柏からイタリアニュース

イタリアの今をイタリアメディアの記事からお届けします。

フランス南部でM5.4の地震

2019-11-13 00:35:29 | 原発
Corriere della sera 11 novembre 2019 (modifica il 12 novembre 2019 | 13:38)

Terremoto in Francia, fermati reattori nucleari per i controlli di una centrale nel Sud del Paese
Lunedì mattina un forte terremoto tra Montpellier e Lione: quattro persone rimaste ferite. La scossa più forte in Francia dal 2003, secondo gli esperti

フランス南部で月曜朝M5.4の地震。l’ArdecheのCruas-Meysse原発の2,3,4号機が一時的に停止し、地震の影響を調査した。4人がケガ。専門家によれば2003年以来の大きな地震とのこと。


(原文)
https://www.corriere.it/esteri/19_novembre_11/terremoto-francia-fermati-reattori-nucleari-una-centrale-sud-paese-a56aafa2-04b7-11ea-83e5-874bd48f0bf6.shtml?intcmp=exit_page

スロベニアで2基めの原発が建設されようとしている。地震のリスクはないのか?

2019-10-23 10:34:31 | 原発
Greenstyle 22 Ottobre 2019

Nucleare: Slovenia vuole costruire un altro reattore in zona sismica

スロベニアで2基めの原発の建設計画が持ち上がっている。建設予定地はKrsko原発の隣だが、そこは地震リスクの高い場所だ。

スロベニアでKrsko原発の増設の動きがある。この場合問題なのは、Krskoが地震リスクの高い場所だということ、その点で原発の密閉構造の面で安全性に疑問があることだ。スロベニア首相はすでに昨年の夏にKrsko原発の拡張について議論を開始している。技術的に社会的な批判を静め、原発の耐震安全性を確保するため、2021年中には有効な地震対策を施す予定としている。しかし、スロベニア原子力安全委員会は、いまのところ、公式な問い合わせがないことから沈黙している。
原発新設に対し、反対の声が上がっている。Krsko原発の技術者たちからも原発装置のスペック面での問題を指摘、特に同地域での地震リスクだ。
ウィーン大学の地質学者、Kurt Deckerは、建設の場所が欧州でもっとも地震リスクの高い場所だと指摘する。この場所はアドリア海とパンノニア(現在のハンガリ-)の2つの地層の間に位置しているのだ。専門家も原発から最短なケースで1.5キロしか離れていない新たな活断層への考慮がないことを指摘する。イタリアの地質学者、Livio Sirovich も、同様に、Kirskoの中心から20キロ圏では、最大マグニチュード7の地震が起る可能性があると指摘する。

(参考サイト:日本語)
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_14-06-12-01.html

(原文)
https://www.greenstyle.it/nucleare-slovenia-vuole-costruire-un-altro-reattore-in-zona-sismica-310020.html?utm_source=tagnewsletter&utm_medium=email&utm_campaign=Newsletter+centrali-nucleari:+greenstyle.it&utm_content=2019-10-22+nucleare-slovenia-vuole-costruire-un-altro-reattore-in-zona-sismica

福島第1原発の放射能汚染水の処理について、原田環境大臣の発言が波紋を呼ぶ

2019-09-11 16:18:32 | 原発
La Stampa 10 Settembre 2019

Fukushima, l’acqua contaminata della centrale nucleare potrebbe finire nel Pacifico
Lo ha dichiarato il ministro della Protezione Ambientale giapponese, Yoshiaki Harada: «L'intero governo ne discuterà, ma vorrei dare la mia semplice opinione».

