先日嬉しいことがありました。俳句文学館の会報に第24回俳人協会「俳句大賞」の発表があり、その大賞に…もちろん私ではありませんよ!ご心配なく。(笑) わが馬醉木の若手俳人・大場ひろみさんが受賞されたんですよ。彼女には何度もお会いしたことがあるし、かつて若手の勉強会でもご一緒したことがありますし…本当に嬉しいことです。その句はというと、これです。
月涼し母の命の番をして 大場ひろみ
この賞は、俳人協会員を対象とするもので、今回の応募総数は6906句。これが5人の予選選者によって971句に絞られ、さらに8名の本選選者がその中から特選3句・入選20句を選出し、所定の選考会を経て、大賞1名・準賞1名が決定されたんです。私の知る限りこの賞を馬醉木の人が取ったという記憶はありません。その選考会におけるこの句を特選に選ばれた選者の講評をご紹介しましょう。
高田 正子「お母様はもう長くないのでしょう。ご病気かもしれないし、かなりのお年なのかもしれません。その母を看ている子のほうももう若くはないのでしょう。そういう状況にありながら、順縁で送るまっとうさと申しましょうか、達観したところがあります。それが『月涼し』のゆえんかなと思いました。でも、番をしていないと今にも消えてしまいそうな命なのです。静かですが、ぐっとくるところのある句だと思いました。」
大石 悦子「『命の番』に心を打たれました。母そのものの番人になっているような様子が命がけで、母に対する愛情とか、介護している自負があらわれている。『月涼し』というさりげなさで、かえって深い心のありようが出ています。」
ちなみに準賞は、小田切アヤ子さんの〈くろがねの音たて洗ふ寒蜆〉でした。おまけに…(笑) 私の句も今瀬剛一選で入選したんですよ。ウレシイ!その賞品として俳人協会の〝俳句手帳〟が送られてきました。句は〈咳払ひして来る父の日なりけり〉。オソマツでした!
珍しい木に出会いました。この花…何かに似てる…ウ~ン、馬醉木?イヤ、ブルーベリー?イヤ…すると、傍で手入れをしていた人が「ストロベリーツリー」と教えてくれました。ワ~ッ、ホント!苺みたいなのが成ってるよ!
これは、その名の通り和名で「苺の木」ですが、ツツジ科のイチゴノキ属の常緑樹。地中海沿岸からアイルランドに自生する風などに強い木だそうです。晩秋に壺形の小さな白い花を咲かせ、果実は年を越し翌秋に緑から黄、オレンジ、赤へと変化しながら晩秋に成熟する。ということは、この写真の赤い実は去年の花の果実。今年の花と去年の実が一緒になる珍しい植物です。実は食べられるそうですが、味がないとのこと。普通は白い花ですので、これは「赤花ヒメイチゴノキ」の花なのでしょう。