昌栄薬品の宮原 規美雄です
産經新聞 平成27年(2015年)7月28日 生活面
家庭医が教える病気のはなし 名郷直樹先生
糖尿病、合併症予防で薬選んで
糖尿病の治療薬のうち比較的新しいのがDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬です。どちらも多くの種類が発売されています。
私はどちらの薬もほとんど使いません。
SGLT2阻害薬は一度も処方したことがありません。
なぜかたといえば、これらの薬には血糖を下げるという研究結果しかなく、網膜症や腎症などの合併症を予防したいという研究結果が示されていないからです。
このうちDPP-4阻害薬についての研究結果を紹介しましょう。
この研究は現在すでに他の薬で治療している糖尿病患者に対し、DPP-4阻害薬を使うグループとプラセボ(偽薬)を使うグループを比較して、心血管疾患に差がないことを検証するという研究です。
この研究はおかしいと思いませんか?プラセボと比べて差がないことを検証するとはどういうことでしょうか。
DPP-4阻害薬は1錠何百円もする高価な薬です。
それがプラセボと同等であったとしたら、決して使ってはいけない薬の気がします。
この研究では仮説通り、DPP-4阻害薬はプラセボと同等の安全性が確認され、安全な薬として宣伝されています。
安全性が確認されることが重要なのは、合併症予防効果があることが前提になっています。
合併症予防効果がある上にプラセボと同等の安全性ということになれば、その薬は安心して使えるわけです。
しかし、DPP-4阻害薬ではいまだ血糖値を下げるという研究があるのみで、合併症を予防したという論文はありません。
脳卒中や心臓病に関してはプラセボと同等、つまり効果なしということが示されています。
今や圧倒的に多く使われているDPP-4阻害薬ですが、その研究結果は全くみじめなものです。
SGLT2阻害薬に至っては、脱水症やそれに起因する脳梗塞(こうそく)など多くの重大な副作用が発売まもなく報告されているのです。
メトホルミンという安くて古くて合併症予防効果が明らかな薬もあります。
メトホルミンが処方されず別の薬が処方されている患者さんは、まずメトホルミンに変更できないか主治医と相談してみてはいかがでしょう。
この連載も今回が最後になりました。
長きにわたって読んでくださった読者の方に感謝いたします。
ありがとうございました。〔武蔵国分寺公園クリニック院長 名郷直樹先生〕
名郷先生は謙虚で患者さんの身になって診察・治療されていると感じました。
=おわり
※ ※ ※ ※ ※
糖尿に使われることがある漢方薬
麦門冬湯・八味地黄丸・白虎加人参湯・防風通聖散・六味丸・鹿茸大補湯等がありますが、証により処方が決定されます。
サプリメントとしては、濃縮霊芝A・CPLpurity100・ゴールド三養茶・養養等々があります。
ゴールド三養茶は発芽ハトムギを主成分として、特殊製法でエキスを抽出顆粒にした理想的な健康飲料です。
簡単にお湯にとけますので、ご家族の健康食として手軽にお飲みいただけます。
ハトムギの成分を十五倍に濃縮した、ゴールド三養茶をお好みの濃さに合わせて美味しくお召し上がり下さい。
本体価格
250g 8,000円
500g 15,000円
分包品1包1g入り
60包3,500 円
240包10,000円
1包60円