福島発。福島第一原発事故由来の放射性汚染水は結局太平洋に流される可能性がある。日本の原田環境大臣が記者会見で発言。「私は汚染水は海に流して薄めるしかないと思う。政府内部ではまだ決まったわけではないが、個人的な意見としてはそうだ。」
海への放出についてはひと月前、東電も言及していた。その背景には汚染水問題が喫緊の課題になっていることを示している。東電によれば2022年にはもはや新設するタンクのスペースがなくなる。7月末時点で保管されている汚染水は115万トンと発表している。東電によれば、汚染水は放射性物質の除染処理をしたものだ。除染後でも水素のアイソトープの一種のトリチウムが残っているが、これは比較的毒性が弱く、通常の原子力発電施設では海に放出されていると東電は説明する。
福島第一原発では溜まり続ける放射性汚染水問題が急務となっている。現場ではほぼ保管場所がない状態で太平洋へ流す案が考えられている。
太平洋への汚染水放出は、東電が汚染水保管タンクの建設が飽和状態になっていることに言及後、政府内部では共通の認識になっているようだ。しかし、この放出案は地域の住民や漁業者を不安にしている。また地元ばかりでなく近隣諸国の関心も呼んでいる。長い間悪化した関係にある韓国は、先月、在韓の日本大使を召還し汚染水の処理について説明を求めた。


(原文)
https://www.lastampa.it/esteri/2019/09/10/news/l-acqua-contaminata-della-centrale-nucleare-di-fukushima-potrebbe-finire-nel-pacifico-1.37434820


1987年に止まったSoginの原発の廃炉作業が今年秋からスタートする前に、現在の原発内部が公開された。

2019-06-30 22:26:17 | 原発
CorriereTV / Cronaca il 30 aprile 2019

Viaggio dentro la centrale nucleare di Trino, a Vercelli (le cui scorie non saranno più radioattive tra 500 anni)
1987年に止まったSoginの原発の廃炉作業が今年秋からスタートする前に、現在の原発内部が公開された。

イタリアが国民投票で脱原発を決めてから30年。Trino原発も他の3基(イタリア国内の3原発。北イタリアにはTrinoのほかに、Piacenzaに2基、南イタリア・カゼルタの1基)の原発同様、未だ廃炉作業には手を付けられていない。今年の10月には廃炉作業が開始される予定(但し、規制機関の認可が前提だが)だが、出てくる放射性廃棄物の放射線レベルが危険域以下になるのに500年も要する。廃炉作業には5年と数億ユーロが投資される。しかし、責任者のダビド・ガリ氏は、『シミュレーションではなく、実際に廃炉作業はやったことがない初めての経験だ。』と語る。廃炉作業は予測できないことに満ちているということだ。そしてたとえ、廃炉作業が出来ても、廃棄物は残る。これらは放射線レベルを危険域以下にするまでに500年以上掛かり、その間どこかに保管されなければならないが、その場所もまだ決まっていない。

今回紹介する原発は北イタリア、VercelliのTrinoにある。その原発の内部の今を紹介する。(以下のサイトを見て欲しい)


https://video.corriere.it/viaggio-dentro-centrale-nucleare-trino-vercelli-le-cui-scorie-non-saranno-piu-radioattive-500-anni/702667de-6b22-11e9-9e7e-c3b62bd0716c


放射性廃棄物の国による保管場所の確保は20年以上も決まらないままだ。その間にそうした廃棄物はイタリア全土の関係施設や土地に散り散りに保管されている状態だ。1967年から1987年までの20年間の発電実績は約250億キロワット時。しかし、その結果、現在保管されている放射性物質は約230トンだ。イタリア全土の原発4基では、総発電実績は920億キロワット時。全体として3万㎥以上の放射性廃棄物が保管されており、それらが危険な状態でなくなるのに500年以上掛かるのだ。


以上

原文は上記サイト。



Brexitとイタリアの原発使用済み廃棄物の問題

2019-03-20 15:48:43 | 原発
Corriere della sera il 18 marzo, 2019

Il plutonio italiano agli inglesi
Pagando a Londra 200 milioni
イタリアが英国に2億ユーロ支払ってプルトニウムは引き渡される。

