柏からイタリアニュース

イタリアの今をイタリアメディアの記事からお届けします。

イタリア中部で続く地震。今度はReggio EmiliaでM3.7の地震。

2016-11-30 23:21:04 | 社会
イタリア中部ではまだ地震が続いているようです。

Corriere della sera 2016/11/30より



Terremoto, scossa di magnitude 3.7 in provincia di Reggio Emilia
L’Ingv: << Una nuova sequenza >>
Reggio EmiliaでM3.7の地震。国立地球物理火山研究所はあらたな地震の始まりかも知れないと注意を喚起。

1ケ月前の地震の余震がまだ続いているイタリア中部だが、本日早朝7時前にM3.7の地震がReggio Emilia(PalmaとModenaの間の町)で発生。震源は地下26キロ。一方、8月24日のAmatriceの大地震で影響を受けたイタリア中部では火曜日の深夜12時から11回の地震が観測された。MacerataではM2.4, 震源は地下7キロ。そしてAquilaでも火曜日の夕方M4.4の地震があった。震源は地下14キロ。

12月4日国民投票予定の憲法改正案とは

2016-11-23 18:16:56 | 政治
国民投票が12月4日と近づくにつれ、イタリア各紙も連日、政治家、識者、有名人の賛否両論を載せて盛り上がっています。また同時に欧州の人々の関心も集まっています。ところでこの国民投票の論点とはなんでしょう?以下、簡潔にまとめた記事を見つけましたのでここでお伝えしたいと思います。

(出展) http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H2F_W6A001C1FF1000/


 Q 憲法改正案はどんな内容か。

 A イタリアは上院と下院が内閣の承認を含めてほぼ同等の権限を持ち、両院で多数派が異なる「ねじれ」が生じると政権交代が起きやすい。法改正の審議も難航しやすい。政治の混乱が経済改革を阻んでいる。

 憲法改正案は上院から憲法と選挙法の改正を除いた法案審議や内閣承認の権限をなくし、実質的な一院制にする。上院議員は3分の1に減らしたうえで、選挙で選ばずに地方自治体の代表者らで構成する。

 Q 国民投票の結果は欧州政治にどんな影響を与えるか。

 A レンツィ首相は「否決されれば辞任する」と公言してきた。仮にそうなればマッタレッラ大統領が別の人物を首相に指名するか、議会を解散して総選挙するか決める。総選挙になれば、6月の地方選で躍進した欧州連合(EU)懐疑派の「五つ星運動」が勢いを増しそうだ。

 五つ星はかねて単一通貨ユーロからの離脱を問う国民投票を求めてきた。ユーロ圏で3番目の経済規模を持つ伊で五つ星が第1党になれば、ギリシャ危機を上回る混乱に陥るとみる専門家もいる。6月に英国がEU離脱を決めたのに続き、EU崩壊を決定的にする事態になりかねない。

 Q 銀行の不良債権問題にも影響しそうか。

 A 伊の銀行は総額で40兆円あまりと国内総生産(GDP)の2割にあたる不良債権を抱える。世界経済の不安要因の一つだ。レンツィ政権は経営状態がもっとも深刻な伊3位のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの再建や、小規模銀行の再編に取り組んでいる。政局が混乱すれば問題解消も遠のく。

 Q 憲法改正への国民の反応はどうか。

 A 伊メディアによると世論調査は「反対派優勢」と「賛成派優勢」が混在する。3割前後は賛否を決めかねているようだ。

 レンツィ首相は2014年の就任時こそ国民に圧倒的な人気を誇った。だが景気回復の遅れで高い支持率は衰えた。憲法改正よりも政権への不満が反対派を増やしている面がある。

 Q 政局の安定は伊の長年の課題だった。

 A 7月に施行された下院の改正選挙法が問題視されている。最大勢力に「ボーナス議席」を与える仕組みは以前からある。改正法はボーナスを与える対象として「政党の連合」より「単一の政党」を重視し、政治を安定させる。政党連合は内輪もめで政権が倒れやすい。ただ、例えば大衆迎合主義の政党が選挙で勝利した場合などに政治的な歯止めをかけにくくなる。与党は改正選挙法を見直し始めた。

