ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

紅白の南天の実

2017年12月23日 | 俳句

 昨日は「冬至」でした。二十四節気の一つで、一年中で最も日が短いんです。古代中国ではこの日から陽気が復するとして「一陽来復」と呼びます。また、この日には粥や南瓜やこんにゃくを食べたり、柚子湯を立てて入ったりする習慣があります。

 南瓜は保存がきき、栄養価も高い。さらに運を呼び込む「運盛り七種」の一つですので、無病息災を願って食べます。冬至粥は、小豆の赤い色が邪気を払い魔除けになるし、栄養価も高いから。こんにゃくは「砂おろし」と言って、体の中の悪いものを出すのに精進料理で僧たちが食べていたのが民間に広まったもの。冬至風呂、すなわち柚子湯は、江戸時代に銭湯ができ、客寄せに始まったものですが、その強い香りで身を清め邪気を払い運を呼び込むため、また体が温まり代謝が良くなるので風邪予防になるとか、語呂合わせで、湯治(冬至)をして融通(柚子)がきくようになるからなどと考えたんだそうですよ。昔の人はエライですよね~。専門的知識や科学的根拠が何もなくてもちゃんと理に叶った〝くらしの知恵〟を身につけていたんですから。それだけ長生きするということが難しい時代だったんだということでしょう。今日のように、ものすごい長寿時代になったのに、その命を粗末にするような話を聞いたら怒るでしょうね。バカヤロウって!怒れ、怒れ!人間怒るときには怒らなくっちゃ~ね。

   残る日の柚子湯がわけばすぐ失せぬ     水原秋櫻子

 水原秋櫻子の句です。(昭和20年作、句集『重陽』)故水原春郎前主宰の鑑賞文(『秋櫻子俳句365日』より)を見てみましょう。

 父は二十四節気を大切にしていた。即ち自然を大切にしていた証拠でもあろう。

 戦争が終った年のことだから、世の中そんなに明るいと言えず、未だお先真暗だった。食物にも苦労していた。小田原に父の姉がいたので、柚子はそこから貰ったのかも知れない。八王子時代の風呂は五右衛門風呂だったが、そこに一つ、二つの柚子が浮んでいる。たっぷりした湯に首までつかり、この一年の激動に思いをはせる。ああ、あと数日で今年も終るのかと寂しい気がしないわけではない。数え日という言い方もあるが、ここでは「残る日……失せぬ」とせねばならない。

 私にも以前闘病をしていた頃に〈一陽来復信じ南瓜に刃を入れぬ〉とか〈長病みに夫炊きくれし冬至粥〉などと詠んだ句があります。この日が来ると、これからはきっと良い方へ向いていきそう…と何となく思ってしまうんです。私、結構何でも信じやすいタイプ!

 でもその信心のお陰で今があると、心から思っていますから。それは普通では理解出来ないような不思議な体験をたくさんしたからなんですよ。父も母もとても信心深い人でしたもの。有り難いといつも思っています。

 我家の紅白の「南天の実」です。これは秋の季語ですが、冬になってからの方が色が良くなりました。この木も昔から「難を転ずる」という意味で、縁起のものとして庭木に植えられ、箸にも加工して使われました。紅白だからお目出度いとも言えるでしょうね。

 

 


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