おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
川島四郎著 『はき違いの栄養知識』 昭和50年5月20日 第7刷
ｐ151 水筒に薄い食塩水 １－２
由来、行軍といい、演習といい、いちばんからだを使って汗をかくことの多いのは軍隊である。したがって行軍演習には、各将兵は必ず水筒に水を満たして携行したものである。
さて、その水筒のなかに入れる水は、どういうものが最も適当であるか、これは私が軍隊にいたとき、いろいろ研究してみたものである。
たとえば、たんなる水(湯)、お茶、その茶も番茶から煎茶(せんちゃ)にいたるまで、ときに挽茶(ひきちゃ)を入れた実験もした。砂糖水、ハッカ水、いまでいう合成ジュースのようなもの、また、きわめて薄いアルコール性飲料のものなど、いろいろ手を替え、品を替えたものを水筒に詰め、多数の兵員による人体実験をした。
その結果によると、薄い酸液と、やや濃い煎茶の類は、疲労回復に相当に効果のあることがわかったが、しかし、これはほんの一時的な疲労回復にすぎないもので、激しい行軍演習に対する、むしろ疲労予防ともなるべきもので、決定版となったのは薄い食塩水を水筒に詰めて携行することであった。
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