鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

終戦記念日2023.8.15

2023-08-17 09:19:07 | 日本の時事風景

今年も終戦記念日がやって来た。

武道館では各県遺族代表が参加して行われるはずだったが、台風7号が紀伊半島に接近し上陸しそうだということで進路に当たる10府県の代表者が来られなかったという。

台風7号は現実に当日の午前5時頃に、紀伊半島和歌山県の潮岬あたりに上陸し、そのままほぼ一直線で和歌山市付近を通過し、淡路島の北端をかすめて兵庫県に再上陸し、県内を北北西に進み日本海に抜けた。

先の6号台風は沖縄付近でくるりとUターンして東行し、奄美を抜けてまた北西に大きく向きを変えたが、あれもこれまでにない不可解な動きだったが、7号台風は対照的に太平洋側から列島のど真ん中を南から北へまっ直ぐ貫くという、こちらはこちらで唖然とするような直球路線だった。

終戦記念日の戦没者追悼式典は正午に開催されたから、台風7号は紀伊半島に上陸してそのまま北北西に進み和歌山市に差し掛かるころだったわけだ。

ほとんどの台風はこの時期には沖縄から奄美群島を通り、南九州から北部九州への進路を取るのだが、7号台風は異例中の異例な進み方をした。ために大阪や名古屋の国際空港や新幹線を利用しようとしていた旅行客や帰省客が足止めを食らい予定が大きく狂ったようだ。

譲位後の新天皇ご夫妻が全国戦没者の追悼碑の前で「お言葉」を読み上げるのはこれで5回目だが、もうお馴染みの光景となった。

今年は残念ながら10の府県からの参加者が台風7号のために来られなくなったうえ、戦没者の父母に当たる人たちの参列が無かったそうだ。時の流れというのだろう。致し方ないことである。

亡くなった310万という多くの御霊にロシアによるウクライナ戦争がどう映っているだろうか。

「大義亡き戦争は止めよ」と言うだろうか。おそらくそうだろうと思う。

今時ロシアのプーチンの言う「東部4州に住むロシア人迫害阻止」つまり「居留民保護」という大義は通用しないはずだ。彼らは自由意志によってそこに住んでいるはずで、強制的に住まわせられているのではないからだ。

先の大戦における日本の「大義」は何といっても「ヨーロッパ列強からのアジアの解放」であった。もちろん拙速だったり、功名合戦だったりしたきらいはあるが、日本軍民の「天皇の軍隊(皇軍)」としての規律と誇りは全軍に貫かれていた。

南京でシンガポールで日本軍は「悪辣の限りを尽くした」などと言われているが、日本軍の「天皇の軍隊としての規律」はしっかり保たれていたのだ。

それに比べると終戦後に満州に侵入して来た旧ソ連兵の悪逆非道は話にならない。婦女暴行は勝者当然の権利だったそうだからたまったものではない。

今度の戦争ではウクライナの婦女子に対しての暴行はワグネルという民間軍事会社の社員が行ったのだからロシア政府は関係ない、と、しらを切るつもりなのだろうか。

アメリカもベトナム戦争ではそれに近い非道を行った。アメリカはベトナム戦争の勝利者ではないのだから、本来なら、べとちゃドクちゃんの件を含めてきちんと戦時損害賠償をしなければならなかった。

どっちもどっちだが、戦争は2度と起こしてはならない。

日米安保があることによって米国の対中敵視政策に加担し、かりそめにも日本がアメリカの対中戦争の「盾」になってはならない。

 

 

 


長崎平和祈念式典2023

2023-08-13 10:13:12 | 日本の時事風景

9日の長崎平和祈念式典について書こうとしたら、9日の午後から我が家のWi-Fiが使えなくなっていた。どうやら前日から始まった台風6号の強風のなせる業だったようだ。

翌10日の夜中の1時頃だったと思うが、さらに強まった風のためどこかの電線が不具合を起こしたらしい。停電さえ起きてしまった。これは約7時間くらいで復旧したが、早速パソコンを開いても「接続が確認されません」の表示。

