柏からイタリアニュース

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ピアチェンツァーアドリア海間のポー川で船の航行が再開した。

2018-03-24 13:55:28 | 社会
Corriere della sera 23 marzo 2018 (modifica il 23 marzo 2018 | 20:04)

Il Po è tornato navigabile dall’Adriatico a Piacenza
ピアチェンツァーアドリア海間のポー川で船の航行が再開した。

ポー川の中州島、セラフィーニでイタリア最大の河川事業が完成したのだ。観光や河川交通への寄与が期待される。

679キロのトリノーベネツィア間が待ちに待った自転車での旅行ができるかも知れない。3月23日、ピアチェンツァとアドリア海間がつながった。この工事には47百万ユーロが投じられた。うち、20%がEUからの支援。この日の最初の船は、観光会社のストラディバリ社の船だった。堰の両端を結ぶ、幅2.5メートル、長さ115メートルのテープが切られた。

これからの観光と河川交通について
「今回の堰の完成で、ポー川沿いの地域における経済の活性化が多いに期待される。」とエミリア・ロマーニャ州知事のステファノ・ボナッチーニは語る。「ポー川を利用した交通が進めば、経済効果ばかりでなく、車両の交通を減らし、渋滞を緩和し、空気汚染の改善にもつながるでしょう。」

魚への配慮
セラフィーニの堰はポー川で唯一の実際に稼働する堰となる。川の水面レベルによって数分で4メートルから13メートルに高さ変更ができる。2千トンまでの積載、且つ最大積載時の船の喫水が2.5メートルの船が通行できる。今回の堰ができる前のものは1962年にENELが造ったもので、ポー川の河床が狭くなったため、約20年前に使われなくなっていたもの。堰の脇には魚の遡上のための通路もある。いまや希少種の魚、たとえばstorione cobice (Acipenser naccarii)もアドリア海からポー川を西へ遡上し、やがてはルガーノ湖までたどりつくことだってありうる。

(原文)
http://www.corriere.it/scienze/18_marzo_23/po-navigabile-adriatico-piacenza-0e4a5ac0-2ec4-11e8-bf8b-26a1a7e4d9dd.shtml

総選挙結果は予想通り、過半数を制した政党はなく、今後の各党の連携の動きに注意。人気はM5S党首のDi Maioがトップ。

2018-03-07 17:35:11 | 政治
Corriere della sera 2018.03.06.

Un italiano su tre favorevole all’intesa tra M5S e Lega. Il 51%: nuovo voto

3人に1人がM5SとLegaの連携を支持。51%の人々が従来とは異なる政党に投票した。またM5SとPDの連携を支持したのは29%。40%の人がDi Maioが首相になるべきと考え、Salviniを支持したのは21%にとどまった。

今回の選挙の勝利者は、M5Sが第1党、それに、Lega、中道右派を率いるForza Italiaが続く。M5Sが”すべての政党”と話し合う用意があるというのに対し、LegaのSalviniは”おかしな同盟”には反対と語る。しかし、共通した点は、おそらく、どちらにとっても不可欠な存在で、いずれにせよ、両者が連携して政権につくことが望ましいシナリオだ。グリッロ支持者とLega支持者が連携して政権に就くことは、32%の人々が望んでいる。La7(TV局)の番組、DiMartediが行ったIpsosの調査によれば、その次に選ばれたのは、29%がM5SとPDの連携、だれも、最大多数の中道右派さえ支持していなかった16%の人々が、今回の選挙後、PDを少数政党とみなし、Silvio BerlusconiとSalviniと Giorgia Meloni の連携を支持しているようだ。

