おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
腎は水を主り(上古天真論)、その華は髪にあり
素問六節蔵象論 第九
第八節(鍼灸医学大系)
原文
帝曰、蔵象何如。岐伯曰、心者、生之本、神之変也。其華在面。其充在血脈。為陽中之太陽、通於夏気。肺者、気之本、魄之處也。其華在毛、其充在皮。爲陽中之太陰、通於秋氣。腎者、主蟄。封藏之本、精之處也。其華在髪、其充在骨。爲陰中之少陰、通於冬氣。肝者、罷極之本、魂之居也。其華在爪、其充在筋、以生血氣。其味酸、其色蒼。此爲陽中之少陽、通於春氣。脾胃大腸小腸三焦膀胱者、倉廩之本、營之居也。名曰器。能化糟粕、轉味而入出者也。其華在唇四白、其充在肌。其味甘、其色黄。此至陰之類也、通於土氣。凡十一藏、取決於膽也。
注(1)處 原文は變に作る。今、改む。
(2)少 もと太に作る。今、改む。
(3)太 もと少に作る。今、改む。
(4)陰 もと陽に作る。今、改む。
神之處也、 東洋学術出版社=神之變也
爲陽中之少陰 東洋学術出版社=爲陽中之太陰
爲陰中之太陰、 東洋学術出版社=爲陰中之少陰
此爲陰中之少陽、東洋学術出版社=此爲陽中之少陽
読み
帝曰く、藏の象は何如ん。
岐伯曰く、心なる者は、生の本、神の変なり。其の華は面に在り。其の充は血脈に在り。陽中の太陽と爲し、夏氣に通ず。肺なる者は、氣の本、魄の處なり。其の華は毛に在り、其の充は皮に在り。陽中の太陰と爲し、秋氣に通ず。
腎なる者は、蟄を主る。封藏の本、精の處なり。其の華は髪に在り。其の充は骨に在り。陰中の少陰と爲し、冬氣に通ず。
肝なる者は、罷極の本、魂の居なり。其の華は爪に在り、其の充は筋に在り、以て血氣を生ず。其の味は酸、其の色は蒼なり。此れ陽(陰)中の少陽と爲す。春氣に通ず。脾・胃・大腸・小腸・三焦・膀胱なる者は、倉廩の本、營の居なり。名づけて器という。能く糟粕を化して、味に轉じて入出する者なり。其の華は唇の四白に在り、其の充は肌に在り。其の味は甘、其の色は黄なり。此れ至陰の類なり、土氣に通ず。凡そ十一の藏は決を膽に取るなり。
腎者主蟄封藏之本精之處也其華在髪其充在骨爲陰中之少陰通於冬氣。
腎は、人間活動の根源となる精気を伏蔵して、固く之に錠をかけ、みだりに外に放散しないよう監視する役目を有(も)つとともに、所要に応じて之を各藏器に補給して其の活動を円滑に実施せしむる器官であります。
従って人の精は腎に宿るのであります。其の状態は髪に現われ、其の力は骨に現われるものであります。
腎は陰中の少陰に属し冬気に通じて居ります。(鍼灸医学大系=陰中の太陰) (鍼灸医学大系)
華(か)とは内部の充実が外にあらわれること。頭髪の栄養は血から来ているが、頭髪の生理機構は、腎気に根ざしている。(漢方医学大字典)
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