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渡辺武著わかりやすい漢方薬ガンが先か正常化が先か人間と自然の関係は複雑でありまた単純でもあります人間の身体はいわば自然物食べたものの変形したものです変形したものである以上は置きかえられる可能性

2021-03-31 09:53:24 | 日記

昌栄薬品

渡辺武著 わかりやすい漢方薬

第三章 漢方薬は何に効くか

2 悪性腫瘍・ガンの漢方治療法

ガンが先か、正常化が先か

 人間と自然の関係は複雑であり、また単純でもあります。

人間の身体は、いわば自然物、食べたものの変形したものです。

変形したものである以上は置きかえられる可能性をもっています。

米を食べたり、イモを食べたり、肉を食べたり、豆腐を食べたり、形の変わったものを正常におきかえることが可能です。

 第一に、いまの状態が一生つづくわけではなく、人間の体表の周期は大体三ヵ月で脱皮しているのですから、春夏秋冬衣替えしているのと同じです。

蛇や蝉の脱皮は見ている間に行われますが、人間のような脱皮は日々、徐々に進行していて、年四回行なって生存しているのですから、何回か置き替えていけば、アレルギー体質の人だって正常化できるわけです。

この人体の脱皮をも含めて、普通は新陳代謝といっています。

皮膚や粘膜の生まれ変りのことです。

たとえば皮膚からいつも汗を出している状態は、エネルギーが消費されているのだから、それを防いで新しく正常化していけば、皮膚や粘膜は生まれ変っていくのです。

 ガンには皮膚や粘膜のような上皮細胞にできる悪性腫瘍と、肉腫といわれる非上皮の細胞から生じる悪性腫瘍があります。

皮膚など外側は、寒さ暑さや物理的なショックに耐えるようにつくられていますが、胃や腸や子宮の内側は、やわらかい粘膜でおおわれていて、中は恒湿恒温で消化吸収したり代謝しているのだから、表面の粘膜からガン細胞は入ってきます。

この上皮性のガンは漢方や手術などで治療する方法があります。

しかし肝臓とか脾臓となると、ガンの発生は他の臓器からの転移が多いといわれます。

内臓ガンはたいてい機能が衰えて、食物を摂れなくなることが、死因の大部分を占めているのです。

 現代医学では、肝臓や脾臓のガンの治療法はまだありません。

X線療法や最近のガンの化学療法剤のナイトロミンとかザルコマイシンなどは全く無効といわれ、かえって患者の体力を衰弱させる有害の方が大きいといわれます。

内臓ガンはお手上げで、痛みをやわらげる鎮痛剤とか麻薬を用いるしか方法がないのです。

 漢方では、いかなる場合も、薬物で正常化を図ると同時に、食物療法との両面作戦で治療しています。

これは患部の病気のひずみを正常化して、身体を全体的にとらえる治療法で初期症状だろうとガンの末期だろうと、その治療は人間を正常化する基本的な考え方に変りがないのです。

現代医学の場合は、ガンが発生して初めてどう治療するかの結果論的治療法、ガンを直接とり除くか、ガン細胞をこわす抗ガン剤しかないのです。

 漢方が、人間が先で、身体を正常化する予防的な治療法なら、現代医学はガンが先決、その結果人間を治療する方法です。

どちらも決定的な方法がないのが、ガンの治療法といえそうです。

この東洋医学的な方法と西洋医学の方法の二つが一つになって、ガンを内外から研究すれば、ほんとうのガン治療法が生まれ出そうに思われてくるのですが・・・・・。

 

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