しかし、多数のひとにとって、連携するのは簡単ではないようだ。51%の人々がまた近いうちに総選挙になるのではないかと考えている。調査機関のNando Pagnoncelliによれば、今回の選挙の結果、安定した政権ができると考えているのはわずか30%。32%の人々がイタリアの将来を信じているのに対し、58%の人々は不安を抱いているのだ。政党間の交渉や大統領府の協議はまだ始まっていないが、40%の人々がM5SのDi Maio党首が政府リーダーにふさわしいと考え、Salviniを支持しているのは21%にとどまる。実際、Di MaioのM5Sの獲得票数はSalviniのLegaの約2倍だった。51%の人々がM5Sを政府指導者に推すのに対し、Legaを押しているのは24%だ。そして残り25%の人が現時点応えることを控えた。少数とは言え、今回の選挙の大敗、結党以来の最低当選者にもかかわらず、PDに信頼を寄せる人々もいる。2人に1人がPDは再び戻ってくると信じ、一方、39%の人はPDは完全に終わったと考えている。

(原文)
http://www.corriere.it/elezioni-2018/notizie/italiano-tre-favorevole-all-intesa-m5s-lega-51percento-nuovo-voto-elezioni-2018-d3e79dc0-218a-11e8-a661-74ccbd41f00f.shtml

イタリアの選挙制度について

2018-03-05 17:44:18 | 政治
Corriere della sera 2018/3/3

Come si vota

Elezioni 2018, ecco il vocabolario: da «disgiunto» a «plurinominale»
2018年イタリア総選挙の用語解説
今選挙の選挙方式はRosatellumと呼ばれるが、この半世紀、イタリアでは12回選挙の方法が変わってきた。Sabino Cassese が「民主主義とその限界」の中で言っているように、イタリア人はその都度新しい投票方法を勉強してきたわけだ。

Rosatellumロザテッルムとは

これが現在のわれわれの選挙方式だ。名前はローマ時代風の古典的な響きがあるが、この方式は下院の民主党の議員、Ettore Rosatoの名前に由来する。-umという語尾自体は、1993年に、後に大統領になったマッタレッラ議員が実行した選挙方式に対し、Giovanni Sartori議員が名づけたMattarellumに由来する。Mattarellumm以来、あらたな選挙方式ごとに、il Tatarellum, il Mastellum , il Porcellum, l’Italicum, il Consultellumなど名前がつけれてきた。

Maggioritario 小選挙区
Rosatellumの選挙方式は2つの方式からなり、小選挙区方式と比例方式からなる。比例方式は社会の構成をずばり反映する方式だ。ある党が32%得票すれば、32%の議席を得る。他方、小選挙区方式は、より政治の安定性に重きを置いた方式だ。この方式では、政府はより強い権限を持ち、政権も長く続くことになる。具体的には、前回の選挙(Porcellum)では、より多くの得票した党が、より多くの議席を獲得することができた。今回のRosatellumでは、単記名選挙区方式がとられた。

Collegi uninominali 単記名選挙方式とは
この方式では、イタリア全土を下院では232の選挙区に、上院では116の選挙区に分けるものだ。(Mattarellumではそれぞれ475選挙区と232選挙区だった。)この方式では他の候補より1票でも多く獲得すれば、1議席を獲得できる。これがRosatellumの特徴だ。だから、理論的には、各選挙区で40%しか得票しないのに、すべての議席を獲得するなんてこともありうるのだ。こうした方式はフランスや英国でも採用されていて、憲法学者のTemistocle Martinesが言うように、小政党が乱立することを防止し、個別の議員の議会に対する発言権を強化する機能がある。ただし、Rosatellumは2方式選挙の仕組みなので、全議員の3分の1がこの小選挙区方式で選ばれ、残りの3分の2が比例方式で選ばれる。しかし、この2方式制度について、Sartoriは逆にむしろ政治権力をより分散化するものであると指摘している。

Mattarellum マッタレルムについて
マッタレルムの方式で過去3回選挙が行われている(1994,1996,2001年)。 この方式は今回の選挙同様、小選挙区・比例代表制だったもの、違いが大きい。それは、比例区の割合が、マタレルムでは、4分の1なのに対し、今回は3分の2なのだ。議員個人に対する投票が妨げられたということだ。