写真はリバプール北のセラフィールドのサイト

まもなくイタリアは保有する1トンのプルトニウムを英国に引き渡すことになるがそのために英国に約2億ユーロを払う必要がある。いまこの合意が経済発展相のDi Maioを当惑させている。
このプルトニウムは1987年に稼働を終えた原発の使用済み燃料から抽出された高レベル放射性物質で英国のセラフィールドで保管されている。経済発展相は古い原発の廃炉を担当するSogin(イタリア原子力発電所廃止措置管理会社)から資料を受け、合意内容を確認しているところだが、合意にはプロトニウムのほか、690トンのウラン(550トンの使用済みウランと140トンの低濃縮ウラン)が含まれているのだ。


Hard Brexit
政府方針の下にあるSoginは急いでいる。先週、合意なきBrexitがあるかも知れない3月29日までに合意に達するために、数日内の追加対応を求めた。実際英国が合意なきEU離脱の場合には、3月29日以降、英国はEuroatom協定(Trattato Euratom: Comunita’ Europea dell’Energia Atomica 欧州原子力共同体)と原子力監視の枠からも離脱することにもなりうる。Soginによれば、放射性物質の複雑な管理の問題とそれに掛かる更なるコストが発生する可能性がある。しかし、以前のSoginの計画では約3億ユーロが見込まれていたので全体としては予算内で問題はないと言っている。だが、値引きと同じで、政府は資料を精査すれば程なく、政府支出の予算は最初は少ないが、結局消費者が電力債を買うことでSoginを金融支援することになるのではないかと疑問を表明。この間もニュースは広く流れ、議会ではFI(Fratelli d’Italia党)のTommaso Foti を初めとした質疑が始まった。

Le perplessità
資金の問題
資金の問題は経済発展相が当惑しているような問題ではなく、少なくとも3つの問題をはらむ。ひとつは、英国核処理機関との交渉における解決のための総額金額の妥当性の問題と交渉開始の問題がある。1トンのプルトニウムは商業的価値はないのか、もっと有利な交渉ができたのではないかということだ。2つ目はこれらの放射性物質が英国の所有物となり自分の利益のために使われるのではないかという問題だ。専門家によれば、これらの放射性物質は軍事的な利用には適さず、一部は稼働中の原発で燃料として使うことも出来る程度だ。しかし、もしも、第4世代の原発技術が実現できれば、これらのプルトニウムは利用できるかも知れない。使用済みウランは事情が異なるものの、対戦車砲のような武器としての利用は可能だろう。

Quanto costano le scorie nucleari all’estero
核のゴミの処理にいったい外国にいくら支払わなければならないのか。
2億ユーロですべての核のゴミ問題での外国への支払いが片付くわけではない。Soginはフランスとも交渉中で、この場合1.3億ユーロを支払うというものだ。これもまた電力債でまかなうことになる。また英国には4つのキャスクに入った核ゴミが残っており、これらは英国との合意によれば、今年度中にイタリアに引き取らねばならなかったのだが、まだ英国に置いたままだ。2025年にはすべてイタリアに返されることになっており、その間、年18百万ユーロ、総額1億6百万ユーロの保管料が掛かる。いまから2025年まで今となっては悪名高い国による供託金(Deposito Nazionale)と言う達成不可能な要請に対応しなければならない。すなわち、2025年以降も、英国は4つのキャスクに対し年18百万ユーロを要求し続けるだろうし、現在フランス国内で保管中の13キャスクに対しても、年60百万ユーロを支払わなければならないだろう。もしも既に認可されているSoginのサイトの一角に保管するということであればその支払いはしなくていいが、そんなことを言い出せる者は政府にはいない。

(原文)
https://www.corriere.it/economia/aziende/19_marzo_18/plutonio-italiano-inglesi-pagando-londra-200-milioni-30e5c30a-49b0-11e9-bd93-d4c05434d013.shtml