今日は二日…これも立派な季語なんですよ。歳時記を見ますと、〝元日が家族のみで過ごす印象が強いのに比べ、「二日」は、初荷、初商い、掃初め、書初め、縫初めなど、行事が多い。これは、この日が初仕事の吉日とされていたためである〟との説明。
留守を訪ひ留守を訪はれし二日かな 五十嵐播水
元日は、大晦日の夜は遅く寝たので朝起きるのも遅く、その後ゆっくりとお屠蘇(とそ)やお節をいただいたりして、家でのんびりと…そういうのが確かに我家の定番でした。せいぜい午後くらいから近くの氏神様に初詣へ。当然お酒を飲んでいますのでブラブラと歩いて…と。
ところが、この二年間はコロナ禍のためにそれさえ出来なくなって、新年の過ごし方のスタイルも変ってきたような気がします。でも、いい習慣や伝統はこれからもズウッと残していきたいものですよね。
さて、二日になると色々なものが動き始めて、上掲句のように、新年の御挨拶(御慶)へと出掛けると相手も出掛けていてと、みんなが何かをし始める日だったんです。
それで私は…昨日の続きを書くことにしましょう。ホテルに1日の16時前に着くと、京都から義弟たちは既に来ていました。義弟夫婦には先月逢いましたが、その子の甥夫婦と子どもたちには…はて、何年ぶりでしょうか。お婆ちゃんも久し振りで…、とにかく大喜びです。
夕食は焼肉の食べ放題なんですって…元日から豪勢なものです!総勢11名ですからそれはそれは…当然ですが、負けずにお婆ちゃんの食欲も全開!もう満腹で、食べられませ~ん!というまで食べました。
「初湯」にも夜と朝と2回も入ったし…でも「初夢」は見なかったかな。一応近い所だけどこれも「初旅」だし、お土産を買って「買初め」もしたし…何処へ行っても何をしても季語の宝庫でした。
この写真は、「初日の出」ならぬ〝二日の日の出〟…とても綺麗でした。夜は気温が低かったのでしょう、朝氷が張っていましたから。でも快晴!
義弟達は今日広島へ行ってそこで一泊、その次の日に呉に寄り大和ミュージアムを見て京都へ帰る予定だと。それでホテルを10時チェックアウト後、午前中は一緒にこの近隣の三社を巡って「初詣」しょうと。それから昼食を取ってから別れることにしました。
行ったのは、「別府八幡宮」「平原八幡宮」「松江八幡宮」の三社。別府八幡宮は先日の吟行で行った山陽小野田市・有帆地区の氏神さま。平原八幡宮は宇部市際波地区の氏神さまで、松江(しょうごう)八幡宮は宇部市黒石地区の氏神さまです。しかし、どこもそれほど人が多くてという程でもなく、まあまあでした。足の悪いお婆ちゃんもちゃんとお参りできたんだし…これぐらいでいいのかもね。
最初は、注連縄が一番大きい別府八幡宮。ここで今年の「破魔矢(はまや)」を買いました。
次は平原八幡宮。アレッ、注連縄が何か変じゃない?よく見れば神鈴の紐を鳴らさないよう柱にくくりつけてあるのでした。そういえば、別府八幡宮も神鈴だけで紐が取付けてなかったです。全てコロナ禍のせいなんですね。ここには恐らく「年の火」の名残でしょうか。まだ榾(ほた)がくすぶって燃えていましたね。年の火というのは大晦日の夜から榾木を絶やさずに焚き続けることです。実は〝榾〟も冬の季語なんですよ。
最後の松江八幡宮。ここの注連縄は最近増えてきたビニール製のもの。やはりこれでは風格がないですよね。神殿に今年の干支の〝寅〟の字が下がっていました。
〈めでたさも中くらいなりおらが春〉という一茶の有名な句がありますが、まさにその通り。〈おらが春〉が新年の季語で、初春のことです。最後の松江八幡宮で引いたトラのお御籤…これも「初神籤」で季語ですが…運勢は〝吉〟で〝種をまき水をやれば芽が出る像。自ら光のなかに進み、人を驚かせることも花咲かせる要因になる。経験積み失敗をも後に生かせ〟なんだと。まあ、そんなものでしょうね。これでこの一年が無事に過ぎてくれれば御の字ですよ。感謝しなくては…ね。
と、こういう状況で二日も無事に終りました。この日の暖かさ…というよりこのうららかなお正月は本当にアリガタイこと!私には何よりの「お年玉」になりました。明日も晴天みたいだし、嬉しい!