ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

〝立春大吉〟ですよ!

2020年02月04日 | 俳句

 今日は立春、そう〝立春大吉〟なんですよ。みなさんよくご存じの通り暦の上でこの日から春になります。現実にはまだまだ厳しい寒さが残っている時ですが、やはり気分的には…いや意識的かも。頭のどこかにもう春だという文字がちらついて、ものを見る目にも変化が生じるのかもしれません。

  雨の中に立春大吉の光りあり        高浜虚子

 この句の季語は「立春大吉」、立春の日に禅寺の門に貼る紙札の文句です。長さ約30㎝、幅約12㎝の紙片に書き、読経祈祷して、この紙片を檀家に配布するという、道元が伝えたものなんだそうです。

 昔は旧正月との兼ね合いもあって立春が一年の始まりと考えられていました。新しい年を迎える立春の早朝、禅寺では〝その一年がいい年でありますように〟との願いを込めて、この白いお札を入口に貼るのです。虚子はその光景を見ていたのでしょうか。折しもその日は雨が降って春とはまだ名ばかりのとても寒い中、その文字の書かれた白い札だけがまるで光りを放っているかのように見えた…即ちやがて来る春の耀きを予感させるように感じたのかも知れませんね。

 更にこの句は、字余りというにはちょっと多すぎ…6/9/5の破調の句なんです。上五の字余りは許されますが、中七の字余りは絶対に避けよと教えられてきました。では、この句はどう受止めればいいのでしょう。〝立春大吉〟という季語そのものがもう8音ですから、助詞などをつければさらに増えますし…。これとよく似た季語に「一陽来復」という冬至の時の季語もあるんですよ。こういう長い音数の季語を使いこなせるのもやはりベテランなればこそですが。でもこの句、意味も変わりませんから上五を〈雨の中〉として5音で収めることもできたんです。しかし、そうすると中七が異様に膨らんでモタモタした感じになるでしょう。そこを考え敢て上五も字余りにしてバランスを取ったと考えてもおかしくはありませんよね。このゆったりとしたリズムでもう一度読んでみて下さい。音数に縛られない大きな定型のリズムというものを感じませんか。ちょっと難しくなりましたね。俳句では字余りはいけないとか、でもこれはいいとか…もうはっきりしてよ~と、言いたくなるでしょう?そこが文学でもあるのかと私は思うのですが。もし絶対にこうでないといけないと言われたとしたら…文学が数学のように「1+1=2」だと、答えが一つに決まっているものなら面白くも何ともないでしょう。誰が書いても、何を書いてもみんな同じものになってしまうんですもの。

 要するに大きくいえば、文学…イヤそれに限らず芸術というものは、〝みんなちがってみんないい〟なんですよ。それが個性!

 昨日は、義母が一緒でしたので、人の多い琴崎八幡宮はやめて、先ずはお参りの少ない「出雲大社」へ。そこで豆のくじを引くと、主人だけが最後の等に一つだけ当たっていました。賞品はティッシュ1箱。ああ、ここは縁結びの神様ですので境内には夫婦楠も…。今回初めて気が付きました。

 次は節分には初めて行く「南方八幡宮」へ。ここはもう午前中に豆撒きが終わったとかで、豆はなかったのですが、お接待のぜんざいをいただきました。甘酒もありましたが、それは出雲大社でいただきましたので遠慮。ここには初詣の時に来たことがありますが、いつも大きな焚火をしていますので、今日も消防自動車が待機していました。火に竹の弾く音がとても威勢が良く、まるで春を呼んでいるよう…。人出はまあまあでした。

 最後は恒例の「中津瀬神社」です。ここは豆茶と福あめが目当てですが、豆茶は接待ですのですぐに頂けます。福あめはくじを買いますが、去年のブログを見ると1本150円。それなのに今年は200円と値上げ。せっかく5本も買ったのにナント、ナント今年は全滅。義母や義弟も5本ずつ買いましたがこれも全滅。主人は3本しか買わなかったのに、その1本が大福あめでした。クヤシイ!やっぱりくじ運は今年もよくなさそうです。それで恵方巻だけ買って、家で食べようと。ここは町中にありますので、一番賑やかなところ。まだ夕方でしたのでこの程度でしたが、夜になると豆撒きもあったりして人で溢れかえります。商店街も日頃は閑散としていますのに…これ、このとおり…

 さあ、これで節分も無事に終わりましたので、この新しい年も〝立春大吉〟、間違いなしかもよ!

 


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