Milanoは3年半住んだ町です。今ミラノでは海外からの入国者の暴力事件が大きな問題となっているようです。Via Padovaも何度も通ったであろう通りです。記事では事件は一時より少なくなったようですが、それでも混沌として犯罪の温床の地域になっているようです。もちろん、イタリアの大都市ですから以前からマフィア関連の暴力や殺人事件はあったのでしょうが。この手の記事は日常の情報をフォローをしていないと辞書にも載っていない単語や名称が多く翻訳はとても難しいことを痛感します。
Corriere della sera 2016/11/15より
Milano, la violenza delle gang latine
麻薬とケンカと殺人がはびこるイタリア.ミラノのVia Padova。El Gatoの義勇軍が町を守っているなんてうそぶいている町。
Via Padovaを取材しようと思ったら、Gatoの規則に従わざるを得ない。「ここはまったく安全さ。若い連中が市内やVia PadovaやTrotter広場からいつもやってきて見回りをしてるのさ。Finocchio(ホモ野郎)やfigli di puttana(日本語の適当な言葉が見つかりません。いずれにせよ、侮蔑の言葉)を見つけるんだ。そして俺たちが罰するかどうかを決めるのさ。」
El Gatoはサンサルバドル出身の32歳の男。本名はJose’ Hernandez Cabrera。この男が、Barrio18(別のギャング団のMs13のライバル)の頭目として捕まったのは、Piazzale Loretoから環状線の東口まで続く大通りで、Gatoが足を踏み入れることさえ出来なかった地区だった。ここにいたるまではひとつの戦争のようなもので、最近数年間でもミラノの町で10人が死んだ。
最近の事件で死んだのは、Antonio Rafael Ramirez, 37才のドミニカ人だ。Via Padovaにある床屋から外に出てきてから二人の男が後を追い、Loreto広場に来たところで拳銃とナイフで殺された。突然の凶行に交通は混乱、道行く人々も恐怖で抱き合うばかりの中、凶行の場面を撮っていたCariparmaの監視カメラも無視して凶行は行われた。Ramirezは凶行の2日後にSan Raffaele病院でなくなった。これまでの捜査によれば、この事件の背景には、Ramirezがドミニカ人の暴力組織であるTrinitariosのルールを守らず、この地区の南側に位置するRozzanoのドミニカ人支配地区の外で麻薬を販売したり暴力沙汰を起していたことがあるようだ。この町では、カラブリアやセルビアやアルバニアの暴力団が100キロ単位の麻薬販売をしているというのに、一方でこの白い粉数100グラムで殺し合いがおきているのだ。
Via Padovaはいまや無法のシンボルだ。たった4キロの通りに50以上の国籍の人間が住んでいる!! かってVia Padovaは社会として機能していたし、今だって人々が共に暮らしていける場所のはずだ。しかし、実際には郊外、通りを横切る鉄道の外側のほうが安心して暮らせるのだ。Loreto広場からVia Cavezzali, Via PadovaとVia Coneglianoの交差点、Via Clitumno, Via Chavez, Via Arqua’。これらの町はみな絶望と犯罪の町だ。
雑居アパート化した古いアパートの転貸を管理している者が、持ち主のイタリア人がこの町を捨てどこかに行く場合にはそのアパートを現金で買い取ることもある。お店の中には、スペイン語の看板を出したり、南米のスラングのメニューを作ったりしている店もある。ダブリンバーの立ち席の2人の中国人の背後ではカラビアンの音楽。ペルー人、ドミニカ人、ボリビア人の席では水を飲むようにしてビールを飲んでいる。それも冷蔵庫に冷やす時間もないくらいの勢いで。Via PredabissiとVia Giacosaが交わる交差点にあるジェラート屋のMago del Gelatoでは、2人のペルー人と一人の女がお茶とビールを交互にちびちび飲んでいる。アルコールで目は虚ろ、話している言葉もろれつが回っていない。
今は麻薬販売を見張っていたPandillerosはいない。Via Arqua’の広場でナイフで夜になると切り合っていたエジプト人やモロッコ人もいない。不可侵のような建物については警察やカラビニエリが自嘲気味に語る。酔っ払い同士の口論だったのに突然大喧嘩になることもある。Via Padovaの心臓部たる中心街では二人一組でパトロールする。何せここは国勢調査さえやっていない町だ。本当の姿を変装で隠している者、人から金を掠め取る者、犯罪の逃亡者、それに老親を養い、生活の糧を得るのに必至な男女たち。一方で今しがた南米から着いたばかりであっという間にこの町のルールに染まる若者たち。そんな若者たちがナイフや拳銃を持ち歩き、モロッコ人を襲ったり、麻薬密売人から巻き上げたりする。とりわけVia Padovaがその温床だ。