- 終わり -

Renzi首相就任1000日目41歳。国民投票を前にほえる。

2016-11-22 00:22:19 | 政治
12月4日に迫ったイタリアの国民投票。戦後の憲法の思想と一線を画す今回の憲法改変案。日本ではすでにひとつの政党が両院を多数で占めてしまい、その結果、衆参二院制が本来期待される機能を果たしていない日本の現状を考えると複雑な思いもあります。それにしても首相就任して3年でまだ41歳とはすごいなぁ。

Corriere della sera 2016/11/19より



Referendum costituzionale, Renzi : partita aperta, con il 60 % alle urne saremo noi a vincere
憲法改変の国民投票が近づいている。Renzi首相は「勝敗はまだわからない。投票率が60%以上なら私たちの勝利だ。」と強気だ。
「政府が1000日も続くなんてすごいことだ。過去にはBerlusconiとCraxiのケースがあるだけだ。」満足?「まだまだ。より成長しなければならない。」

ROMA発:Renzi政権になって1000日めの今日、Renzi首相は忙しく過ごした。午前中ベルリンでオバマ、メルケル両氏と短時間の会談を持ったあと、お昼には再びローマに戻って、国民投票の心配をしなければならない。「政治を行うということはただジャーナリズムの調査結果に従っていればいいんじゃないんだ。調査結果に現れた問題を変えていくのが政治なんだ。」「投票先をまだ決めていない人たちがたくさんいる。ジャーナリズムの調査は2016年まだ1つも予想が当たっていないんだ。われわれはいま歴史を作ろうとしているんだ。われわれの目標投票数は全体の60%だ。この国の政治は変化を求めているんだ。」Renzi首相はベルリンから戻って、NCD(Nuovo Centrodestra:新中道右派党)の集会と首相官邸(Palazzo Chigi)で首相就任から1000日目を迎えての記者会見に臨んだ。一方、イタリア中央銀行(Bancaitalia)は、「国民投票のために金融市場のボラティリティ(流動性)に対する強いリスクが懸念される」と警告を発した。これに対し、「今回の改革と経済に関係があるのはわかっている。だが、われわれが今やっているのはカードゲームじゃないんだ。この改革が出来ればPIL(Prodtto Interno Lord:国内総生産)は増え、Spread(スプレッド:金融差益)は減少する。政治が緊張するときにはSpreadが下がるというのは明らかだ。だが、過剰に怖がる必要はない。こうした経済的な影響を避けるためにもわれわれは今回の改革案に賛成してもらおうと頑張っているんだ。」

Coraggio(勇気)は一時の流行りじゃない。国民投票が近づくにつれ日増しにRenzi首相の言葉も慎重になると同時により明確になってきている。今回の改革案の目的の1つはRenziの政党が少数派であることの克服にあることだ。「もしも投票で否決されれば、政党の序列はいまのままだ。勇気という言葉は極めて政治的な言葉だ。なぜなら私たちはいまその変わる勇気を試されているのだから。1000日目を向かえ41歳で、世界の6-7番目とも言われるわが祖国イタリアのために働けることを本当に誇らしく思っている。私たち皆んなの生活を変えたい。改革がうまくいけば、政治は自動的に、というか必然的に、いままで変えられなかったところに届くことになる。政治ばかりではない。情報も、学校も、企業も。今やらなかったらもう二度とこんなチャンスは来ない。Coraggio(勇気)は一時の流行りじゃない。一生懸命仕事をして、公共の仕事の責任を果たしたいだけなんだ。」
私を責めることはたくさんあるだろう。他人の失敗をあげつらう者と、まずは自らの失敗を言う者がある中で、Renziはまず自分の政党であるPD(Partito Democratico:民主党)が少数派であることを認める。「われわれはこの20-30年の間、12月4日の国民的議論の勝利のために働いてきたんだ。確かにこの間に考えを変えた者も一部にはいる。考えが変わるのは知恵のある証拠などと言って。もしそうなら、この国は天才の集まりだね。なぜって、あれほど多くの議員が国会では賛成していながら、今はみんな反対だと言っているんだから。」とGivanni Bersani(イタリアのキリスト教民主党の議員、1914-2014)を引き合いにはっきりと言う。「重要なことは、この合意にたどり着くまでに何年も何年もかけてきたということ、そしてようやくその果実を享受できること、人々に向かって訴えられるということなんだ。ここで止めてしまったらお終いだ。3回賛成して最後はやれ重要ポストがなくなっただの、大臣でなくなっただの、党大会だってそうだろなどと考えを変えるという歴史の繰り返しだ。こんな歴史が政治行動に残りつづけるのだ。支離滅裂というより、政治の堕落そのものだ。」とPDの元党首を持ち出す。そして「私を責めることはたくさんあるとしても、PDの支持者で賛成する人の比率は90%というとんでもない数になるだろう。」とRenzi首相は楽観している。

