柏からイタリアニュース

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イタリアの原発最新事情

2023-07-04 10:48:12 | 原発
Corriere della sera 3 luglio 2023 | 06:48

Dataroom

Nucleare: i 4,3 miliardi di euro «rubati» sulla bolletta elettrica in oltre 20 anni
di Milena Gabanelli

イタリアの原発最新事情:この20年以上で43億ユーロが電気料金に上乗せされてとられていることをご存じだろうか?

放射性廃棄物と放射能汚染設備の管理にこれまで43億ユーロが費やされている。それだけ費やしてそれでも廃棄物も設備もそのままだ。1987年に国民投票で原発廃止が決まった。1999年にSogin、すなわち原発廃棄の処理と管理をする国策会社が設立された。当初の計画では2019年に完了し、コストは37億ユーロと見積もられていた。しかし、2023年現在、1977年運転開始のSaluggia原発はじめとして、Triasaia原発、Torino原発もその原発内の液体放射性廃棄物は手も付けられず、危険な状態のままだ。原子炉設備の解体は始まってもいない。

こうして、毎年1.2億ユーロが費やされている。当初のSoginの計画では、2036年までに約80億ユーロで完了するとしていた。しかし、いまでは今後いくらかかるかまったくわからない。ただひとつはっきりしているのは、Sogin運営(解体開始までの設備維持と人件費)に毎年1.2億ユーロがかかるということ。従事者は600人から1050人で推移している。現時点では900人だ。一体何をしているのか?

一体この責任はどこにあるのか?
3つ考えられる。ひとつは財務大臣がSoginの株主であること。二つ目は監督者がこの20年の間に産業大臣から経済発展大臣、そしてエネルギー移行大臣(その後、環境・エネルギー安全保障大臣に名称変更)に変わってきたこと。三つ目はエネルギー庁(Arera)がSogin自身が作る行動計画の予算についてSoginを支援しなければならないこと。3年毎に時の政府は新たなCdaを指名するが、どの政府も任期中のCdaを承認してこなかった。任命された人物がそんなひどかった?最初に指名されたのはRaffello De Felice。続いて、Giancarlo Bolognini, Giuseppe Nucci, Massimo Romano. そして2019年Berlusconi 政権時にはFrancesco Mazzuca. 2010年以降では Giuseppe Nucci, Riccardo Casale, Luca Desiata。最後はEmanuele Fontaniだ。確かにこの20年間の結果を見れば、これらの人はみなきっと能力に欠けていたというべきだ。

Areraの決定を分析すると、決まった法則があることがわかる。どのCdaも担当の3年間簡単な目標で全体計画を立て、面倒なことは次の担当者に回してきたのだ。これを繰り返して今日のとんでもない状況になっているのだ。かつ計画が遅れても誰も責任を取らないというAreraのいい加減さが今日まで続いているのです。

続く


(本文)
https://www.corriere.it/dataroom-milena-gabanelli/nucleare-43-miliardi-euro-rubati-bolletta-elettrica-oltre-20-anni/ad1d3716-18b7-11ee-9831-52b9a1a1d955-va.shtml



イタリアの国民投票で原発を止めてから35年。もはや原発は恐れる必要はないのか?

2022-02-27 18:39:29 | 原発
Corriere della sera 27 febbraio 2022 (modifica il 27 febbraio 2022 | 10:12)

Trentacinque anni dopo il referendum, l’energia nucleare non deve fare più paura?
di Stefano Agnoli
イタリアの国民投票で原発を止めてから35年。もはや原発は恐れる必要はないのか?
福島の原発災害は引き戻せない一線を引いたものと思っていた。しかしどうやら少し変わってきているようだ。フランスは2050年までに14基の新世代型の原発を新設する計画だし、中国も同様。日本でさえ10基を再稼動している。EUでも検討している。以下では原発を考えるための6つの視点を提供しよう。


1. AFFIDABILITÀ: LA GENERAZIONE QUATTRO DEI REATTORI
È SOCIALMENTE ACCETTABILE ? 信頼性:第4世代の原子炉は社会的に受入れ可能か?

2. CONTABILITÀ: I 439 REATTORI OGGI OPERATIVI È GIUSTO DURINO PER 60 ANNI?会計上の問題は無いのか:現在稼働している439基の原発が60年も稼働するというのは正しいのか?

