用

2009年06月12日 07時03分57秒 | Weblog
 高齢者が終末期にどのような治療を受けるかを選択する際、進行した認知症患者のビデオを見ることが役立つことが、新しい研究で示された。

 研究を率いた米マサチューセッツ総合病院(ボストン)のAngelo Volandes博士によると、終末期の治療の決定に患者自身が関与するようになってきているが、疾患やそれに伴う治療がどのようなものかを患者が具体的に想像するのが難しいという問題があるという。「話をするだけでは疾患の経過や選択できる医療措置の全体像を描くことができないことがあるが、ビデオの使用が役立つ可能性がある」とVolandes氏は述べている。

 英国医師会誌「BMJ」オンライン版に5月28日掲載された今回の研究では、65歳以上の健康な被験者200人を、認知症について口頭で説明するとともに、進行認知症に関するビデオを見せる群と、口頭説明だけの群とに無作為に割り付けた。その後、面接により進行認知症に関する知識と治療目標について尋ねたほか、ビデオを見た群には内容が不快なものでなかったかを尋ねた。治療目標は、あらゆる手段による延命治療、身体機能を維持する限定治療、苦痛の緩和を最大限にする治療の3つから選択することとした。

 口頭説明だけの群では、64%が緩和医療、19%が限定治療、14%が延命治療を選び、3%がわからないと回答。一方、ビデオを見た群では、86%が緩和医療、9%が限定治療、4%が延命治療を選び、1%がわからないと回答した。緩和医療を選ぶ人は、白人、大学卒業者、健康状態がよく健康に関する知識のある人の比率が高かった。6週間後に被験者に選択に変更がないかどうかを尋ねると、ビデオを見ていない群では29%が考えを変えたのに対して、ビデオを見た群で考えを変えたのは6%であった。

 「疾患の経過がどのようなものかを患者に知らせるべきではないとの考え方もあるが、患者はビデオを見て不安を感じていない」とVolandes氏は指摘し、心不全、進行癌(がん)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの末期状態についてもビデオの利用が有用であるとの考えを述べている。一方、別の専門家は「ビデオは優れた情報ツールであると同時に、操作ツールでもある」点を指摘し、その影響は強力であるとしているが、「ビデオの内容が公正で客観的なものであれば、非常に優れた教育的ツールである」とも述べている。

台風が“スロー地震”の引き金となる

2009年06月12日 06時58分58秒 | Weblog
 にわかには信じられない話だが、台風が発生するとある種の地震が起きるらしい。しかもそれは歓迎すべき現象なのだという。それは“スロー地震”と呼ばれるもので、地殻変動でもたらされた断層のひずみによるエネルギーが、数分から数日かけてゆっくりと解放された場合に発生する地震だ。

 スロー地震の揺れは非常に微弱であるため、通常の地震計では検出されず、ましてや人が感じることもないが、科学者たちはこのタイプの地震に大きな関心を寄せている。スロー地震によってもっと大きな範囲の地震エネルギーが緩和され、大規模な地震の発生が抑制されている可能性があるからだ。

 ワシントンD.C.にあるカーネギー研究所のアラン・リンディ氏率いる研究チームは、台湾の東海岸に高感度の地震計を設置し、微弱なスロー地震の記録を行った。その結果は驚くべきものであり、スロー地震と台風の間に強い関係性があることが確認された。

 5年という研究期間で、スロー地震は台湾の台風シーズンにしか発生せず、台風と同時に発生したスロー地震が11回もあったのである。「台風がスロー地震の引き金になっているなんて、研究結果が出るまでは考えもしなかった」と、リンディ氏は感想を述べている。導き出された結論に驚きはしたが、不合理な話ではないと研究チームは考えている。

 低気圧である台風が海上にある場合は、海面水位が局地的に変化することで海底にかかる圧力のバランスが保たれている。「しかし、台風が陸上にある場合はそのようなバランス保持が行われないため、陸にかかる圧力がわずかに低下することになる」とリンディ氏は解説する。

 つまり、台風によって引き起こされるこのようなバランスの崩れが最後の一押しとなり、ひずみを起こす寸前の状態にあった断層が実際に動き出すという仕組みだ。「台風は最終的な引き金となるだけであり、その前の時点で断層運動の準備が整っていなければスロー地震は起こらない」という。

 今回の研究成果によって種類の異なる地震の発生原理が解明されれば、地震予知の精度が向上するかもしれない。

 例えばスロー地震は、世界の特定の地域で地震エネルギーを緩和させているのではないかと推測されている。台湾は地震運動が多いにもかかわらず大規模な地震被害が発生していないが、その理由はスロー地震にあるのかもしれない。

「地球は実に複雑にできている。断層運動に関する新しい情報は、どのようなものであっても必ず何かを教えてくれる」とリンディ氏は話す。

骨にマンモスの線描画、米大陸最古か?

