ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

〝きらら俳句教室〟の第4回目で~す!

2024年07月25日 | 俳句

 昨日は7月24日、そう、〝土用丑の日〟だったんですよ。となれば、当然〝鰻(うなぎ)〟を食べる日…。勿論私も鰻が大好きで、この日を楽しみにしているひとりだったんですが、これは本当に人間の身勝手な都合であって、鰻さんたちから言えば一族の最大の〝受難の日〟なんですよね。

 そんなことを考えていたら金子みすゞの「大漁」の詩※を思い出して、〝生きる〟ということの罪深さを思わずには居られませんでした。

  命けふ鰻胆食べ虔(つつし)めり    籏 こと

 だから、歳時記の例句を見ていたらこんな句が目に付きました。命あるものを頂いて生きながらえる私たち人間は、心からの感謝と敬虔な気持をもって有り難く頂かなくてはいけませんよね。また、こんな句もありました。

  一気に書く土用うなぎの墨太く    吉田北舟子

 そう言えば、俳画を習っていた時こんな絵を描いたことがあったなあと懐かしくなりました。絵を描く分には何枚描いても罪にはなりませんからね。この〈一気に書く〉というのが難しく、更には〈墨太く〉というのも。筆に含ませた墨が少ないと掠れすぎるし、多すぎると滲んでしまう。だから生きのいい美味しそうな鰻を書くのは難しい!墨一色というのは特に濃淡が大切ですし…。

※ 大漁

 朝焼小焼だ/ 大漁だ/ 大羽鰮(おおばいわし)の/ 大漁だ。
 浜はまつりの/ ようだけど/ 海のなかでは/ 何万の/ 鰮のとむらい/ するだろう。

 さて今日は、先日(7月20日)の土曜日に行いました〝きらら俳句教室〟第4回目の報告をしますね。

 この日はやっとこちらも梅雨が明けたという暑い日でした。いつものように9時30分より開始。外への吟行は出来るだけ短くして、後は涼しい室内でということで、いつものコースを歩きました。

 先月とは打って変わって、今月はどこを歩いても〝蟬しぐれ〟が降ってきます。そういえばレンジャーのHさんが〝今年は燕(つばめ)がとっても少ないんですよ。燕の塒入(ねぐらいり)観察会を先週する予定だったのに燕がいなくて、それで今日の夕方からにしたのです。それなのに昨夕下見をすると30羽ぐらいで。例年だと500羽は普通、多い時は1000羽以上という観察が出来るんですけどね。今年は何もかもおかしくなってるみたいで…〟と。このように異常気象が今や地球上のあらゆる生物に影響を与えているのだということを知ると、これから先のことがとても怖ろしくなりますよ。

 さて、今回も新しいことを三つも知ることができて、大いに感動しました。

 その一つ目は先ず「蟬(せみ)」のこと。

 油蝉や熊蝉などたくさんいましたが、中でも熊蝉が必死に鳴いているところを直ぐ目の前で見ることが出来て、その時の会話…

 〝みんながこんなに注目しているのに、全く逃げようともせず必死で鳴いて…スゴイ!〟〝そりゃあなんとしてでも雌に気に入られないと…〟〝ヘエッ、じゃあ蟬はどうやって結婚相手を見つけるの?〟〝雄は鳴くだけ。雌がその声によって子孫を残すのにいい雄を選ぶんですよ〟と。〝じゃあ雄は雌がどこにいるのか分からず闇雲に鳴いているの?〟〝そうですよ。選ぶ権利は雌にあるんですから。だから認められるために雄は必死なんです〟〝わあ、雌の方がエライのね!〟〝だって蜂でも蟻でもそうでしょう。蟷螂(かまきり)だって…昆虫や鳥の世界ではそういう雌上位が多いんですよ〟とは、レンジャーHさんの話。考えてみればなんだか雄って哀れですよね。今では人間界でも…特に昔の日本の男尊女卑なんていう時代はもう夢でしかなくなってるでしょう。そのうちどんどん昆虫化していって、よくて対等、下手すると…なんてことになりかねないかも…ネッ!(笑)

