ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

遅くなりました!「きらら俳句教室」第4回目です。

2023年07月22日 | 俳句

 今週も何やかやと取り紛れて、先日15日(土)の「きらら俳句教室」第4回目の報告をまだしていませんでしたので、今日はそれを書いておきますね。

 今回もいつも通り9時30分からの開始でした。するとすぐに次のような質問が出ました。〝今日のように晴れた日でもやはり梅雨と詠むんでしょうか〟と。

 そもそも〝梅雨〟というのは、6月前後の、雨や曇りの日が多く現れる時期、また、その気象状況をいいます。それは北海道を除く日本および中国の揚子江流域、朝鮮南部に特有のもので、暦の上では6月10日前後の〝入梅〟から約30日間の期間をさします。しかし、実際には地域やその年の気象状況によって異なりますし、7月下旬まで梅雨前線が停滞することも多いので、地域によって〝梅雨明け〟もバラバラなんです。

 例えば、沖縄の平年値は梅雨入りが5月10日、梅雨明けが6月21日ですが、今年は5月18日の梅雨入りで梅雨明けは6月25日でした。こちら山口県は5月29日が梅雨入りで、まだ梅雨明け宣言はなされていません。だから、雨が降っていようといまいとまだ〝梅雨〟と詠んでいいということですね。(この時、中国地方は20日に梅雨明け宣言がでましたが、山口と九州はまだ…29日の予定のようです)

 今回の話は、…俳句は〝生きた証〟を詠むものといわれますが、ではそれはどういうことかということ。私はそれを人のみならず万物全ての〝心〟を詠むことだと、考えています。ではどうしたらその心が詠めるのでしょう。

 そこで、以前句会に出た句をとりあげて説明してみました。原句は〈入学児歩み小走り又歩み〉という句でしたが、この句のどこに子どもの〝心〟が現れているのでしょう。そう、〈小走り〉という語なんですね。これを見つけたのは作者の手柄。この語に今から入学式へ…小学生でしょうか、親御さんに連れられて行く子の気持が表われているのです。入学児にはきっと喜びや期待が…でも初めての世界への不安もあるでしょう。そこをもう少しはっきりと分かりやすく描くと佳句になりますので、〈小走りがやがてゆつくり入学児〉と添削。またこれは反対にもなります。最初は不安で足が重かったのが、学校や友だちが見えてくると今度は嬉しくて…〈ゆつくりがやがて小走り入学児〉としてもいいですよね。そうすることによって、〈ゆつくり〉と〈小走り〉が子の不安感と期待感をうまく表して、読む人にその入学児の姿が見えてくるというものです。

 このように、何らかの様子を描写することによって、その人または物の〝心〟を表現することができるなら、くどくど説明する文章よりインパクトがあると思いませんか。短いが故に…ということです。要するに言葉の〝量より質〟ということでしょうか。ならば俳句は一語一句も疎かにせずよく吟味して、最大限の効果が発揮できるような言葉を選びたいものですね。

 私がフォローさせていただいていますfukasaka200様のブログ〝暮らしのなかで〟の今日のタイトルが〝心の表現〟でした。そこに次のようなとてもいい文章がありましたので、ご紹介させていただきます。fukasaka200様ゴメンナサイ!

言葉という字は、心の葉を意味し、声は「心の枝」である・・・そして、
       心のなかのもっとも本心に近いところを「心の根」と呼んでいる。 
心が伝わるという事は、心の根から心の枝を通して心の葉から伝わっていくことだ。
  言葉をこのように考えれば、言葉をつかう事は「心の表現」そのものである。

 では、時間が来ましたので、外の吟行へ…暑かったですね。この暑さですからやはり鳥も花も殆ど見当たりません。ビオトープの方へ行くと、この時期はヤタラと〝蝶蜻蛉(とんぼ)〟が飛んでいました。この蜻蛉というものがまた俳句では厄介なんですね。だって、糸蜻蛉や川蜻蛉は夏ですが、塩辛蜻蛉や鬼やんまなどの普通の蜻蛉は殆どが秋の季語ですもの。特に今回は、質問にも出ました。〝蝶蜻蛉〟がたくさん群れ飛んでいましたので、これをこのまま〝蝶蜻蛉〟で詠んでもいいのかと。

 戻ってきて投句されたものをみると、やはり蝶蜻蛉を詠んだ句が出ていましたね。〈梅雨ぐもる水辺に群るる蝶とんぼ〉や〈群がりて梅雨のとんぼの翅光る〉など。しかし、メインの季語に〝梅雨〟を用いて、秋の爽涼感を感じさせないように工夫していてさすが。でも、これはやっぱり見た人でないと分からないでしょうね。

 蝶蜻蛉の写真を撮ろうとしましたが、まさに蝶のようにひらひらとして…結局まともな物が一つも撮れていませんでした。それで、これはWikipediaにお借りしました。ゴメンナサイ!

チョウトンボの画像

 今回の最高点句は〈かなぶんの樹液かこんで相撲取る〉でした。その様子が下の写真ですが、ちなみに〝相撲〟は秋の季語。でも、ここは比喩ですから〝かなぶん〟が主季語です。また、この下の写真のように黄金虫(これはマメコガネです)はこんなに葉を食べてしまいますから、〈葉脈を見事に残しこがね虫〉とか〈こがね虫レースのごとき葉を残し〉などの句も。

 他には大した物が無くて、花では〝南京櫨(なんきんはぜ)の花〟や〝灸花(やいとばな)〟、これは〝屁糞葛(へくそかずら)〟とも。また〝蓼(たで)の花〟が咲いていましたが、これは秋の季語。グーグルレンズで見ると〝白花桜蓼の花〟とありましたが、ホントかな。


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