我が家のある地域は1年前からようやく光通信の配下に入り、あまり実感はないが「高速通信」の恩恵に預かるようになっていた。

それよりとにかくインターネットにつながなければブログは書けない。そこで契約している@ニフティに連絡したところ、たしかに回線の不具合で接続が阻害されており、結構広い範囲で接続障害があり、回復には3週間ほどかかる――という。

ー冗談じゃない、自分なりにブログの更新を3日以内としているのだ、それが3週間とは!―

と心中穏やかならず、それじゃあと鹿屋市内で公共のWi-Fiが使えるところを探したら、鹿屋市の市民交流センター「リナシティ」の情報室に行き着いた。そこでいまこれを書いている。

さてテーマの長崎平和祈念式典(正確には長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典)だが、被爆78周年の今回の式典は、我が家に軽微な被害をもたらした今度の台風6号の進路に当たるため、60年ぶりに屋内での式典になったという。

会場の「出島メッセ長崎」に集った被爆者・遺族等の関係者はわずか40名余りだったそうで、岸田首相はじめ各国の参列者は皆無という寂しさであった。

敵国人であり異教徒でもある日本人を原爆の犠牲に供したのはアメリカ人の「人種的優越心」が後押ししたことは間違いないが、彼らにとって誤算だったのは、浦上天主堂に集い朝のミサに参列していたキリスト教徒の日本人までも、天主堂と共に抹殺したことだった。

アメリカはしまったとばかり、長崎市に浦上天主堂の再建を申し出たのだが、長崎市はこれを断っている。

そのため浦上はそして長崎は、アメリカにとって鬼門と化した。自分の知り得る限り、駐日大使で長崎を公式に訪問したのは、民主党オバマ政権下のあのケネディ家の娘キャサリン・ケネディしかいない。

チェコのプラハで核廃絶を訴えてノーベル平和賞を授賞したオバマ大統領の下だったから、ケネディ女史も「勇を鼓して」長崎を訪れることができたのだろう(ただし当のオバマ大統領は広島は訪れたが長崎には行っていない)。

原爆投下についてアメリカでは終戦直後では80パーセントを超える支持者がいたのだが、今日はほぼ50パーセントまで低下している。低下したのはやはり核廃絶を訴えたオバマ大統領の影響と、戦争を知らない世代が大半を占めるようになったことが大きい。

それにしても今回、各国の大使の参列取りやめでホッと胸をなでおろしているのはアメリカ大使館ではないか。浦上天主堂の惨劇は彼らの心に重くのしかかっているはずだ。各国大使、とくにキリスト教を信奉している国の大使には見てもらいたくない戦争遺跡なのだ。

今朝の関口宏サンデーモーニングでは、米軍が原爆を投下するための試験として原爆に似せた「パンプキン爆弾」を数か所で実際に日本人の頭上に投下していた――という情報が流されていた。

実際に愛媛県の宇和島市に落とされたパンプキン爆弾によって17名の死者が出たという。皇居の近くにも落とされたというから無差別も極まりない。

また、終戦の日の2,3日後にも三つ目の原爆を落とす予定だったらしいことも分かっている。

広島のウラン型原爆でその日のうちに約15万、長崎のプルトニウム型原爆で約10万が死亡、今日までに双方併せて50万が犠牲になっている、たった2発で。

「長崎を最後の被爆地に!」という声を絶やしてはならない。

 


台風6号の進路は逆Z

2023-08-08 15:24:02 | おおすみの風景

今月初めに発生した台風6号は沖縄本島の南をかすめてそのまま中国大陸に進むのかと思いきや、何と先島諸島を過ぎてから急激にUターンし、今度は沖縄本島の北の海上を東に向かって進んだ。

そのまま東へ奄美大島近海を通り抜けたあと、太平洋上で北に進路を取り始めた。

これを書いている今現在、台風の中心は屋久島の南海上にまで北上し、予報では屋久島の西側をさらに北へ進み、九州南部薩摩半島の西側の東シナ海海上をやや西に進路を取りつつ北上して行くという。