 次は糸蜻蛉(とんぼ)の話。

 糸蜻蛉は夏の季語ですから、確かにあちらこちらとやたらに飛んでいました。やはり繁殖期だそうで、雌を求めて右往左往しているのは雄だと。でも、蜻蛉は雄の方が雌を見つけて頭を掴んで確保するんだそうです。そして、必死で交尾をしようとするのだが、これも雌が拒絶するとできない。雌が受入れてはじめて結ばれ、ハートのマークになるのだそうな。やっぱり雌の方に選ぶ権利があるようですよ。それを強引にすると…ほら、あの強制〇〇等罪になってお縄になるかもね!(笑)

 下の写真は、雄が雌の頭を捕まえたもののなかなかOKをもらえず、奮闘の末にやっと…。でも、3枚目の写真は他の個体でハートマークになったもの…でも何だか歪な恋だったような…。

 さて、最後は「跳鯊(とびはぜ)」の話。

 私たちがセンターへ戻ろうと干潟の傍を通ると、館長さんがおられて面白い話をして下さいました。〝この跳鯊は、水の中だけでは溺れて生きられない魚なんだよ。だから日を浴びるため干潟に上がってきて、皮膚が乾くと今度は水に浸かりに行くだ。そのときコロンころんと寝返りを打って水に浸かる様子がとてもおもしろい!〟〝ヘエッ、鯊の仲間なのに?エラで呼吸してるんじゃないんですか?〟〝いや、跳鯊は主に皮膚呼吸なんだ。だから水から出ないと…。それに肉食だからバッタなども食べるので、生きたバッタを水辺に投げてやったりすると、もう一斉に飛びかかってみんなで食い尽くす…それを見てると、そりゃあ獰猛(どうもう)な魚なんだよ〟と。もう、ビックリ!

 跳鯊は今まででも何度も見ていましたし、汀を歩くとまるで運動会のようにピョンピョン跳ぶ様子が面白くって、カワイイというイメージしか持っていませんでした。あの有明海で有名なムツゴロウと似てるから同じ藻などを食べる草食なのかと…。本当に知らない事だらけですよね。

 熊蝉と跳鯊の写真は撮れなかったので、お借りしました。スミマセン!

 今回も大変勉強になりました。ありがとうございます。この後涼しい部屋で句会をして、12時過ぎに終了。その後すぐに家に戻り、食事をして午後からまたいつもの如く宇部馬酔木会の句会へ。やっぱりこんなに暑いと疲れ方が随分違いますね。ああ、本当に疲れました!ではこれで、オシマイ!


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4 コメント

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ちわきさんへ (ミルク)
2024-07-27 13:23:24
ずいぶんとご無沙汰してます<(_ _)>
こちらは、田舎なんですが、トンボをあまり見かけなくなりました。
ハグロトンボは、たまに見かけます。
トンボの習性もよくわかりませんでしたが
勉強になりました(^^♪
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Unknown (ちわき)
2024-07-27 23:12:01
>ミルク さんへ
先日来の豪雨や川の氾濫での山形の被害状況がニュースで流れています。それを見る度に、ミルクさんの所は大丈夫なのかしらと心配していました。秋田の方でもかなりの大雨で洪水が出て大変だったんでしょう。
でも、こうやってコメント下さったんだからきっと大丈夫だったのよね…
以前も、去年だったかしら少し浸水したけど…という話がありませんでしたか?
同じ東北でも山形や秋田の雨量がいつも多いんでしょうかしら。
山口でも結構線状降水帯が発生しやすいんですよ。地形的なものなのでしょうか。九州では熊本が多いようです。
でもこればかりは気をつけるといってもね…とにかく逃げるが勝ちでしょうから、十分気をつけて被害に遭わないようにして下さい。
蜻蛉は川蜻蛉や糸蜻蛉が夏の早くに発生して、そのあとから普通の蜻蛉が増えます。きっと東北では今からかも…
楽しみに観察してみて下さいね。
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うなぎ (大極貴人)
2024-08-03 06:48:48
うなぎ高いですね
私は柳川のうなぎが大好きです。
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Unknown (ちわき)
2024-08-03 14:29:48
>大極貴人 さんへ
>うなぎ... への返信
初めてのコメントありがとうございます。
大極貴人さんは九州の方ですか?柳川には叔母さんがいましたので、子供の頃は何度も行って、鰻や泥鰌鍋など食べさせてもらいました。
私も鰻が大好きで丑に日には必ず食べています。
でも昔はそんなに高くなかったような…今では高くってそうそうは口に入らなくなりましたものね。
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