La Repubblica 01 giugno 2020
Da Firenze a Roma. In un mese. Il cammino nel cuore dell'Italia sulle orme di Francesco
フィレンツェからローマへ1ケ月の旅。
聖フランチェスコの旅の後をたどる、中部イタリア徒歩の旅
(写真)グッビオの町にある、フランチェスコ通りに面した修道士の居所
驚きに溢れ、アッシジの聖人が残した祈りの場所に散りばめられた景色が続く450キロの道程。それはカマルドーリからバッレ・デル・レアティーノにいたる。ファブリツィオ・アルディートが最近その道を歩き、それについて最新刊の本で語った。ゆっくり楽しむツーリズムの再発見ブームの中で、語られる内容は殊のほか現代的に思われる。
「…私たちが歩んだ、とてつもなく貴重な夢を出来きる限り長く残そうとすること」。この本の最後の文章は本当に特別だ。著者は徒歩の旅を肉体と精神の両面で語る。その内容は、並外れたゆっくりとした歩みで旅することを愛し、またはいつかしてみたいと夢見ている者にとって、心にとどめずにおくことは難しいだろう。本の著者はファブリツィオ・アルディート。ヨーローパ徒歩の旅を語るもっとも著名なひとりだ。私たちを一歩毎に”聖フランチェスコの歩んだ道程”に導く。フィレンツェからアッシジ、そして最後はローマへ。中部イタリア地方の数々の素晴らしい自然と歴史を通して、旅の道程のほとんど汚れない風景が語られる。
200頁のこの本は私たちに単に旅の道筋をガイドするだけでなく、この特別でとても古い旅の仕方の感動的な魅力を紹介してくれる。「何週間にもわたる徒歩の長旅の素晴らしさは、聖フランチェスコの記録にあるように、毎日の極々些細な事の中にも、また豊かに広がる、驚くような複雑な側面の中にも見出される。」 450キロという旅の道程の中で、(アルディート曰く、)「風景は様々な顔を見せ、そうした変化に富んだ風景を十分に私たちに見せてくれるのがまさにゆっくりとした徒歩の旅なのだ。」 最初の針葉樹の木々に続き、”コケで光り輝くブナの木々”、太陽に輝くオリーブとエニシダ、そして柳の木々。”小高い山々、それをつなぐ峠道、そして滝、川、山の頂、それらがこの徒歩の旅の基本的な風景として心に刻まれる。“ もっとはっきり言えば、明らかに旅の中心をアッシジ(北からでも、ローマからでも)にした多様な徒歩の旅を、このガイドブックは(たくさんの回数と年月を掛けて)フィレンツェからローマにいたる、ユニークな道程としてまとめているのです。
そして、フランチェスコ。われわれはすぐに(もっとも優れたサンチャゴへの道のイタリア人ガイドである)アルディートから気づかされる。フランチェスコの道は、幾世紀にも渡りしっかり整えられた数々のルートが示された有名な徒歩の旅とはまったく異なることを。反対に、フランチェスコの道は「現代的なひとつの発見」だ。修道士たちが通ったたくさんの道や場所がひとつとなり、やがて修道士たちの師につながっていることや、修道士たちの歩いた道のいくつかは、素晴らしい経験であるばかりでなく、地理的な道標にもなっているということだ。しかし、この徒歩コースの比類ない魅力を理解するのを助けてくれるのはそうした違いばかりではない。徒歩であることの違いにあるのだ。「修道士たちが説教し、生活していた場所の多くに、いまでもフランチェスコ派信者や信心深い人たちが生活している。」 このことは、本の中でたくさん語られることでお分かりのように、旅人たちにとって、より本質的な魅力をいまも保っている。
さらに、この徒歩の旅の特徴を記しておこう。アルディートは本の序文でこう書いている。「この徒歩の旅はリュックを背負って道を1日歩き続けるという、これ以上はないと言う厳しいスポーツでもある。」 450キロという道程は、サンチャゴの道程のもっとも長い道のりよりも、体力的にかなり負担が大きい。フランチェスコとその修道士たちは“偉大なる徒歩旅行者だった”のであり、“山の尾根や山道を上ったり下ったりしながら”移動していたのだ。トスカーナ州やウンブリア州、平地の北部ラツィオ州にはそんな場所が少なくない。そして道程には1000メーターを越える高低差があることを心しなくてはならないことも珍しくはない。こうして自然と人々の中を歩くことは、フランチェスコの教えそのものであり、それを実感できるのだ。
カマルドーリの素晴らしさの話ではじめたフィレンツェから始まる行程の章の後、行程はラ・ヴェルナの修道院から始まり、トスカーナのアレッツォを通り、ウンブリア州(Citta’ di Castelloとグッビオ)に入り、アッシジに到着する。さらにフォリーニョからスポレート(フランチェスコは”私の谷の町、かわいいスポレート”と書いた)への小道をたどり、ヴァルネリーナを経由して、テルニ、そしてマルモーレの滝にたどり着く。それからラツィオに入る。レアティーノの聖なる谷の町には、グレッチオ、ポッジョ・ブストーネ、フォンテ・コロンボの修道院がある。そしてこのサビーナにあるこの町からローマをめざすことになる。
(前段の説明を受けて)そのような説明は、本の中で示された23の道程がどのように曲がりくねっているかという(地理的な)ことを知るためのガイドとしては物足りない。しかし、大事なのは徒歩の精神性だ。枢機卿のマッテオ・マリア・ズッピは情熱的な序章の中で語る。「徒歩で旅することは私たち自身を見つめさせ、私たちに馬の背から降りることを求めます。フランチェスコがそうであったように。私たちを無用な重い荷物から解放し、必要最低限のものだけを持ち、終いに、私たちは理解にいたるのです。たとえ信頼に足る旅行ガイドだと思えても、美しさや驚きを失わせる多くの旅行ガイドでは役に立たないことを。」 まったく核心を突いた言葉だ。「高速鉄道ならフィレンツェーローマ間を90分で結ぶ。徒歩ではそれがなんと30日掛かる。電車の旅の3分は、リュックを背負った徒歩の旅では3日ということだ。」 読者諸氏の皆さん、これが結論です。
(本文)
https://www.repubblica.it/viaggi/2020/06/01/news/monasteri_cammini_le_vie_di_francesco-258158381/