2009年06月12日 06時57分42秒 | Weblog
 アメリカ大陸最古のアーティストは、現在のフロリダの地にいた氷河時代のハンターかもしれない。彫刻の施された骨を人類学者が調べたところ、1万3000年前に彫られた線描画であることがわかった。この骨にはマンモスが歩く姿が彫られており(写真上半分の拡大部分)、フロリダ半島中部の大西洋側にあるベロ・ビーチ付近で発見された。

「高級リゾート地の現状から想像するのは難しいが、氷河時代のフロリダは巨大動物と狩猟民族が行き交う土地だった」と、フロリダ大学名誉教授バーバラ・パーディー氏は語る。骨が持ち込まれたとき、「実のところこの彫刻の信憑性を疑っていた」という同氏は、大学での法医学者による調査が繰り返し行われるまではこれが本物であると認めなかった。

 同氏によればこの一連の科学調査により、骨の線描は最近彫り込まれたのではなく、動物が死んでからすぐに作られたものだということが判明した。

 さらに、長さ38センチの骨(写真下)は、マンモス、マストドン、大型ナマケモノのいずれかの骨の一部と推定される。これら3種の大型動物は、氷河時代末期の1万~1万2000年前にすべて絶滅している。

 発見者である化石ハンターのジェームズ・ケネディ氏が、骨に積もったほこりの下に彫刻が施されていることに気付いたのはごく最近のことだ。氷河時代のアート作品は、それまで何年もの間、彼の台所のシンク下に放置されていた。

「こんな大騒ぎになるとは想像もしなかった。南北アメリカ大陸ではこれに似たものは見つかったことがないと聞いたとき、ちょっと待てよ、もしかしたら特別なものかもしれないと思ったんだ」と、同氏は当時を振り返る。

 前述の人類学者パーディー氏は、「これはアメリカ大陸最初の芸術の芽生えだ。この発見をきっかけに、こういった古い骨を精密に調査していけば、将来さらなる発見につながるだろう」と述べた。

 氷河時代のフロリダ先住民族について研究しているマイアミ大学の水中考古学者ジョン・ジフォード氏は、「実際に見たわけではないが、本物かどうかは非常に疑わしい。この発見については今後、発表される(複数の専門家の評論に基づいた)学会機関誌の記事を読みたい」と電子メールでコメントを寄せた。

 しかし、今回のようなアート性のある遺物が発見される可能性は「確かに考えられる」とも付け加えた。同氏の研究は、ナショナル ジオグラフィック協会の研究・探検委員会から資金援助を受けている。

 この骨の所有者であるケネディ氏は、「売って金にするか、ゲインズビルのフロリダ自然史博物館に寄贈するかはまだ決めていない」と語った。

 一方、フロリダ大学のパーディー氏は、「最終的には博物館の所蔵となるのが望ましい。人類共通の財産と考えるべきだろう」と話している。

化学物質過敏症:10月から病名登録、70万人救済に道

2009年06月12日 06時52分26秒 | Weblog
 電子カルテシステムや電子化診療報酬請求書(レセプト)で使われる病名リストに、「化学物質過敏症(CS)」が新たに登録されることが11日分かった。

 10月1日付で厚生労働省と経済産業省の外郭団体・財団法人医療情報システム開発センター(東京都文京区)が改訂を予定している。国が公式にCSの存在を認めるのは初めて。健康保険で扱われる病名はこのリストに連動しており、改訂されれば、自己負担が原則だったCS治療に健保が適用されるため、推定約70万人とされる患者救済の大きな一歩となる。

 厚労省にCSを公認するよう求めてきた患者団体・シックハウス連絡会(東京都)によると、同省から今年5月、センターへ病名の登録を要望するように勧められた。6月1日にセンターから「CSを10月1日に採択予定になった」と連絡があったという。

 CSの一種の「シックハウス症候群」は既に健保の適用が認められている。しかし、シックハウス症候群がホルムアルデヒドやトルエンなど室内の空気汚染で発症するのに対し、CSは農薬散布やたばこの煙などが原因で室内外を問わない。このため、厚労省は「医学的に統一した見解が確立されていない」として健保の適用を原則認めなかった。

 病名リストの改訂は年4回あり、日本医学会が監修する。リストに未記載だと事実上健保扱いにならず、医師はCSに起因する「うつ病」など別の病名で診療報酬を請求し、患者は1回約2万円の治療費を負担してきた。

 同省医療課は「病名がリストになければ、レセプトに記載してはいけないとはなっていない。ただリストに載っている病名を使うほうが保険請求しやすい」という。化学物質過敏症支援センター(横浜市)の広田しのぶ事務局長は「公認は患者の精神的な支えにもなる」と話した。


・化学物質過敏症とは?

 極微量の化学物質によって頭痛や倦怠(けんたい)感など多様な症状が表れる。体内に蓄積された有機溶剤や農薬、消毒薬などが一定量を超えると発症するといわれる。一度発症すると、多種類の微量な化学物質に反応し、重症者はほとんど外出できず日常生活が困難になる。国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)の00年の調査によると、シックハウスの重症例を含む化学物質過敏症の成人患者は全国で計70万人とされる。