Voto disgiunto 議員個人に対する投票について
マッタレルム方式では、比例では政治的な支持として政党に、小選挙区では議員個人に対する支持として投票することができた。だが、ロザテッルム方式では、議員個人に対する投票はできない。多数支持のある政党とは異なる政党に投票するということは、すなわち、その投票は無意味になるということだ。結果的に、投票者の投票は議員個人に対するものより、所属する政党に入れられることになるのだ。まさにSabino Casseseが言うように、この制度はまず第一に、政府を選ぶのではなく、議会を選ぶ制度であり、国民はその議会を通して、第2段階として、マッタレルム制度の下、政府を選ぶことになるのだ。政党がまた戻ってきたということだ。政党が議員を選び、さらには、政府を選ぶということだ。

Turno unico小選挙は決戦投票なし
小選挙区では決戦投票方式はとらない。フランスでは決戦投票があり、イタリアでも1万5千人以上の住民のコムーネの市長選挙では決選投票が行われている。決選投票は、政治の図を単純化するという長所があり、政党間で合流や合同を促す効果も期待できるにもかかわらず、司法によって、拒否されている。

Collegi plurinominali  中選挙区について
これはRosatellumの比例方式選挙といえる。その特徴は、選挙区数が選ばれる議席数より少ないということだ。その結果、選挙区からより多い議員が選出されるということ。問題は、とりわけ、政党の選抜名簿に載った候補者が選出されるということだ。

Listini bloccati 政党の拘束名簿について

マッタレッルム以前の比例選挙のシステムでは、投票者は名簿に載った30名の候補者の中から自由に自分の望む人を選ぶ事ができた。アンドレア・マンゼッラが1991年に出した『国会』の本の中で、この方法がいかに民主主義にとって重要かを説明していたものだ。実際、憲法裁判所も政党の書記局が作った候補者を選ぶということは、投票者が自分の望むことを表現することができるという意味だけにおいて、国民の投票権を侵害をしていないだけだと言っている。しかし、このやり方は、結局、国民投票の対象になってしまうだろう。というのも、この複式投票を通して投票結果が同一視されてしまい(この投票方法では、投票者は決まった順番に並んだ候補者の名前もしくは順位の番号を書いて選ぶしかない)、不正な候補者が票の不正な操作ができてしまっていたということだ。このようなごまかしを排除するには、投票者が1票でひとりの候補者を選ぶという方法にするだけで充分だったろう。だが、結局、この方法は破毀された。本日のロザテルムでは、投票者は2名から4名の候補者が載った拘束名簿から選ぶしかない。政党を選ぶということが、すなわち、候補者への投票ということになるわけだ。

Soglie di sbarramento 最低得票数

比例割合で極端に得票数の少ない政党は当選無効となる。単独の政党としては3パーセント、連立政党グループとしては10パーセントが最低ラインだ。

Democrazia diretta e democrazia rappresentativa 直接民主主義と代議制民主主義
ジャン・ジャック・ルソーは、『君主は代表者にはなり得ない。英国人は自分は自由だと信じている・しかし、それは大きな間違いだ。自由なのは議員を選ぶ選挙のときだけ。選挙が終わった途端、また奴隷に逆戻り。それだけ。』と言っている。であれば、3月4日はわれわれの唯一の自由の日というわけだ。カッセーゼによれば、直接民主主義は実際は不可能だと。ノルベルト・ボッビオもまた、投票者の多くの人々が参加できるという意味では望ましいことだが、『民主主義の未来』の中で、すべての人がすべてのことを決めるなんて実際には不可能だと書いている。というわけで、われわれは代議制民主主義と選挙で満足しなければならないということだ。それが国家においては国にかかわる決定に市民が重きをなすもっとも良い方法だからだ。


(原文)
http://www.corriere.it/elezioni-2018/notizie/elezioni-2018-ecco-vocabolario-disgiunto-plurinominale-4ddd52fa-1df8-11e8-af9a-2daa4c2d1bbb.shtml