ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

なんと物好きな…春の吹雪の中を吟行へ!

2025年02月12日 | 俳句

 今年は2月3日(月)が「立春」で、春になったかと思うと、今度は日本列島が今季最強の寒波に襲われましたね。一年で一番寒いという「大寒」辺りから、全国的に3月並みのぽかぽか陽気が続いたものだから、できることならこのまま春へ…なんて考えたのはやっぱり甘かった。神様もお人が悪い!ああ、そうか、神様は人ではございませんから仕方がないですかね。

 でもこの寒さは堪えました。例年「立春寒波」といわれて、ある程度の寒さが戻るのは確かですが、今年は春になってからの方が異常な寒さが続いています。3日からの九州北部から沖縄地方まで、大寒波が襲ったかと思うと、4日からは、北陸、関東、東海、近畿、中国、四国地方までもと。以後5日間の平均気温はかなり低く「10年に1度の低温」だというし、さらに北陸や長野、群馬、岐阜などの山間部、近畿日本海側、山陰と、これまたこの間の降雪量が多くなって、「10年に1度の大雪」なんだそうですよ。

 例にもれず、こちら宇部でもこの5日間毎朝起きると雪が積もっていたり、ちらついていたりと。気温は夜はもちろん零下、昼でも2度、3度までと、大寒波が続きました。多少緩んだかなという昨日でも、最高温度は5度までなんですからね。今日やっと太陽が出て日中は8度まで上がり、ホッとしました。本当に太陽ってありがたいものですね。

 そんな中の一番寒波がひどく吹雪ともなった7日、第一金曜日でしたので月例の吟行会を実行したんですよ。物好きでしょう!でも前夜は冷えるものの雪が積もる様子はなかったので、中止するつもりがなくて…ところが起きてみると庭が真っ白。日も出そうになく、これでは道路が凍結していて危ないから今度こそ中止せねばと、担当のFさんに電話したんです。すると、〝屋根や木々には積もってますが、道路は何ともないですよ〟という返事…嘘ッと、道路に出てみると確かに濡れているだけ。それじゃあ、雪国はわが家だけだったということ!(笑)

 というわけで、予定通り9時半の集合を待っていると…あら、あら、急に雪が舞い始め、あっという間に道路を真っ白に埋めていくではありませんか。今から行く吟行地は、ちょっと坂があって…これはヤバいかも!宇部市水道局「桃山配水池」の見学です。そのうち雪はとうとう吹雪になって…ああ、なんという日なの!それなのに、案内してくださる職員の方が入り口で待っておられて…恐縮しました。

 ではお言葉に甘えてと、早速中に入り桃山3号配水池に併設された「パノラマ展望塔」へ。滑らないように一歩一歩…まるで蟹さんのように手すりをもって横歩き。展望塔の標高は80m、螺旋階段を上ります。最上階に総ガラス張りの、360度の景色が広がり、普通なら市街地はもとより空が澄み渡った時などには遠くの関門海峡も見渡すことができるんだそうです。それが、今日はどこまでも真っ白な雪の世界。私たちはもちろんのことですが、案内された方のほうが、もうびっくりされて、〝スゴイですね!〟の連発でしたよ。下の写真が、展望塔からの東西南北の景色です。

 この方はお役目がここの案内係だとか。だからもう見飽きるぐらい来ておられるのですが、こんなの初めてだそう。ついでにと、この展望塔から見た桜の季節や秋の海まで見える景色などの動画を見せてくださいました。だから今度は季節を変えて是非来てください。そして、良い句を詠んで大いに宣伝してくださいと、頼まれてしまいました。こりゃあ責任重大です! 

 さて、今度は宇部では有名な「六角堂」へ。実は私が宇部に来た時からこの名があって、始めは何かのお堂かと思ったのですが、「桃山配水計量室」という水道施設でした。しかし、周りをぐるりと見るぐらいで中がどうなっているのか一度も見たことがありません。それがこの雪の日の見学で初めて見せてもらいました。感激です!50年も宇部に住んでいても、展望塔も初めてだったし…まだまだ知らないところが身近にあるんですね。吟行といってもわざわざ遠くまで行かなくても探せばあるものです。

 ちなみに初めて知ったこと。それはこの六角堂が本当は八角錘形の屋根で中世の城をイメージさせる造りなのに、初めて見た人が言った「六角堂」という表現がそのまま広がり、市の方でもその市民のイメージを壊さないようにとそのままにしたんだそうです。この六角堂と、今回は雪で観られなかった「旧桃山1号配水池監視廊入口」が、平成9年に国指定登録有形文化財に指定されています。

 上掲の写真は、宇部市が炭鉱で栄えたころの名残でもある「桃色れんが」です。普通の赤色や濃い橙色に近いれんがと違い、このれんがは肌色に近い桃色が特徴で、かつては宇部市の町並みを形成していました。しかし、現在は生産できないことや保存活動が組織的でないことにより、その数が減りつつあります。この宇部独特の桃色れんがの色は、石炭の燃焼灰と石灰などを混ぜてつくることから生まれ、硬く、湿気に強いのも特長なんです。しかし、老朽化して倒壊防止や住宅改修のために今急速に町から消えようとしています。何とかして保存をという声は上がっても、現実的には難しいようです。ここ六角堂は国の文化財として指定を受けましたので、大丈夫なのですが、〝桃色れんがのこみち〟という風情のある路地は今はまだわずかに残ってはいるものの、それもいつまでか…なくなってからでは遅いと思うのですが、私にはどうしようもありません。ああそういえば、2022年の春新しい宇部市役所の本庁舎(一期棟)が完成したのですが、その外壁が桃色れんがをイメージした外観になっているんですよ。いまはまだ二期棟が工事中で、それが完成したらまたご紹介しますね。お楽しみに! 

 さて、その後雪も小降りになり、道路も溶け始めましたので、そろそろと車で移動。最後は江戸時代の享保19年(1734年)に築堤されたという「二反田の池」と、側にある猿田彦大神の石碑を拝み、途中の〝殿様道〟を通り、廃校になった小学校跡地の武道館を見て、昼食会場へ。

 もうその頃には道路の雪はなく濡れているだけでしたが、ナントも風が冷たいこと!冷え切った体をおいしいランチで暖め、午後のいつもの句会場へ。17時までみっちりと吟行句会をして、勉強しましたよ。参加された皆様大変お疲れさまでした。やはり寒さと着ぶくれで首や肩が凝って…ああ、私も本当に疲れてぐったりです。では、これでオシマイ! 


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