こんな台風は経験したことがない!
小学生4年生のころだったか、伊勢湾台風というのがあって、それが東京まで足を伸ばしてきたことがあった。
真昼間に台風の目に入り、それまで強風と雨が降り続いていたのが急に止んで空の真ん中に青空が見えた。
これには子供心にもびっくり仰天したものだ。
それ以来、夏から秋にかけての台風をもう60年近く見続けてきたが、今度の台風12号にはさらに驚かされた。
何しろ、関東のはるか南の海上で発生した台風ならこれまでは黒潮の流れに乗って北東へ進んでいくのが当然だったのだが、何と突然西北に向きを変えて黒潮の流れに逆らうように東海地方に向かい、とうとう三重県の伊勢市付近に上陸したのだ。
しかも上陸後はそのままほぼ真西へ、奈良県から大阪、兵庫、岡山、広島…と直進し、最後は福岡県豊前市当たりに再上陸した。
ここまででもかってない未曾有の事態なのに、さらに九州を抜けてそのまま西の東シナ海方面へ進むかと思いきや、今度は対馬海流に逆らって南へ、ちょうど甑島を通過して薩摩半島の海岸沿いに屋久島あたりまで南下した。
幸い台風の勢力は強くはなく、通過した地域で死傷者はなかった。
台風は30日午後6時現在、屋久島の南から屋久島種子島を包み込むように反時計回りに回ったあと、南シナ海へと進むようだ。
何とも不可解な台風だ。