フィリピンの若者たちの暴力沙汰

2016-11-20 01:13:24 | 社会
さて前回に続いてミラノでのフィリピンの若者の刺傷事件です。場所はPiazza Citta’ di Lombardiaです。Viale Melchiorre Gioiaの隣の通りです。(Piazzaの呼び名にかかわらず、広場ではなく通りのようです。)かってミラノに駐在していたときの会社の所在地がViale Melchiorre Gioiaでした。場所柄が想像できるような。

Corriere della sera 2016/11/19より




Ancora violenza in centro a Milano
Due giovani accoltellati : sono gravi
ミラノの中心街でまたも殺傷事件。2人の若者が刃物で刺され、重傷。

ロンバルディア州の新庁舎前でフィリピン人同士の衝突があり、今日内務大臣Angelino AlfanoはGiuseppe Sala市長と州知事に案内されてミラノにやってきた。

今回衝突した2つのグループはともにまだ少年のグループだ。一人は16歳で喉を切られて病院に運ばれた。またもう一人はまだ成人になったばかりだが、喉、背中などからだの複数の場所を刺された。どちらもフィリピン人だ。目撃者の言によれば、病院に運ばれる様子はpiazza Citta’ de Lomabardianoの明るい現場で起こったまるで荷物の発送のようだった。
Piazzale Loreto で発生した殺人事件(37歳のドミニカ人が二人の男に殺されてまだ逃亡中)からわずか1週間足らずで、内務大臣のAlfanoがミラノ市長のSalaと軍の出動を議論しようとミラノにやってきてからわずか数時間での新たな事件だ。2人の被害者は重傷だ。カラビニエリは2人を発見し、止めたが、血のついたナイフを持ったまま逃げられてしまった。

一体背景にはなにがあるのか。事件のあったのは22時29分で、事件の様子は監視カメラで警察に見られていた。事件の動機はカラビニエリが調査中。事件現場の広場に残された犯行の跡ははっきりしている。負傷した若者たちのグループは新ピレッリビルの入り口の1つの前で酒を飲んでいたところだった。10人の男女の若者が雨をしのぐためロンバルディア州ビルの宣伝用ボードの上に座っていた。そこにはジュースの箱が4つ、シーバスリーガルのビン、オレンジ風味の酒ビンがそれぞれ1本、近くのスーパーで買ってきたと思われるハムの残り、ナッツのつまみが残っていた。10メートルほど先には50センチ径の血の固まりが残っていた。州ビルの警備の話:「うちの同僚が遠隔カメラで見ていたんだ。それで僕が飛び出したんだが、若者グループが逃げていってしまった。地べたには一人の若者が倒れていて、友人たちが彼の喉の傷口の手当てをしていた。出血がひどく、背中にも傷を負っていた。」この負傷したわかものもまたフィリピンの18歳の少年だ。実はミラノではフィリピン人がもっとも多い外国人でその数は4万人を超えている。これが大きな問題のひとつになっている。彼ら東南アジアから来た若者たちの間にShabooやMetanfetamina(ともに麻薬の一種と思われる)が拡がっており、いまやミラノの若者たちの間にも拡がりつつある。
地下鉄でも事件だ。ライバル同士の若者グループが出会った結果だろう、メトロ2のプラットフォームで16歳の少年が負傷しているのが見つかり病院に運ばれた。倒れたときはもう一人の友人が一緒だった。この場合も傷は喉を切られるというものだった。州ビルと中央駅は歩いて300メートルの距離しかない。負傷した若者は襲撃から逃れ、この地下鉄に逃げ込んだものと思われる。襲撃側の若者もまたGioia駅に逃げ込んでいた。結局2人のフィリピン人の若者は襲撃からわずか数分後にカラビニエリに捕らえられた。

犯罪のはびこるVia Padova

2016-11-17 14:03:39 | 社会
Milanoは3年半住んだ町です。今ミラノでは海外からの入国者の暴力事件が大きな問題となっているようです。Via Padovaも何度も通ったであろう通りです。記事では事件は一時より少なくなったようですが、それでも混沌として犯罪の温床の地域になっているようです。もちろん、イタリアの大都市ですから以前からマフィア関連の暴力や殺人事件はあったのでしょうが。この手の記事は日常の情報をフォローをしていないと辞書にも載っていない単語や名称が多く翻訳はとても難しいことを痛感します。

