妹が見し 楝(あふち)の花は 散りぬべし わが泣く涙 いまだ干なくに
山上憶良 万葉集より
「長官(大伴旅人)の奥さまがごらんになったあふち(センダン)の花は、
もう散ってしまいました。でも、わたしの涙はまだ乾きません。
ましてや長官のことを思うとおかわいそうで---」
旅人の妻の死を悲しんだ憶良が詠んだ歌ですが、妻を亡くした旅人を気遣う
いかにも憶良らしい優しさが感じられますね---(^^)
刈谷市の旧東海道の道路脇にセンダンの木があって、
毎年この時期になると若葉の中に上品な藤色の花が咲く---