3. COSTI: GLI IMPIANTI DI MACRON COSTANO PIÙ DEL PREVISTO?コスト:フランスのマクロン大統領が新設しようとしている原発施設のコストは当初の計画よりも増えないのか?

4. SICUREZZA: A REGIME TROPPO TARDI I PROGETTI USA PIÙ FLESSIBILI?安全性:

5. IN MINIATURA: QUALI SONO I VANTAGGI DI REATTORI PIÙ PICCOLI ?原子炉の小型化:小型化原子炉の利点とは?

6. NUOVE VIE: RIPRODURRE LA FUSIONE DELLE STELLE È LA STRADA?
新たな技術革新:核融合以外にないのか?

(本文)
https://www.corriere.it/sette/attualita/22_febbraio_27/trentacinque-anni-il-referendum-l-energia-nucleare-non-fa-piu-paura-bf92e134-93d4-11ec-b277-6e3576ab2932.shtml?refresh_ce

ロンバルディア州マントバに新たな原発か?

2021-10-01 15:10:04 | 原発
Corriere della sera 15 set 2021

Nucleare: nuovo impianto in Lombardia? L'ipotesi Mantova. «Ma servono almeno 10 anni»
原発:ロンバルディア州マントバに新たな原発か?「しかし、少なくとも10年はかかるだろう」



La mappa delle ex centrali nucleari in Italia

建設場所は地震の無いところで川がなければならない。川は原発で生じる蒸気の冷却をしなければならないからだ。もちろん、人口密度も低いこと。たとえ実現の計画が最終的に15~20年遅れたとしても、第4世代の原発になるだろう。核分裂に関する研究投資がされている最先端の技術は、核燃料のもっとも利用上の利点に優れたもの、すなわち生み出される電気エネルギー量が同じ条件で、放射性廃棄物が少なく、地下に埋めることが可能で(例えば地下4-500メートルに)ある技術だ。さらに将来はle ventrali a fusione(熱核融合技術?)というゲームチェンジャーの技術が期待される。

まだ詳細な計画は未定なるも、ロンバルディア州の関係筋の話しでは、ポー川に近接するマントバ近郊の地域を検討してようだ。この構想は古くは70年代中頃に当時の工業大臣のCarlo Donat Cattinによって、選択肢の一つとして発表されていたものだ。昨日サルビーニは、Legaは原子力について何のイデオロギー的な偏見は持ってないことを示した。「コストが下がる限りにおいて、ロンバルディア州に原発を作ることに何の問題があるって言うんだ。」 この発言は、2度のイタリア国民投票(チェルノブイリ大災害のあとのイタリア人の原発に対する不信や、2011年の日本を襲った壊滅的な地震に伴う福島原発事故への恐怖)にもかかわらずだ。

ロンバルディア州は常にこの件では関係が深い。現在イタリアに存在する4つの原発のうち、2つがすぐ側にすでに存在しているのだ。すなわち、1つはヴェルチェッリのTrino Vercellese原発、もう一つはピアチェンツァの Caorso原発だ。そのほかにヴェルチェッリにあるサルッジャ核燃サイクル施設や、アレッサンドリアにあるボスコ・マレンゴの核燃料生産のFn施設、ヴァレーゼのIspra-1研究炉も忘れてはならない。パドバ大学のエネルギー技術と経済、及び核施設の教授であるGiuseppe Zollinoは、試験に入るまでに少なくと10年は掛かるだろうと語る。施設の場所選定、すべての許認可の取得、そのうえでまったく新たな建設だからだ。

Zollino教授は著名な研究者だ。かってSoginの社長だった。Soginという会社は、核施設の廃炉と放射性廃棄物の安全な処分を目的とする会社だが、その目的を未だに実現できていない。経営コストの点でイタリアの大きな問題の1つだ。例えば2020年度、そのコストは40億ユーロだった。うち労働コストは25%で、元々3.7%といわれていたのに。また、2003年のバジリカータ州Scanzano Jonicoで起こった反対運動も忘れてはならない。住民たちは国による核廃棄物の保管に対し反対運動を繰り広げたことを。そしてそれは今でも続いている。そのことで、イタリアは何年もEU法の違反手続きが続いている。

イタリアではあえて議論の輪郭をはっきりさせないことで長い承認期間が掛かっているにもかかわらず、Zollinoは事前に選択肢を排除すべきでないと考えている。だがしかし、一基の原発でゼロ・エミッションで年8000時間電気を作ることができるのだ。すなわち、排出ガス削減目標に近づくことが出来る緑のエネルギーなのだ。「実際、原発が作られる国で設備の平均コストを考えた場合、電気生産コストは、例えば8000時間の運用で、1キロワットあたり5~6チェンティズモになると思われる。これは太陽光発電に比し若干高い。しかし、蓄電システムが必要なこの持続可能な技術(太陽光発電)と比較して、原発には継続的な発電が可能であるという利点があるのも事実だ」とZollinoは語る。

