奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

夜空に思ふ……

2012-06-07 | 心詩~こころうた・己
忘れていたこと
ふと 思い出す

幼き日
星に憧れ
月に憧れ
天文学者になりたい
そんな夢を抱いていた

忘れていた思い
ふと よみがえる

いじめられても
いじめられても
痛覚のない者のように
なにを感じることもなく
学校へ通いつづけた


大人になった私は
なぜ こんなに
弱くなってしまったのか

大人になった私は
空を見上げることさえ
忘れてしまっていた

痛覚を遮断する方法が
心にバリアを張る方法が
分からなくなってしまっていた

人生に打ちひしがれる私を
星は 月は
あの頃と変わらぬ煌めきで
見守りつづけてくれていたのに


夜空を仰ぐとき
幼き日の思いが
胸の奥を駆け巡る

あの頃の痛みなど
もう 思い出すこともできないが

星に憧れ
月に憧れ
遠く 遠くまで
無限の宇宙へと馳せた思いは
少しも色褪せることなく


孤独などではない
居場所なら ここにある
ここで生きよと生まれたのだ

ひとつひとつの命が背負う
運命を見守る 宇宙の煌めきよ

私が星になる日まで
どうか あなたの子供のように
その懐に包み込んでいて欲しい

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