気象情報による台風6号の軌跡をたどると、何と、逆Z型である。見た目であのロシアのウクライナ侵攻作戦における車両標識Zと同じとは、気色が悪い。

昼食の時点ではさほどではなかったが、1時頃になると急激に東風が強まり、それに乗った雨が横殴りに降るようになった。いよいよ暴風圏に入ったらしい。

庭の向こうの合歓の大木も、手前の吉野桜も、東からの強風で大きくしなっている。

台風の大きさは中心の気圧が970ヘクトパスカルで最大風速は35mとそう強い台風ではないが、進行速度が非常に遅く、そのため東寄りの強風によって太平洋からの暖かく湿った風が長い時間吹き付ける。

下手をするとその強風がピンポイントで同じ地域に雨をもたらす「線状降水帯」が発生しはしないかと、テレビの避難情報と同じくらいの頻度で画面の下の部分に表示されている。

今のところ線状降水帯が発生したという情報はないが、「避難指示」が出されたという自治体の数は膨れ上がっている。当地鹿屋では「高齢者避難指示」(レベル3)が出された。

お隣の宮崎県都城市では午後2時にその上のレベル4の避難指示が出されたが、大雨による雨量が明日までにさらに300から400ミリ増えるという気象情報に敏感に反応したのか、あるいはもう大淀川水系のどこかの河川が氾濫ラインを超えそうなのか定かではないが、全市避難とは驚かされる。

大隅半島では今夜から明日の未明にかけて台風の影響が最も強くなりそうだ。被害が最少であることを祈るしかない。


広島平和祈念式典2023

2023-08-06 18:46:36 | 日本の時事風景

広島への原爆投下から78周年の今年は、5月に広島出身の岸田総理のホストの下でG7が開催され、G7各国首脳とウクライナのゼレンスキ―大統領が原爆資料館を訪れたことで話題になった。

ここで岸田総理が自分が音頭を取って核廃絶に向けての工程表でも発表すれば、被爆地広島出身の政治家としての面目が立とうものを、相変わらず「アメリカの核の傘(抑止力)」を認め、それに依拠する姿勢を変えないものだから、世評はすこぶる悪い。

国際的にもこの日本の立場は理解不能に近く、極端な見方では「核の傘は日米同盟を前提にしているのだが、日米同盟をやめたら今度は日本が核兵器を開発し、広島・長崎の仇を取るに違いないから、アメリカが日本に核兵器を持たせないようにしているのだ」というような国際感覚もあるくらいだ。

日本が仇討ちなんてすることは金輪際あり得ないし、仮に日米同盟が廃棄されても日本が核兵器を持つことは国民感情が許さない(国際的にも否定される)。

松井広島市長に続いて壇上に立った湯崎広島県知事は、日本が核廃絶に向けて積極的に取り組むことが何としても肝心なことであり、被爆死亡者への慰霊の最たるものということを明確に述べていた。

原爆投下について一般アメリカ人の認識の大きな部分は「原爆投下によって終戦を早め、無用な戦闘による戦死者を皆無にした良策だった」というものだが、米兵の間では例の「リメンバー・パールハーバー」の掛け声の下、一種の「仕返し」感が支配していた。

パールハーバーの仕返しはその後の戦闘で十分に満足させられている。ガダルカナル以降の兵隊同士の戦闘による戦死者は国際法上合法で、その線での日本軍への「仕返し」は済んでいたはずだ。

ところがその後の沖縄本島上陸の際の沖縄住民に対する攻撃から始まる日本本土の一般市民に対する「無差別爆殺」は戦時国際法では許されないものであった。まして広島・長崎への原爆投下においておや。

ここまでひどい一般市民への爆弾投下は、「仕返し」を通り越してアメリカ側の有色人種への差別感情抜きには考えられない。

人種のるつぼと言われるアメリカだが、各人種の「主権」が守られるようになったのは、ベトナム戦争終結の1975年以降のたかだか50年に過ぎない。

「たかだか50年に過ぎない」からと言ってそれ以前の人種差別への「仕返し」は許されるかというと、そういうことにはならない。ベトナム人がそうだし、日本人もそんな怨念はとっくになくなっている。