(原文)
https://www.corriere.it/economia/consumi/21_settembre_15/nuovo-impianto-servono-almeno-10-anni-vecchia-ipotesi-mantova-cc0779d6-165a-11ec-a86d-66613f8ffd7b.shtml

日本政府は福島の放射能汚染水を海へ放流する計画か。

2020-10-17 11:29:43 | 原発
ANSA.IT 16 ottobre 2020 15:38

Fukushima, il governo verso il rilascio di acqua radioattiva in mare
In meno di due anni finirà spazio di stoccaggio nelle cisterne
日本政府は福島の放射能汚染水を海へ放流する計画か。2年以内に汚染水タンクを保管スペースは満杯になる。


日本の報道機関によれば、日本政府は福島の原発事故で損傷した原子炉の冷却水を海に放出する準備をしているようだ。報道によれば、環境への影響が議論されているにもかかわらず、今月末までに決定される可能性がある。今年初めすでに政府は、汚染水の海への放出か、大気中への蒸発を現実的な解決策として判断していた。
一方、漁業組合や住民たちは反対だ。同地域の海産物への需要の崩壊を招きかねず、同地域の環境への影響も恐れているのだ。読売新聞の記事によれば、日本政府は地域の自治体当局と対話を進め、地方の産業活動の計画作りを議論するための専門家員会を立上げる予定とのこと。海への放出については原子力規制庁の承認と汚染水の放流のための設備が作らねばならないが、それには少なくとも2年はかかるようだ。

汚染水はALPSでフイルター処理され、63の核種のうち、62核種が除去される。残る1核種はトリチウムだ。東電によれば、汚染水は毎日170トン発生しており、汚染水タンクの置きスペースは2022年の夏には満杯になると予想されている。
福島県の資料によれば、現在1044のタンクに123百万トンの汚染水が保管されている。今年の2月、AIEA代表のRafael Grossi氏が福島第1原発を視察した際、同氏は汚染水の海洋への放出は国際基準に合致していることを認めていた。菅首相は、最近福島原発を訪れた際に早急に決断する意向であることを示した。


(本文)
https://www.ansa.it/sito/notizie/cronaca/2020/10/16/fukushima-il-governo-verso-il-rilascio-di-acqua-radioattiva-in-mare_b79ba63e-48c7-42c2-ba69-94acae3d4e92.html

オランダで異常なレベルの放射能を観測。バルト海から流れてきたものと思われるが、ロシアは原発事故を否定。

2020-06-30 18:06:06 | 原発
Redazione GreenStyle 30 Giugno 2020

Nube radioattiva in Nord Europa, la Russia nega
Una nube radioattiva giunge nel Nord Europa dai Paesi del Mar Baltico, ma la Russia nega: nessun incidente nelle centrali nucleari del Paese.

オランダで異常なレベルの放射能を観測。バルト海方面から流れてきたものと思われるが、ロシアは原発事故を否定。

この情報は、Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty Organization (包括的核実験禁止条約機構)の事務局長、Lassina Zerboによってもたらされた。但し、放射能の強さは、、チェルノブイリ事故時に観測された値よりかなり小さい。
6月23日にセシウム134、137、ルテニウム103が観測された。それらはバルト海方面から来たと推測された。観測値は自然のものではなく、核分裂特有のものであり、そのため、これはロシアの原発由来と推定した。しかし、ロシアのRosenergoatom社は Kola と Leningradoにある原発に異常は起きていないと否定。だが、オランダ公衆衛生・環境機関もZervo氏の発表を支持。観測値は人工的なものであり、分析内容は原発の事故を推定させるものだ。観測された値は人体に影響を及ぼすほどのものではないと思われるが、どこから来たものかは不明だ。ロシアは否定している。

(本文)
https://www.greenstyle.it/nube-radioattiva-nord-europa-russia-nega-328352.html?utm_source=tagnewsletter&utm_medium=email&utm_campaign=Newsletter+centrali-nucleari,incidente-nucleare:+greenstyle.it&utm_content=2020-06-30+nube-radioattiva-nord-europa-russia-nega