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クロトーネの悲劇。女性救援団体リーダーの息子が殺される。

2018-01-16 00:46:47 | 社会
Corriere della sera
14 gennaio 2018 (modifica il 14 gennaio 2018 | 22:08)

«Volevo salvare le donne, mi hanno ucciso un figlio, ma non posso arrendermi»

「私はこれまで女性たちを救いたいと思っていたが、その女性たちが私の息子を死なせてしまった。でも私は今の仕事を諦めません。」

「これまでたくさんの女性を救ってきたつもりだけど、私は自分の息子を救うことが出来なかった。」カティア・ビッリリッロはクロトーネのアパートの1階の40平米ほどの質素な部屋で悲しみに耐えている。女性運動組織”自由の女”創立者で、18歳になったばかりで殺されたジュゼッペの母親のもとには、彼女を慰めようと何百人もの女性たちが集まり、抱き合っていた。集まった女性たちは路上や麻薬から救われた女性たちで、2009年以来この町で救いの手を差し伸べてくれたこの女性に、いま慰めのためにやってきたのだ。「私はクロト-ネの町にたくさんのことをしてきた。ゴロツキや不正を働く者とひとりだけで闘ってきた。

「息子は私の家族が不審の目を向けていると思い込んだ男に殺されたんです。」とカティアは語る。土曜日の午後、カティアの息子を殺したのは、自由の女の団体事務所の前で、姉とその夫、子供と一緒に住むサルバトーレ・ジェラーチェという男だった。彼は自分の家のすぐそばに彼女がこんな団体事務所を作ったのは、麻薬患者や誘拐人や売春婦で知られたこの町の監視の1拠点としたと思ったのだ。

「私がここに事務所を開いたのは、ただそこにある社会的な不安に対抗する必要があったからなんです。この仕事は誰からも、ほかの団体からも良い目では見られなかった。」とカティアは憤懣を語る。「このために息子は死んだんです。しかし私は今の仕事を諦めません。」 彼女はまた不条理な犯罪がどのようにして起こるにいたったかを語った。「あの男は自分が監視されていると言っていた。殺されるか地獄に落とされると言って怖がっていた。そして私たちを攻撃するようになった。土曜日、息子のジュゼッペがバイクで帰ってくるのを見て、男は警察のような暴力を振るってきた。

男は、私と3人の息子とジュゼッペの恋人の5人でコーヒーを飲んでいた部屋に入ってきたの。そして無言で銃を撃ち始めた。私は助けを求め叫びながら家の外に飛び出した。ジュゼッペは背後から撃たれた。私は彼を救い出そうと家にまた入ったが、私が倒れている彼を起こそうとした時心臓に向けて銃を撃った。」殺人鬼はそのあと自分の家に戻ると、松葉杖をついてまた外に出てきた。モバイル警察に連行されたとき、男は足を打たれて立っていられないと言っていた。警察署での取調べのあと、歩けなかったため車椅子で留置所に収監された。男は57歳、ほんの2ケ月前に3年の刑期を終えたばかりだった。クロトーネに戻り、密売人を続けていた。男はレボルバーの短銃を購入し、数日前にはカティアの帰りを家で待ち伏せ、「おい、見ろ。俺は銃を持ってるんだ。お前やお前の息子たちが俺にしたことに注意してろよ。」と大声で叫んでいた。

これはカティアの家族がいままで受けてきた脅しのひとつだ。彼女はあんまり注意を払っていなかった。ここ数年で慣れっこになっていたのだ。彼女は語り続けた。「私は市役所に監視カメラの設置をお願いしたけど、聞いてはくれなかった。私の団体のヌーメロベルデ(無料電話)の再設定を催促したときも聞こえないふりをしていた。男から守って欲しいと懇願したときも無視された。」 犯行のあと、犯罪者の家族は謝罪に現れた。「やっと今になって私に気が付いたわけ?息子が殺された後で。」 カティアは涙ながらに語った。「なぜ家族は男からピストルを取り上げなかったの?」

ジュゼッペの死はクロトーネの町を揺るがしている。町の行政はようやくカティアを気づかうことにしたようだ。葬式の日に葬式の進行を市民参加で行う市民の服喪が行われることが決まった。

「原文)
http://27esimaora.corriere.it/18_gennaio_14/volevo-salvare-donne-mi-hanno-ucciso-figlio-ma-non-posso-arrendermi-215b8a3a-f968-11e7-908c-5ec0ce9694cc.shtml

1 コメント

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クロトーネ (柏住人)
2018-01-17 11:53:28
クロトーネはイタリア半島の靴底に位置するカラブリア州にある町ですね。20-30年前に比べれば、マフィオーゾなイメージは改善されているかもしれませんが、なんとなく、治安の割悪さが残っていることを思わせる記事でした。
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