今のところ対抗手段の核兵器を持ってアメリカを叩いてやろうと考えているのは北朝鮮の親分以外にない。


大麻問題と「神宮大麻」

2023-08-03 19:27:44 | 日本の時事風景

昨日から報道されている日本大学のアメリカンフットボール部の学生寮での「大麻問題」では、ついに今日、警察が大麻違法所持と覚せい剤違法使用の疑いで選手が住む寮に家宅捜査に入った。

これと時を同じくして、今度は岐阜県瑞穂市にある朝日大学のラグビー部員の数人が、大麻を所持しかつ販売した疑いで書類送検された。

夕方のテレビ報道によると、昨年、大麻の違法所持・使用で検挙された人数は5000人を超えており、その内、約70パーセントは20歳台以下だそうだ。

若者の検挙数が増えているのは、おそらく新型コロナによる孤立閉塞感とスマホを通じて違法薬物へのアプローチが容易になったことによるのだろう。

上の二つの例は違法薬物の大麻が学生にまで広がってきたことを端的に示すもので、改めて危機感が浮上して来る。取り締まり当局の活躍を願う。

さて、ここで話はガラッと変わる。

毎年初詣に出かけた際に、神社の社務所で「神宮大麻」と白い封筒のような袋に赤い字で印字された御札を購入して帰るのだが、この印字の「大麻」が気になって来た。

今年の初詣で購入した「神宮大麻」。今年は特に神宮大麻が伊勢神宮から全国へ頒布されるようになってから150周年ということで長い印字になっている。

私自身は常に「神宮の御札(おふだ)」と言い慣わしているのだが、この正式名「神宮大麻」の意味を調べると「大麻」は「おおぬさ」と読むべきらしい。

大麻(おおぬさ)は神に捧げる「幣帛」(へいはく)のことで、「幣(へい)」はもともと植物の麻を意味し、「帛(はく)」は絹か綿の布のことだそうである。

神前で祈る際にはこれらの供物を捧げてから祈るのだが、時代の変遷でいつのころからか榊に紙製の紙垂(しで=和紙を折り畳んで途中途中にカットを入れ、階段状にひらひらさせた物)を付けるのが主流となった。

今日では神官が祈祷に訪れた氏子などに対して一寸くらいの太さの丸棒に撚った麻糸を多数垂らし、さらに棒の先に長めの紙垂を取り付けた物を祈禱者の頭上で左右に振る所作を行うが、これは「ぬさ」と言っている。

「おおぬさ」も「ぬさ」もどちらもそこに神が宿るという意味では変わらないが、「ぬさ」は祓いの神が宿り、「おおぬさ」は祈祷の対象の神が宿るという違いがあるようだ。

初詣の時に神社の社務所で頂く「神宮大麻」は伊勢神宮の至高神アマテラス大神が宿り、我々のその年の日常を見守ってくれ、またこちらから至誠を込めて祈れば通じる可能性があるいわば「相互受信装置」というアイテムである。

その極めて大切な装置である「御札」の名称が「大麻」となると、たいていの人は「タイマ」と読み、例の違法薬物の大麻と読みを重ねてしまうのが現状である。うーんとうなってしまうのは私だけではあるまい。

そこで「神宮大麻」の名称そのものを変えるか、もしそれはできないとあらば「じんぐうおおぬさ」というルビを施してもらいたいと思うのであるが、どうだろうか。

今日では諸外国からの旅行者が多く日本を訪れ、そのうち少なからぬ人たちが伊勢神宮を訪れると思うのだが、お土産にこの「御札」を買って帰る場合もあるに違いない。

そうした際に「大麻問題」がマスコミをにぎわしている現状を知り、土産の御札の白い袋に赤く「神宮大麻」と印字してあるのを見てぎょっとしはしまいか。

やはり「神宮大麻」という名称そのものを変えるのが良いのではないだろうか。例えば「神宮御幣(ごへい)」のように。