渡辺武著 わかりやすい漢方薬
第二章 漢方薬はどう診断するか
5 肝腎の解毒と利尿作用
漢方薬の共同作戦
味覚ということになると、酒飲みが一番確かだといわれます。
最近、日本酒は樽買いで甘い酒が多くなりましたが、本来、酒は辛いものとされてきました。
酒飲みがうるさいのは、当の酒はさることながら、肴ということになります。
酒の肴に甘い物は禁物といわれます。
酒が飲めなくなるのです。
塩からい食べ物や酸っぱい物は酒に合います。
しかし、一晩中飲み交わそうと思ったら、塩からいものや酸っぱいものではどうにも肴になりません。
そういう時はほろにがい食べ物を肴にすると、長く飲んでも平気なのです。
欧米でもアルコール度数の高い蒸留酒を飲むとき、ビッター(苦味酒)をコップにたらすのもこのためです。
ビールという酒は、その点から見ると、大変にうまく味覚を調合した酒です。
夏の暑い日など、二、三十本も平気で飲んでいる飲み助がいますが、ウイスキーや日本酒をビールのようにあおるが如く飲んだら、心臓マヒで死んでしまいます、ビールにはちゃんとホップというにが味が入っています。
このにが味がアルコール分を消去する作用をしているのです。
ビールと同量の水を飲めといっても飲めるものではありません。
また、ビールを飲むとおしっこでどんどん出ていきますが、これはホップに利尿作用があるからです。
何十本のんでもおしっこで出していれば、身体の中を通過していくようなもので、たくさんの量が飲めるわけです。ビールはその味覚の原理をうまく使っているのです。
味覚ということ、薬味ということは、漢方薬だけの世界の話ではありません。
人間は毎日食物を摂っています。
味覚ということでは、食べ物を調理することと、薬を調剤することは同じことです。
食べ物は人間の日常の外の生活環境であり、薬は身体の中の生活環境ということです。
人間の健康にはこの二つの環境、食べ物と薬の共同作業が必要なのです。
ところで、胃が悪かったら胃薬を飲むのは当り前ですが、いまの胃薬は胃だけに効く素人芸の薬が大部分です。
漢方薬の場合は、胃だけでなく、薬味、薬性と他の臓器との相関関係から、総合的に考えた処方をします。
いまの日本の薬学では、漢方的な考え方は忘れ去られています。
理論のための理論と薬局も儲けばかりに立ち回っているのです。
いや、新薬の世界ならいざ知らず、漢方薬店でさえ漢方の基本的な考え方に対して不勉強です。
医師の中には「漢方が六、七種類もの薬を調剤しているのは効かないからだろう」という人がありますが、なぜ漢方薬が六つも七つもの種類の薬を調剤しているかといえば、漢方薬の原理が、人間の身体を総合的、全体的にとらえる共同作戦であるということです。
その処方は、こちらは一つでは足りないから、もう一つ入れようとか、これだけではちょっと足りないから、水の停滞をもうちょっと抜こうとか、いろいろな身体の条件を取捨しているわけなのです
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