昨日は午後から雨が降り出し、今朝も雨でした。木枯しも昨日から吹いていましたので、これで殆どの紅葉が終りを告げたみたいです。今年の銀杏はなかなか黄葉しないなあと思ってたら、ちょっと見ぬ間に黄葉して、あっと言う間に散ってしまいました。あっけな~い!
一昨日の11月20日(土)、「きらら俳句教室」の第7回目を、いつも通り9時30分から実施しました。この日は風もなくて暖かな〝小春日和〟そのもの。2名欠席の、参加者12名と一緒にレンジャーのIさんの案内でいつものコースを約1時間ほど巡りました。
今年はもしかしたら暖冬なんでしょうか。それとも予報通りにこれから急激に寒くなるとか…。とにかく生物の生態系にも地球温暖化の影響がいろんなところに出ているような気がします。例年なら海桐の実がこの時期は殆ど弾けて、赤い種子をさらけ出しているか、もう枯れ落ちて終っているかなのに、なんと今から弾ける実がたくさんありました。更には茱萸(ぐみ)の花が満開かと思うと、片や赤く熟した実が生っていると…。それを一人が食べてみると我もわれもと…。それで私も一粒、ワッ、渋い!でも甘酸っぱさもありましたから、食べられないことはないけど…。
この茱萸も俳句では、秋に実を付けるものを「秋茱萸」、夏に付ける実は「夏茱萸」、春になると「苗代(なわしろ)茱萸」と、いろいろあります。が、単に「茱萸」というときは秋の季語になりますので気をつけて。
茱萸噛めば仄かに渋し開山忌 川端茅舎
鳥では…カモ類が殆どで、今回はまだマガモ、ホシハジロ、カイツブリぐらだったかな。後はカワウにアオサギ、ダイサギ、コサギ、空にはトンビと、あまり珍しい鳥には出会いませんでした。でも、こういう枯れの景色の中でのんびりと気持ちよさそうに湖に浮かんでいる水鳥たちを見るのは心が癒やされますね。でもこれが小春日和だったからいいのであって、真冬の嵐の時だったら…震え上がってそんな暢気なことは言っておられないでしょうが。写真は逆光で暗くなって、鴨ははるか向う岸でしたし…これでは分りませんね。
最後、ビジターセンターのそばまで戻って来て藪の中にウグイスの姿を発見。しきりに〝チャッ、チャッ〟という地鳴きが聞かれました。このウグイスの地鳴きを俳句では「笹鳴き」というんですよ。また、そのウグイスのことは「笹子」といって、次のように詠みます。
二三日ちらつきゐしが笹鳴けり 水原秋櫻子
笹子鳴くいま来し道に日の当り 神蔵 器
さて、11時前に教室へ戻り、11時には投句して句会です。見れば皆さん随分と上手になられました。考えてみれば、このきらら俳句教室は昨年から始めたものですから、まだ長くても1年と7ヶ月、おまけにコロナのせいで2、3回は抜けたりしていますので…ネッ、スゴいでしょう。
今回の最高点句は〈幾重にも羽音響かせ鴨の池〉でした。他にも〈鴨描く水尾どこまでも伸びにけり〉や〈背に日射し浴びつつ笹子鳴きにけり〉〈みな下を向きたる冬のぐみの花〉など、吟行で見た景をしっかりとものにしていました。この調子では今後の上達が楽しみです。これからもガンバッテ下さいね。
写真は、まだこんなに美しく咲いていた萩の花、南京櫨(はぜ)の紅葉の名残、かくれみのの実です。