昨夜(1月8日)の9時39分に発生した大揺れには驚いたが、揺れている時間はそう長くはなかった。
それでも速報で震度4、マグニチュード6.4、震源は種子島近海で、深さは30キロと出たのにはもう一度驚いた。
なぜなら震度よりもマグニチュードの大きさだ。6.4は南九州で発生する地震の規模としては最大級ではなかったか。震度1の範囲が九州の佐賀・長崎県や大分県(一部の中国地方)にまで及んでいるのが何よりの証拠だろう。
種子島近海はこの2年ほど震源となる地震が多い。念のために気象庁の過去の地震情報を調べてみると、確かに2017年からは年に12回(月に一回)以上の揺れを観測している。
その中で最大級はマグニチュード5.1(震度3)で、今日の地震の100分の一以下のエネルギーでしかない。
種子島近海を震源とする地震は体に感じない震度1クラスがほとんどで、年に2~3回が2または3(マグニチュードはせいぜい4程度)だから、今回の地震の規模は突出して大きい。
種子島近海での地震の発生原因はおそらく活断層だろうから、南海トラフ地震との関連性はないと思うが、用心に越したことはない。
加えるに、同じ8日の午前10時1分には奄美大島近海でマグニチュード4.4の地震が発生している(ごく狭い範囲では震度4を観測)。
奄美近海は地震の巣といえる地域で、ここも地場の活断層によるものらしいが、種子島近海以上に地震の頻度の大きい場所だ。
小地震の頻発は逆に言うと大地震が発生しにくい条件となるので、直下型でない限り被害は極小で済む。現に奄美で地震による被害は聞いたことがない(棚からぼた餅がちょこっと落ちるくらいはあったかもしれないが)。
どちらも最大震度4で、同じ日に同じ県内で発生したとなると何やら不安がよぎるが、ともに南海トラフとの関係はないと思う。
ただ心配なのはやはり規模の大きさだ。マグニチュード6.4というのはもし南海トラフ内か日向灘方面で起きていたとしたら、もっと大きな規模の地震(スロースリップ)を誘発してもおかしくない大きさだろう。
21時39分に最初の揺れが始まり、次第に大揺れになった時、以前にあった震度4の地震の震源が日向灘であったことが頭に浮かび、「今度もおそらく日向灘だろうが、あれより大きいのじゃないか」と若干パニくってしまったのも事実。
「オオカミと少年」の寓話は単なる教訓だが、「南海トラフ地震と爺さん」の話はためになると思う。南九州なら特に日向灘沿岸(太平洋沿岸)地方の人たちは常に日向灘地震と南海トラフ地震のことを念頭において暮らして欲しいものだ。