Corriere della sera 2016/11/15より



Milano, la violenza delle gang latine
麻薬とケンカと殺人がはびこるイタリア.ミラノのVia Padova。El Gatoの義勇軍が町を守っているなんてうそぶいている町。

Via Padovaを取材しようと思ったら、Gatoの規則に従わざるを得ない。「ここはまったく安全さ。若い連中が市内やVia PadovaやTrotter広場からいつもやってきて見回りをしてるのさ。Finocchio(ホモ野郎)やfigli di puttana(日本語の適当な言葉が見つかりません。いずれにせよ、侮蔑の言葉)を見つけるんだ。そして俺たちが罰するかどうかを決めるのさ。」

El Gatoはサンサルバドル出身の32歳の男。本名はJose’ Hernandez Cabrera。この男が、Barrio18(別のギャング団のMs13のライバル)の頭目として捕まったのは、Piazzale Loretoから環状線の東口まで続く大通りで、Gatoが足を踏み入れることさえ出来なかった地区だった。ここにいたるまではひとつの戦争のようなもので、最近数年間でもミラノの町で10人が死んだ。

最近の事件で死んだのは、Antonio Rafael Ramirez, 37才のドミニカ人だ。Via Padovaにある床屋から外に出てきてから二人の男が後を追い、Loreto広場に来たところで拳銃とナイフで殺された。突然の凶行に交通は混乱、道行く人々も恐怖で抱き合うばかりの中、凶行の場面を撮っていたCariparmaの監視カメラも無視して凶行は行われた。Ramirezは凶行の2日後にSan Raffaele病院でなくなった。これまでの捜査によれば、この事件の背景には、Ramirezがドミニカ人の暴力組織であるTrinitariosのルールを守らず、この地区の南側に位置するRozzanoのドミニカ人支配地区の外で麻薬を販売したり暴力沙汰を起していたことがあるようだ。この町では、カラブリアやセルビアやアルバニアの暴力団が100キロ単位の麻薬販売をしているというのに、一方でこの白い粉数100グラムで殺し合いがおきているのだ。

Via Padovaはいまや無法のシンボルだ。たった4キロの通りに50以上の国籍の人間が住んでいる!! かってVia Padovaは社会として機能していたし、今だって人々が共に暮らしていける場所のはずだ。しかし、実際には郊外、通りを横切る鉄道の外側のほうが安心して暮らせるのだ。Loreto広場からVia Cavezzali, Via PadovaとVia Coneglianoの交差点、Via Clitumno, Via Chavez, Via Arqua’。これらの町はみな絶望と犯罪の町だ。

雑居アパート化した古いアパートの転貸を管理している者が、持ち主のイタリア人がこの町を捨てどこかに行く場合にはそのアパートを現金で買い取ることもある。お店の中には、スペイン語の看板を出したり、南米のスラングのメニューを作ったりしている店もある。ダブリンバーの立ち席の2人の中国人の背後ではカラビアンの音楽。ペルー人、ドミニカ人、ボリビア人の席では水を飲むようにしてビールを飲んでいる。それも冷蔵庫に冷やす時間もないくらいの勢いで。Via PredabissiとVia Giacosaが交わる交差点にあるジェラート屋のMago del Gelatoでは、2人のペルー人と一人の女がお茶とビールを交互にちびちび飲んでいる。アルコールで目は虚ろ、話している言葉もろれつが回っていない。

今は麻薬販売を見張っていたPandillerosはいない。Via Arqua’の広場でナイフで夜になると切り合っていたエジプト人やモロッコ人もいない。不可侵のような建物については警察やカラビニエリが自嘲気味に語る。酔っ払い同士の口論だったのに突然大喧嘩になることもある。Via Padovaの心臓部たる中心街では二人一組でパトロールする。何せここは国勢調査さえやっていない町だ。本当の姿を変装で隠している者、人から金を掠め取る者、犯罪の逃亡者、それに老親を養い、生活の糧を得るのに必至な男女たち。一方で今しがた南米から着いたばかりであっという間にこの町のルールに染まる若者たち。そんな若者たちがナイフや拳銃を持ち歩き、モロッコ人を襲ったり、麻薬密売人から巻き上げたりする。とりわけVia Padovaがその温床だ。