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低体温の漢方療法の捉え方①-④ 陽虚 

2010-10-23 10:54:33 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

 

クラシエ漢方療法推進会の資料 低体温の漢方療法の捉え方①-④

 

 低体温は、体温計が無ければ病名にならないので、体温計の無い時代の漢方療法で考えるのは非常に難しいですが、前回までまとめた齊藤先生の本の内容を踏まえて、弁証論治してみました。

 

 1陽虚(陽気**の温煦***が衰弱した病態)

 

生命力のエネルギー代謝や循環機能を行なうことによって体温維持調節機能が衰弱している病態

陽虚=陽気の不足、あるいは機能の衰退した証候。陽虚すれば寒を生じる。

**陽気=生体が持つ生命力。機能と物質でいえば機能をさす。

***温煦作用・おんくさよう=エネルギー代謝や循環機能を行なうことによって体温を維持調節する。

 

 (1)体内の冷えが勢いを増している状態

 毎日の飲食物から得られるエネルギーの吸収率が低く〔脾(後天)〕、又両親から受け継いで持って生れた生命エネルギー〔腎(先天**)〕の維持が失調するため、全身に陽気が巡らず、温煦作用が低下して低体温になります。

後天・こうてん=生後の生命を維持すること。毎日の飲食から絶えず補充される。
***が飲食物を消化吸収し各臓腑に栄養をおくる。痩せの大食いは脾が弱いので太れない。

**先天・せんてん=生命体に本来そなわったもの。両親から受け継いだもの。腎に貯えらる。

***脾・ひ=飲食物を胃が消化したものを、吸収し各臓器に栄養として送る作用をする蔵器、この過程を運化といいます。

  冷たいものや体を冷やすものの食生活により飲食物をエネルギーに変え体を温めることが出来にくくなり、50歳を過ぎたころ(女性で7の倍数の49歳、男は8の倍数の64歳ごろになると衰えが始まります)を陰陽交替期(いんようこうたいき)といい、50歳を過ぎたころになると『陽虚』となり、新陳代謝が低下してくる年齢(老化)になり、体温を維持調節する機能が低下し、加齢とともに低体温になります。

 

症状・・寒がる・寒冷を嫌う・四肢の冷え・腰や膝がだるいなどの『腎陽虚・腎が関係する人体の熱の源泉』が不足してくる症状。下痢や嘔吐など『脾の運化の過程中の熱エネルギー』が不足することにより脾胃の機能が失調する。

脾が弱ると大便に影響し軟便や下痢を起こし、胃が弱ると嘔吐などがおきる。

 

治法・・腎に作用する薬性が温の生薬と、脾を建て直し暖める働きのある生薬を使います。

 方剤・・附子人参湯=附子、人参、甘草、朮、乾姜
人参湯合麻黄附子細辛湯=麻黄・附子・細辛(人参湯は附子人参湯から附子をのぞいたもの)
八味丸=乾地黄・山茱萸・薯蕷(しょよ・山薬)・沢瀉・茯苓・牡丹皮・桂枝・附子

 

  (2)右の腎を命門といいます≪難経三十六難≫、命門を例えると水晶玉()の中に火()が燃えているとします、水晶玉をさわると37(体温)ぐらい、この中の火が弱くなる(老化)と水晶玉の温度は下がります。水晶と火とのバランスが重要なのです。

 何かの原因で命門の火が偏って旺盛になると、性機能が亢進したり、多夢不眠などをあらわすこともあり、命門に関する事象は沢山あります。

又両(左右)腎をさすこともある。

 

 (1)の症状がひどくなると、五臓六腑の熱エネルギーが不足し症状がさらに悪化します

 症状・・(1)の症状がひどくなる

 治法・・腎が関係する人体の熱の源泉を温養する。生命根源の力を充填し補血する。

 方剤・・○骨も年をとります、不妊、糖尿病に  鹿茸大補湯(ろくじょうだいほとう)
肉蓯蓉・熟地黄・杜仲・芍薬・白朮・当帰・石斛・五味子・半夏・黄耆・茯苓・大棗・甘草・生姜・附子

 

女性の方で上記の症状があると不妊の原因にもなります

 

 

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本体価格

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500g 15,000円

分包品1包1g入り60包3,500 円

1包60円